福沢諭吉が図柄に使われた現行の1万円札の製造が9月までに終了したことが4日、日銀への取材で分かった。
2024年度上半期をめどに実業家の渋沢栄一を採用した新紙幣を発行するため。樋口一葉の5000円札、野口英世の1000円札も、
それぞれ女性教育の先駆けとなった津田梅子、近代医学の基礎を築いた北里柴三郎に交代するため、製造を終了した。
紙幣は日銀が発行しているが、実際の製造は国立印刷局が担当。今年6月に新紙幣の製造を本格化させており、発行に備える。
福沢諭吉は知名度が高い明治以降の文化人として、1984年に聖徳太子に代わって1万円札の顔になった。
渋沢は、みずほ銀行の前身の一つである「第一国立銀行」や王子製紙などの設立に関わり、日本の資本主義の父とされる。
日銀によると、現行の紙幣は2021年3月末時点で合計約166億枚が市場に流通していた。約120兆円分に相当するという。(共同)