ビルの警備室に電話をかけて警備員から現金を詐取しようとしたとして、警視庁は、いずれも職業不詳の千葉県市川市の男(63)と住居不詳の男(48)を詐欺未遂容疑で現行犯逮捕し、31日発表した。
男らのグループは「会社役員」を名乗って現金を用立てるよう頼んだとされ、親族をかたることが多いオレオレ詐欺では珍しい手口だという。
愛宕署によると、逮捕された男2人は10月28日、東京都港区内のビルに入る会社の役員をかたって警備室に電話をかけ、
警備員の80代男性に「仕事で必要な書類と200万円がなくなった。社長に内緒で用立てしてほしい」とうそをついた詐欺グループの一員として、現金を受け取るなどの役割をしていた疑いが持たれている。
警備員の男性は前日の27日午後5時半ごろに警備室で「携帯電話を忘れた。届いていないか」との電話を受けた。
男性はこの電話主がビルに入る会社の役員と思い込んで対応しており、翌日の電話で現金もなくしたとして用立てを頼まれ、困って家族に相談して詐欺と気付いたという。
男性側から通報を受けた警察が、現金受け渡しの場所として詐欺グループが指定した港区内の路上に現れた63歳の男を受け子役として現行犯逮捕。近くで見張り役をしたとして48歳の男もその場で逮捕した。
署は今回の事件は新手のオレオレ詐欺の手法とみているが、同様の被害が他にあるかについては「特殊すぎて確認できない」としている。
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