「天然パーマ」「毛が濃いんだよ」。彼女の容姿に対して毎日言われたことば。 黒板に書かれた彼女の似顔絵に投げつけられたスリッパ。
その少女は、過去に体験した記憶から逃れることができず、心の傷は癒えることはありませんでした。

優しく元気づけてあげる正義感の強い、自分の意見をしっかりと言える子どもに成長しました。

始まったいじめ

しかし美桜子さんは、愛知県の私立中学校に進学するといじめを受けるようになりました。
はっきりした理由はわかりません。同級生がいじめられているのを見て「やめなよ」と言って止めたこと。担任が男女差別的な発言をしたことに対して「そういうことを言うのは間違ってる」と意見したこと。 「ハーフ」だから見た目が目立つこと。

教科書やノートには殴り書きされた「ウザい」「キモイ」「死ね」といった文字。自分のいすに座って下を見ると机の下にゴミが集められ、教室に戻ると美桜子さんの机が教室の外に出されていました。

中学1年の3月。げた箱に行くと、美桜子さんの目に飛び込んできたのは、自分の靴の中にびっしり貼り付けられた画びょう。 美桜子さんは、画びょうが入ったままの靴を持って担任にいじめを訴えました。担任は画びょうを受け取っただけで、こう言ったといいます。

「俺のクラスにいじめなんかするやつはおらん。お前の思い過ごしだ」

8月18日未明。美桜子さんは16歳の短い人生をみずから閉じました。

https://www3.nhk.or.jp/news/special/izon/20190419nippon.html