世界保健機関(WHO)が第2級発がん性物質に指定した「死の実」ビンロウが、最近5年間に100トン以上も韓国に輸入されていたことが分かった。
24日、野党「共に民主党」の洪性国(ホン・ソングク)議員が関税庁から提出させて公開した資料によると、最近5年間でビンロウの実が103.2トン輸入されていたと明らかにした。
年度別で見ると2018年11トンから2019年26トンに2倍以上伸び、2020年と2021年それぞれ23トンと13トンに減った。
今年は8月末基準で30.3トンが輸入されて昨年全体量に比べて1.42倍増加した。
ビンロウの実に含まれた「アレコリン」成分は2004年WHO国際がん研究所に第2級発がん性物質として登録された。
アレコリン成分は口腔がんを誘発しやすく、中毒や覚醒症状を起こすと知られている。
ビンロウを嗜好品のように大量消費している中国ではすでに2020年、食品品目から除外した。
昨年からはオンライン広報・販売行為を全面的に禁止した。一部地域では陳列された製品を回収する措置まで取ったという。
しかし韓国では漢方薬に分類されるため、輸入通関の制裁を受けずに5年間で103トン以上も輸入されたことが分かった。
洪議員は「主務部署である関税庁と食品医薬品安全処がこれまで数回指摘を受けたにもかかわらずこれといった対策を出せずにいる」と主張した。
関税庁はビンロウが薬事法に従って漢方薬として管理されているため、検査畢証を提出する場合、輸入通関で特別な制裁を加えることができないという立場だ。
食品医薬品安全処は2025年までにビンロウジ(種子)などの安全性評価研究をするとしたが、まだ主管研究機関の選定も行われていなかったことが分かった。
洪議員は「最初に安全性評価が実施されておらず危険性の有無が担保されていない中で、食品医薬品安全処と関税庁がピンポンゲームをしている」とし「迅速な安全性評価など主務部署の迅速な対策準備が必要だ」と指摘した。