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事実上の全日本プロレス初となる女子プロレスラーが、18日の「50周年記念大会」(東京・日本武道館)でお披露目されることが分かった。
〝極悪専務〟諏訪魔(45)と〝大巨人〟石川修司(46)がプロデューサーを務める女子プロレス「Evolution(エボリューション)」に入団した5人の練習生だ。メモリアルイヤーを迎えた老舗団体が、いよいよ新境地を開拓する。
横浜市内の全日本プロレス道場では、これまで見たことのない光景が繰り広げられていた。伝統的に〝女人禁制〟といわれた全日本の道場で、3人の女子がトレーニングに励んでいたのだ。
コーチ役の石川が見守る中、柔軟体操からロックアップ、受け身、そしてロープワークを繰り返す。汗だくになりながらも3人は必死に食らいついていた。この日の横浜市の最高気温は30度。3人の熱気で道場内は40度近くまで上昇していた。
2時間のトレーニングを終えた石川は「3人はエボリューションの練習生です。この他に2人いて、現状は5人います。18日の武道館でファン前であいさつする予定です」と明かした。
諏訪魔と石川が2020年秋に立ち上げた「エボリューションガールズ」を前身として、今年5月に全日本と提携した女子プロレス団体「エボリューション」の設立が発表され新たな女子プロレスラー育成プロジェクトがスタートした。
反響は大きく、16~30歳の女子から20件以上の応募があったという。
入団希望者にはオーディションとして面談や体力テストを実施し、元グラビアアイドル、元タレント、ボディービルダーなど多種多様なバックボーンを持つ5人が合格。1期生として入門し、8月からは全日本道場で週3~4回、練習に励んでいる。
石川は「皆とてもやる気がありますよ。まずはプロレスラーとして恥ずかしくないレベルの選手に育ってほしい」と期待をかける。ほとんどスポーツ歴がないため、まずはプロレスラーになるための基礎として受け身の練習を徹底している。
「これまでさまざまな経験をしてきている子たちが『プロレスラーとして新しい自分を表現したい』と言って入門してきているので、個性が発揮できる場にしていきたい」
ファンの前でお披露目された後は引き続きトレーニングを積み、石川は「年明けにはデビューさせたいと思っています」とした。自主興行でのデビュー戦を検討しているという。
18日の50周年記念大会はメインで王者・諏訪魔VS宮原健斗の3冠ヘビー級王座戦が行われ、グレート小鹿、谷津嘉章、大仁田厚ら全日本OBも参戦する。
まさに50年の歴史を振り返るだけでなく、「女子プロレス」という未来への指針を示すことになる。米「WWE」や新日本プロレスで男子と女子の〝垣根〟が取り払われる中、王道マットにも変革の時が訪れる。