AOKI、KADOKAWA、パーク24。いまだ底が見えない五輪汚職だが、国民が最も関心を抱いているのは森喜朗元首相(85)の関与だろう。
先週、東京地検特捜部が参考人として森氏を複数回事情聴取していたことが報じられたが、特捜部は森氏に「お見舞い200万円疑惑」については一切聴いていないという。
大手新聞社も大物政治家へ“忖度”するかのような報道を続けているため、捜査がどこへ向かっているかが見えづらくなってきた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/424f2c75c8ea5f8e2c562f07d271d69c350a4310
大物政治家へ配慮しているのは特捜部だけではない。新聞社もしかりだ。もっともおかしな動きを見せているのが、事件が佳境を迎えている最中の9月7日に「五輪汚職事件をめぐる一連のスクープ」で新聞協会賞を受賞したばかりの読売新聞である。
読売は特捜部が強制捜査に入る1週間前の7月20日朝刊で、高橋治之容疑者とAOKIとの間で不透明な資金の動きがあったことをスクープ。KADOKAWAルートについてもどこよりも早く報じた。確かにこれらの報道は協会賞を受賞するにふさわしい内容だった。
だが、森氏についてだけはどの社よりも遅れを取っているのだ。200万円については一切報じず、「参考人事情聴取」についても朝日が書いた翌日の朝刊で追いかけたものの社会面の“肩”扱いだった。
「これだけ深く五輪汚職を取材してきた読売が、200万円の件や事情聴取を知らなかったはずがない。あれは『自民党広報紙』と揶揄されてきた読売政治部が森さんに忖度した結果なのでしょう」

腰が引けている点では「反権力」を標榜する東京新聞も負けていない。朝日が参考人事情聴取を報じた9日晩、森氏本人のインタビュー記事を配信。
疑惑浮上後に森氏が初めて記者の取材に答えた”スクープ”なのだが、載っていたのは事情聴取を認めるコメントと「当時の責任者として今回の問題は非常に申し訳ない気持ち」といった薄っぺらい謝罪だけ。
肝心の「200万円」についてはなぜか聞いていないのだ。