ソフトバンクグループ(SBG)が8日発表した2022年4~6月期連結決算は、純損益が3兆1627億円の赤字となり、7615億円の黒字だった前年同期から大幅に悪化した。
金利上昇や景気後退懸念を受けた投資先企業の株価下落や、急速な円安進行が大きく響いた。証券大手の集計によると、赤字額は四半期決算として国内企業で過去最大となった。
孫正義会長兼社長は東京都内で開いた記者会見で、22年1~3月期に続き、4~6月期も巨額赤字を計上したことについて「合わせて5兆円の赤字を出した。しっかり反省したい」と述べた。
人員削減を含め「全社的に聖域のないコストダウンを図らなければならない」との認識を示した。
SBG本体や「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」などを通じた投資損益は2兆8344億円の赤字だった。投資先の韓国のインターネット通販大手クーパンや、米国の料理宅配大手ドアダッシュの株式の価値が減少した。
また円安進行によってドル建て借り入れの返済負担が増え、8199億円の為替差損を計上したことも赤字拡大につながった。
売上高は6・3%増の1兆5720億円だった。新型コロナウイルス禍で停滞していた経済活動が再開し、傘下のヤフーとLINE(ライン)の広告事業が好調だったことが寄与した。(共同)