地元団体らの訴えにより、予想もつかない判決が生み出された。米カリフォルニア州の高等裁判所は5月31日、特定の条件においてハチを魚とみなすことが妥当であるとの判決を下した。
判決はミツバチに似た仲間の「マルハナバチ」のうち4種について、魚類に含めることが可能だとの判断を示している。
裁判では、地元の複数の公益団体がカリフォルニア州魚類狩猟委員会に対し、同州の絶滅危惧種法が危惧種として指定しているリストに新たに4種のハチを加えるよう求めていた。
問題は、焦点となっている絶滅危惧種法が、魚など水生動物を想定したものである点だ。しかし原告側は、同法の「魚」の定義の不備を突いてハチを保護対象に含める戦略をとり、勝訴した。
絶滅危惧種法は魚類を対象とすることを明記しており、その定義として、「野生の魚、軟体動物、甲殻類、無脊椎動物、両生動物、あるいはこれらの動物の一部分、稚魚、もしくは卵」と定めている。
原告側は無脊椎動物が魚の定義に含まれることに着目し、無脊椎動物であるハチは同法の保護対象であるとの理論を展開していた。
高裁の判決はこの主張を支持し、同法に定義する魚類にハチが含まれると判断した。
判決を受けて米CNNは、『カリフォルニアのfishyな(胡散臭い/魚臭い)判決: カリフォルニアの裁判所が特定の条件のもと、ハチは魚であると法的に認められるとの裁定を下す』と報じている。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2022/06/post-98863.php