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未婚男性でも、「現在恋人がいる」または「年収500万円以上である」場合は幸福度が高い。恋愛や経済的条件が満たされていると未婚男性も幸福なのだ。

しかし、それと遜色ないレベルで「何かしらオタク趣味を持つ」未婚男性の幸福度も高い。むしろ中年以降、全体的に幸福度が下がる中においても、「オタク」の場合は、「現在恋人がいる」男よりも、「年収500万円以上稼ぐ」男よりも幸福度が高くなるのである。これは、女性の場合もほぼ同様で、オタクの幸福感は高いと言える。

総論的には、確かに「未婚は不幸である、男の未婚はなおさら不幸である」と言えなくもないのだが、未婚であろうと、恋人がいなかろうと、低年収であろうと、何事か打ち込めるオタク的趣味があれば、十分幸せでもあると言える。

オタクの幸福度が高いワケ

ちなみに、個々のオタク属性によっても調べてみた。結果だけいえば、男女共通して全体の幸福度より約1.2倍以上も幸福度が高いものは「アイドル」「プロレス」「野球・サッカーチームの応援」の3つであった。これらに共通するのは「誰かを支え、応援する」という気持ちである。

そもそも、既婚者の幸福度が高いのは、「家族や子どもがいるから」という要因がある。

高い収入があるわけでも、何か他人より秀でた能力があるわけでもなく、むしろ自己有能感は低いにもかかわらず、既婚者は「あるがままの日常」の中に幸せを感じられる人が多い。それは、家族や子どもを自分が支えている、応援しているという満足感によるものなのかもしれない。

家族や子どものいない未婚のオタクも、アイドルやプロレスラー、好きなスポーツチームを応援することで満足を得ている。ある意味それは「擬似家族・擬似子育て」とも言えるのではないだろうか。

親は、自分の子の大学授業料や生活費がどんなに高額でも、それを無駄な出費だとは思わない。同様に、アイドルオタクがアイドルのために消費するのも同様だろう。むしろ惜しみなく注ぎ込む。そこに何かの見返りを求めることもない。

お金をかけたからといって、そのアイドルが売れるとも限らないし、そのチームが優勝するわけではない。しかし、そうしたいのだ。経済的合理性や効率性など、そんなことはどうでもいい話である。未来に確実な成功や報酬が約束されていなくてもいい。

むしろ、不確実な未来を一緒に喜びたいのだ。理屈やリスクではなく思わず行動してしまうこと。自分の役割をそこに見いだせること。それこそがオタクの幸せの正体なのかもしれない。

https://news.yahoo.co.jp/byline/arakawakazuhisa/20220602-00298863