世界各地でテロ事件を起こした「日本赤軍」を結成し、オランダのフランス大使館が武装占拠された1974年のハーグ事件に関与したとして懲役20年の判決が確定した重信房子元最高幹部(76)が28日、刑期満了を迎え、服役していた医療刑務所「東日本成人矯正医療センター」(東京都昭島市)を出所した。
重信元幹部は午前7時55分ごろ、黒のワンボックスカーに乗って施設の敷地から出た。車から降りると支援者約30人に囲まれ、抱擁を交わした。
近くの公園で報道陣の取材に応じ、過去の日本赤軍の活動について「見ず知らずの人たちに被害を与え、この機会におわびします」と述べ、「まずは治療と学習に専念したい」とはっきりとした口調で話した。
重信元幹部は左翼セクト「赤軍派」幹部を経て71年、レバノンに出国。現地で反イスラエル闘争を展開するパレスチナ解放人民戦線(PFLP)と共闘し、日本赤軍を結成した。
ハーグ事件に関与した疑いで国際手配され、大阪府内に潜伏中の2000年に逮捕された。裁判では同事件の殺人未遂罪などについて無罪を主張していた。
服役中にがんの手術を受けており、最近支援者に宛てた手紙では「出所後は謝罪と感謝とリハビリと斗病(闘病)で一杯」とつづっていた。
日本赤軍を巡っては、01年に重信元幹部が解散を表明したが、日航機がハイジャックされたダッカ事件に関与したとされる坂東国男容疑者(75)らメンバー7人は今も国際手配されており、警察当局が動向を注視している。(共同)
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