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大相撲夏場所(5月8日初日、東京・両国国技館)の新弟子検査が15日、両国国技館で行われ、東大相撲部出身の須山穂嵩(24=木瀬)ら7人全員が身長167センチ、体重67キロ以上の体格基準を満たした。
内臓検査の結果を待ち、初日に合格者が発表される。須山が合格すれば角界初の東大出身力士が誕生する。
須山は180センチ、104キロで基準を満たした。これで日本の最高学府・東大から初めてとなる力士の誕生へまた1歩近づいたことに「これから始まるんだなという気持ちです」。周囲の関心や期待をよそに、本人は「(プレッシャーは)別にないです」。平常心を貫く。
埼玉・市立浦和高から1年浪人し、慶大へ。当時はバンドサークルに所属し「ギターをやったんですけど、そんなに…。1年ちょっとやっていたくらい」。
1年の仮面浪人の末、東大文科三類に進み、相撲と出合った。「格闘技を前からやりたいと思っていて、相撲部があるって聞いて行ってみようなかなと思ったんです」。気がつくとのめり込んだ。
もっと相撲を究めたい−と思っていた矢先、世界的に拡大する新型コロナウイルスが襲った。「コロナで大学3年、4年の間にあまり稽古ができなくて。もうちょっと強くなりたいなと思って、(相撲界に)入りました」。
同級生の多くが有名企業や官公庁などに就職する中でも「僕は考えなかったですね」。両親からも「頑張れ」と背中を押してもらい、長年過ごした実家を離れた。木瀬部屋を選んだのは稽古に参加したことがあることに加え「親方と誕生日が一緒だから」。これまでの縁を大事にしながら、「1日、1日を頑張ろうと思ってます」。
「8単位と卒業論文」が残っているため、本年度は東大に通いながら稽古に励む。得意の形は左四つだが「まだ出来上がってないんで、これから何か磨いていけたら」と言いながら、「今は日馬富士さんみたいな相撲を取りたいなと思います」と希望に満ちあふれている。