東京を拠点に活動する写真家、川口晴彦氏に家族写真の撮影を依頼するには、ある変わった条件がある。川口氏は、依頼者の家全体をビニールシートで包み、さらに依頼者を密閉式のポリ袋で真空パックする。
その状態から必要な写真を撮影し、息苦しそうな被写体の人々の包装を解くまでの時間はわずか数秒だ。
川口氏が「家族の記念写真」と表現するこの印象的な写真は、川口氏の写真集「フレッシュラブ」シリーズに掲載されている。フレッシュラブは、人々をプラスチックフィルムで真空パックすることにより人間の親密さを探求する取り組みで、川口氏は約20年前から続けている。
川口氏が沖縄からのビデオ通話の中で語ったところによると、「フレッシュラブ」シリーズの制作を始めるにあたり、何人かの親しい友人に頼んで彼らがどのくらい息を止めていられるか試した結果、約15秒間と分かった。
そこで川口氏は「10秒ルール」なるものを作り、写真が撮れたか撮れなかったかにかかわらず、10秒後に包装を解くことに決めたという。
https://www.cnn.co.jp/style/arts/35186053.html
https://www.cnn.co.jp/storage/2022/04/08/c7acc225e7c4feaa66e46f17802b2cae/photographer-hal-flesh-love-restricted-super-169.jpg