「着いたのは、ただの古いアパートの一室のような場所でした。中に入ると“そこに座ってなよ”と部屋の隅にあるソファベッドに案内されました。
木下は購入したお酒を取り出し、キッチンで私に背を向ける形で見えないようにコップに注いで……。
なぜか時間がかかっていて、一瞬不思議に思いました。
そもそも私が買ったカクテルは、ボトルから直接飲めるものですし……」

違和感を感じたSさんだったが、早くその場を出ようと考え、「これを飲んだら帰ります」と念押ししたうえで木下が用意した酒を口に運んだ。
身体に異変が生じたのは、その5分ほど後だったという。

「突然、平衡感覚を失ったような感覚に陥り、吐き気を催して身体が鉛のように重くなりました。
木下はそんな私を見ても慌てる様子なく、私を横になるよう促してソファベッドを広げました」

Sさんが言われるがまま横になっていると、木下は驚きの行動に出た。

「急に抱きつかれ、強引にキスをされました。ショックのあまり泣いて抵抗しましたが、木下は“キス、へたくそか?”と面白がるような態度で……。
私は逃げるような思いでトイレに駆け込み、体調の悪さから嘔吐してしまいました。

少し状態が落ち着いてから、早く部屋を出ようとトイレのドアを開けると、電気が消えていて……。
待ち受けていた木下は、私のズボンを脱がせてきました。必死に抵抗したんですが、力づくで下着ごと脱がされ……。
ベッドの上に私を押し倒すと、馬乗りになって抵抗できない状態にしたうえで、陰部に指を入れたり舐めたりしてきたんです」

メディアに出演する俳優として、にわかには信じがたい行為。Sさんが抵抗を続けても、態度は変わらず……。

「泣き叫びながら抵抗しましたが、木下は“泣かないでよ。泣くと萎(な)えちゃうじゃない”などと言いながら、性器を挿入しようとしてきて……。
止めるよう懇願すると“射精しないから大丈夫”と。できるだけの抵抗を続けると“分かった、着けるよ”と言い、馬乗りのままゴソゴソと何かを取り出しました。
このとき避妊具を着用したのでしょうが、私は避妊すれば挿入していいと認めたわけではありません……」

その後木下は挿入を続けたが、Sさんの必死の抵抗を受けて、最終的には性交を中断したという。

「あまりに暴れて抵抗したからか“俺も萎えちゃった”と言って途中で止めました。
私は急いで服を着ましたが、体調が悪く、倒れ込むように眠ってしまって……。
目を覚ましたのは、翌日の朝のことでした」
法的措置に対して木下は……

すぐにでもその場を離れたかったが、正確な場所が分からなかったSさんは木下の言葉に従いタクシーに同乗し、駅から電車で帰宅したという。

「正直、精神的なショックや怒り、不信感でいっぱいでした。
でも、そういう感情を露(あら)わにした連絡を送ってしまうと、木下は返事をしないだろうと思ったんです。
まずはそれまで通り調子のいい雰囲気で連絡を取り、徐々に被害内容に話題を移せば、木下も事実を認めて誠意ある対応をしてくれるんじゃないかと」

食事を共にしたことへの挨拶から始まり、だんだんと当日の行為に話を移した。
しかし、木下の対応は誠意あるというにはほど遠いものだった。

「後で病院に通って“膣炎”と判明したんですが、膀胱炎のような症状があったから木下に伝えたんです。
そのうえで《なんで抵抗したのにむりやりエッチしたんですか》と尋ねると《…めっちゃ嫌われたの?》と。
罪の意識のかけらもないんだなと、呆れました……」

その後も、妊娠への不安を示すSさんに対し《着けてる》《ゴミは今朝処分した》などと取り合う姿勢を全く見せなかった木下。
しかし、Sさんが知人に相談することを告げると、態度が一変した。

「以前交際していた男性が芸能活動をしていたので、相談しようと思ったんです。
そのことを告げると、突然《今回は、本当にごめんなさい》《明日にでも謝罪させてくれませんか?》《お願いしますどこでも行きます!!》と……。
ただ、私はその時点で木下に対して強い不信感を抱いていたので、弁護士に相談の上、
過去の事例に基づく金額の慰謝料を算出してもらい、同年の10月28日、木下が所属していた事務所宛で損害賠償を請求しました」

自身が受けた被害内容に基づき、法的な措置に出たSさん。しかし、木下側の対応は予想に反するもので……。

https://news.yahoo.co.jp/articles/c6d4faf15601864f42396c294a4138a9f2868a11?page=3