2018年5月17日、熊本県北部のある町で、祖母が首をつっている高校3年の孫の姿を見つけた。女子高生の名前は、深草知華(事件当時17歳)。142センチの小柄で、先輩後輩問わず好かれる、愛嬌のある子だった。

この日、彼女は通っていた高校で、インスタグラムへの投稿による「誤解」がきっかけとなって同級生とトラブルになった。その後、「頭が痛い」と言って3時間目の休み時間に早退、帰宅後わずか一時間の間に彼女は戸棚の取っ手に縄跳びの紐を通し、縊死したのである。

知華は遺書の最後に次のように記している。

〈昨日起きたある誤解により、3の2のある一部の人たちから、「そんなことしきらん」「よー学校これるね」「もー自分のことって気づいてんじゃ?」「しねばいい」「おもしろくなってきた」など言われた。誤解なのに。その一部の人たちが、おもしろおかしく笑いながらそういうことを言っていた。とても苦しかった。解決したと思ったらその人たちがコソコソとしてる。

授業が終わったあと、友だちは去っていった。1人の子と一緒に担任の所へ行った。だれも助けてくれなかった。

もう死にたいと思った。だって死ねばいいって言われたから。

クラスのみんなが大好きだった。いつもアリガトウ〉

事件後、「熊本県いじめ防止対策審議会」が結成されて関係者に対する聞き取り調査が行われ、同級生の発言など5件をいじめと認定し、自殺との因果関係を認めた。現在、亡くなった生徒の遺族は、当時の同級生4人を相手に提訴している。

https://news.yahoo.co.jp/articles/b89742045ab1d27509e13d9afde3fb29119966da