プロフェッショナル 仕事の流儀 【佐賀の包丁研ぎ師 坂下勝美氏】手がけてきた包丁は20万本以上。研ぎの予約は2年待ち。包丁の研ぎ方を勉強してきました。
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佐賀県鳥栖市の中原の駅からほど近くに『二葉商会』は工房を構える。坂下さんは高校を卒業して電気関係の仕事に就いたあと、病気が発覚したため故郷である鳥栖に戻ってきたという。
坂下さんは独学で砥石の勉強を始め、本格的に包丁研ぎの世界に入った。勉強を始めて6年が経った頃、やはり包丁の本場で職人の和包丁造りを勉強したいという思いが高まり、意を決して、刃物の産地として名高い大阪・堺の門を叩いたのだという。そうして佐賀へ戻り、またひたすら独学で包丁を研究し続けたという。
大手ガイドブックの三つ星をはじめ、名だたる料理人たちが絶大な信頼を寄せる職人。包丁研ぎ一筋53年の研ぎ師・坂下勝美さん。その手にかかれば、家庭用の包丁ですら、名刀のような切れ味に生まれ変わる。これまで手がけてきた包丁は20万本以上、佐賀県みやき町の工房には全国の料理人から包丁が届き、研ぎの予約は2年待ちという状態。
包丁の刃の表面にほんのわずかなへこみを作り、切った食材との間に「空気の通り道」を作り出す技術や、刃についた小さな「欠け」から使い手の癖を読み、最善の研ぎを選び抜く気配り。命を削るかのようにして研がれた包丁は、食材の繊維を押しつぶすことなく、素材本来の味を引き出す。
坂下さんの砥石は特徴的で、中央が沿っており、これが一番良い砥石の形なのだとか。そして坂下氏の工房には、造った包丁が立てておかれている。包丁の背中、しのぎ、刃の線の集合が一番美しく見える姿なのだという。

坂下勝美 包丁師
https://www.youtube.com/watch?v=xDL6x2AuxiM