大学ジャーナリストの石渡嶺司氏が言う。

「前回の不祥事は、理事長という学生からは遠い存在の問題でした。今回は学生であるアメフト部員の逮捕と
事件を巡る日大の隠ぺいやパワハラ体質が明るみになったのが大きいでしょう。結果的にアメフト部の廃部と
酒井健夫学長、澤田康広元副学長の辞任で幕引きをはかったが、部の関係者が処分されるわけではなく問題が
うやむやにされた印象。近年ハラスメントという言葉に敏感になったのもあってマイナスに作用しています」

 その後、澤田元副学長は薬物事件を巡る対応で、林真理子理事長にパワハラを受けたとして裁判を起こしている。
また、元理事長の脱税事件などを受け不交付になっていた国の補助金も3年連続不交付が決まっており、
「学費が上がるのではないか」と疑念を持たれる事態も続いている。

「もうひとつ、日大は学生に魅力を持たれる取り組みが実行できていない点も志願者数に響いています。
マンモス大学ですがキャンパスが学部ごとでバラバラで、ほとんどが1学部1キャンパス。東洋、駒沢、専修大は
基本複数部を1つのキャンパスに集めていますが、傾向として都心に複数の学部を集める方が志願者が
集まりやすい。こうした改革ができるかも今後に響いてきます。日大は10年前までは『日東駒専』の
トップでしたが、その後、東洋大が逆転し、駒沢、専修に並んでいました。今年並みの激減が数年続けば、
偏差値にも影響しますからグループから離脱する可能性があります」

 かつての勢いを取り戻すことはできるのか。