京都大学における「学徒出陣」:調査研究報告書
http://ci.nii.ac.jp/ncid/BA7802213X

出陣学徒京都の壮行会 いざ征け、決戦場 平安神宮に晴の首途祝福

“必勝の信念を堅持し勇猛果敢敵米英を撃滅せずんば断じて再び祖国の土を踏まず”

と烈々たる闘魂を学びの舎から決戦の庭に今ぞ征く学徒に送る百廿万市民の餞け京都

市主催出陣学徒武運長久祈願祭並に壮行会は廿一日午前九時半から平安神宮神苑にお

いて華々しく挙行された、“海征かば水漬く屍…”今日のこの感激をしつかと胸に米

英撃ちてし止まむの決意を眉宇に身は今此処にあれど心は北の南の大陸の決戦場に馳

せる京大、立命大、同大、龍大、谷大、高工、三高、絵専、佛専、高蚕、臨済学院、

武専、京都専門、京商の出陣学徒は校旗を掲げて歩武堂々と式場に参集、先輩の首途

を送る京一商、一工、二条高女、堀川高女の後輩学徒式場に参列、定刻九時卅分祈願

祭はいとも厳粛に執行、平安神宮寺田宮司祝詞を奏上、篠原市長、出陣学徒代表同大

大坪幸弘君、出陣学徒学校代表羽田京大総長、安田京都市会議長の玉串奉奠あつて祈

願祭を終り、次いで壮行会に移り国民儀礼、君が代斉唱、篠原市長詔書奉読、次いで

篠原市長壮行の辞を述べ河野京都師団長、新見舞鶴鎮守府司令長官(石川第三課長代

理)雪沢京都府知事(野間内政部長代理)の激励の辞に応へて出陣学徒代表京大酒井

平君の答辞あつて“海ゆかば”“愛国行進曲”を斉唱、安田市会議長の発声で聖寿万

歳を奉唱、出陣学徒万歳を三唱して式を閉ぢ、出陣学徒は祝酒を戴き平安神宮の護符

を受け送る後輩学徒の万歳、打振る旗の波の中を堂々行進散会した[以下略]
 

(『京都新聞』1943年11月22日付朝刊)