《不義遊戯の発動要件》
被術者、被術物を効果範囲内であると術者自身が認識していること。(①)
術者が両の掌を強く合わせること。又は他者と掌を強く合わせること。(②)
被術者、被呪物が呪力を帯びていること。(③)
不義遊戯(以下、術式)の発動要件は、この3つの要件に大別できる。

そして今回起きたと予測される事象は、
(a)猪野、三輪等の呪術者とカラスの入れ替え。
(b)真希とカラスとの入れ替え。
(c)被術者の入れ替えに伴う、被術者の携帯する呪具、衣服の入れ替え。
(d)他者の展開する領域内と領域外の入れ替え。

これらを要件に当て嵌めて説明すると、(a)(c)に関しては、①③で説明可能。(d)に関しては、①の術者の認識範囲を拡張すれば可能であるとの描写がある。

ただし、(b)に関しては、①~③の要件では説明しきれない。たしかに、被術者の禪院真希は、天与呪縛によるフィジカルギフテッドである。五条悟の、僅かな呪力でも認識可能な六眼を以てしても、同じくフィジカルギフテッドの禪院甚爾の姿を捕捉することは困難であり、その捕捉困難な禪院真希を一般的な認識能力しかない東堂葵が認識することは困難である。しかし、(d)で行った術式解釈の拡張を用いれば、説明は可能である。
258話において、呪力を持たず簡易領域を修得していない真希を、宿儺の伏魔御廚子から守るため、三輪が真希の側で簡易領域を展開している。ここで、術者である東堂葵が、簡易領域自体を入れ替え対象として認識すること(①)で、簡易領域、簡易領域に内含される、三輪、真希、それらの携帯する呪具、衣服等と、被術物であるカラス(③)とを入れ替えることが可能になる。
よって、術者が簡易領域、簡易領域に内含される物体を術式対象と認識することで、禪院真希の救出も可能である。

真希の入れ替えを簡単に説明してみた。異論は認める。