南行きの飛行機に乗り込もうとする時にふと立ち止まる五条
七海がどうしたんですか?先に行きますよと乗り込んでいく
いや、なんか忘れ物したような気がして
未練なんかあるわけないでしょ!? さっきそう言ってたじゃないですか!とデリカシーなく灰原が笑いながら横を通り過ぎていった。
───…そうだよな
と入ろうとした時に服を引かれる感触

…生 先生…!
術式邪魔!と真っ先に叩いてきた悠仁のことが、雑な励ましをくれた生徒たちが思い浮かぶ
悔しさが、申し訳なさが本当の気持ちが堰を切ったように溢れ出した
ごめん、倒せなくてごめん 残してしまってごめん、信じてくれたのに、背中を押してくれたのに!
五条の蒼さが消えた目から涙が流れた。

立てよ悟 そこで泣いてたら邪魔だろ?
夏油が見下ろしながら言った

生徒が花だって? 君は勘違いしてるよ 花が背中を叩けるかい? 共に笑ってくれるかい? 彼らは花なんて弱々しいものじゃない、全霊で君の仇を討とうとしてるよ

でも、もう俺は…
それにね、硝子はまだ諦めてないみたいだよ 切れながら君のことをくっつけようと躍起になってる

でももうダメなんだ、俺は負けたから…

君はさ、最強なんだろ? 一度奪われたから取り返したんじゃないの?   それとも宿儺にはもう降参? なら、しょうがない機内では君の泣きべそ顔でパーティしようか
ぬかせ、この乗っ取られ野郎が

楽しそうに煽る親友にだんだん怒りが湧いてきた

行きなよ悟、待っててあげるから
えー、夏油さん先行きましょうよ 

灰原が楽しそうに不満を口にする

行くなら勝ってきてくださいよ 最強じゃない貴方なんてただの性格悪い先輩ですから
七海の乱暴な激励

クソがテメェら好き勝手言いやがって!! 次はボコボコにしてやるからな!

はいはい、ほら背中向けなよ
炸裂 それは全員から。全力で

学長、やっぱり悔いありましたんで戻ります!

────生徒のこと、頼んだぞ悟
はい!

五条は走り出す。北行きのゲートに向かって
その眼は透き通る蒼さに輝いていた





ワイは何してんや…