サラサを殺したのは別人格のクロロ本人
もう一人のクロロには殺した記憶が全くない
メッセージも自分が書いたものだったため他の仲間たちに言えるわけがない
目の光を失い涙を流すクロロの描写は彼の言いようのない悲壮感、忌避感、脳裏をよぎる一雫の快感が忠実に表現されている
自分が犯人であると頭の隅では気づいているだがその現実を認識しきれないクロロは自分は悪党になる、小悪党から街を守るなどと逃避じみた発言をする
殺人現場を唯一陰から目撃していたシーラはクロロに何も言えないまま複雑な感情を抱えその場を立ち去ってしまう
描かれた彼女の表情からは決して逃れることのできない悲しみと憎しみが伝わってくる
クロロは自分がどういう人間なのかも分からず、狂ったまま生き続けている
仲間であるはずの団員たちが誰一人知らない事実を一人で抱え込みながら、彼は一人で現実という記憶の中を演じ続けている