>>914が恐らく欲しがっていたであろう麻美編
彼女、お借りします episode0 麻美の母親

私には二人の母親がいる。
大好きだった実の母親と
その母親を死に追いやった義理の母親。
思えば私の人生は好きな物ほど取り上げられ
好きな人ほど離れ離れになって来た人生だった

時に麻美9歳の頃ーーー
母親「マミちゃんもうこんなに上手にハンバーグ作れるようになったのー?エライねー」
麻美「エヘヘッ、お母さんに喜んでもらいたくて愛情をたっぷり注いで作ったのー」
麻美は大好きな母親に
満面の笑みを向けて言った。
麻美は母親が大好きだった。
何があってもそばに居てくれて
何があっても味方になってくれていた掛け替えのない世界で一番大切な人だった。
ある時期から父親は滅多に家に帰って来なくなった。帰って来ても夜遅くなる事が多く決まってその時は激しく口論していたのを目の当たりにしていた。そしてやがて母親の様子がおかしくなっていった。酒浸りになり、怪しい注射を打つようになり、最後には首を吊って自らの命を絶った。
幼き日の麻美は現実を受け容れられなかった。
だが、その数週間後、父親が幼い男の子を連れた若い女の人を家に連れて来て
「麻美、新しいお母さんだよ。ご挨拶しなさい」と言った。
私はこの時全てを感じ取って悟った。
この女が私のお母さんを死に追いやったのだと
この女性こそ父親の不倫相手であり
麻美の実母はこれを苦に精神的に追い込まれ死に追いやられたのだ。
麻美「貴方が浮気相手の人?」
繼母「えっ?」
父親「コラッ!麻美!なんて事を!!」
麻美「貴方がどれだけお母さんを苦しめたか知ってるの?私がどれだけ苦しめられたか知ってるの?」
繼母「・・・・・・
ごめんね麻美ちゃん。麻美ちゃんが許してくれるなら私はどんな事でもするから・・・本当に本当にごめんね」
麻美の心に黒い衝動が激しく動き始めた
麻美「は?なら死んで」
繼母「ちょ、麻美ちゃ・・・」
麻美「お母さんがどれ程苦しい思いをして死んでいったか知ってるの?貴方だけは死んでも許さないと言いたい所だけど死んでお侘びをすると言うなら許してあげる。でも出来ないよね?申し訳ない気持ちなんて上辺だけの薄っぺらい言葉だけなんだよね?」
父親「麻美!いい加減にしろ!!」
私は激しく父親から引っ叩かれた
麻美「お父さんもこの女絶対に許さない!!私のお母さんは天国にいるお母さんたった一人だけなんだから!!」
私は脱兎の如く
自分の部屋へ駆け出し鍵を掛けた。
繼母「ああ、麻美ちゃん・・・
やっぱり知ってたのね・・・」
父親「うーむ。難しい年頃だがいずれ麻美も分かってくれるさ。心配はいらんよ・・・」
その後、度重なる麻美の繼母への嫌がらせと繼母の自殺未遂と言う大事件を経て二人は互いに分かり会える日が来るのだがこれはまた別の物語で語られる事だろう。
詳細はpixivにて