>>574
――まさに大久保選手の魅力が伝わるエピソードですね。

「ときとしてエネルギーが溢れ出てしまうくらいじゃなきゃ、あんなに点は取れませんよ。

 天皇杯のある試合で嘉人がレフリーにすごくイライラし、延長に入る前のブレイク中にコーチが
『ヨシト、レフリーを相手にするな』と言っちゃって。その瞬間、嘉人が主審を指して『あいつさあ!』と怒鳴り、
詰め寄ろうとしてしまった。私はがっとヨシトの口をふさいで、汗だくの体を捕まえて『ヨシトォー! 俺の言うことを聞けるか。落ち着け!』と言ったら、嘉人の心臓がバクバクしていて。

 延長では落ち着きを取り戻した嘉人が、ゴールを決めました。これがエネルギーなんですよ。
私も嘉人を信用しているからできるし、嘉人もそう思ってくれていたと思います。

 人間のいろんな感情を出せる。最高の選手だし、最高の人間だと思います」

――エネルギーがある選手を挑発するなんて、普通の監督ではなかなかできませんよ。反発されたら、戦力外にするという監督もいると思います。

「試合に勝つためにやっているわけですから、変に気を遣っても意味がない。
態度が理由で、戦力外にするという選択肢自体がそもそもない。力がある選手には、やらせた方がいいに決まっていますからね」


どっかのフロントだか監督とは器が違うな