南岸低気圧にとって、850よりも上空の気温(寒気)が重要とした場合、
近年の状況は非常に理解しやすい。

エルニーニョとなって、高気圧が東西に幅広く広がった方が優位である。
ここでは極端な寒気は必要としない。強い降水量があれば、寒気を引き込み、
850が―3度程度でも雪になる可能性が高まる。

逆にラニーニャは不利である。特に引き型の西高東低型であったり、
上空の寒気が早く抜けるような近年のタイプは、南低接近時には寒気が足りない。
これは関東に限らず、甲信や北東北であったとしても同様に危機的だろう。
ラニーニャのときは押し型の冬型となるような場合が雪になりやすいはずである。

今年は久しぶりの大雪となった一方で、地点によって雨雪も分かれた。
来年のラニーニャの場合には、果たしてどうなるのか。
海水温のほかに、日照の影響、低気圧の位置、そして寒気の抜け具合、
最低限、これぐらいは観察してみたほうが良さそうである。