『蛇にピアス』から20年、『マザーズ』から12年。金原ひとみ氏は初めて10代の目線から描いた新作青春小説『腹を空かせた勇者ども』の帯に、自らこう言葉を寄せる。〈この世に小説が存在していることを知らないような愛しい陽キャの小説を書きました〉

「私は重めの小説と明るい小説を同時並行で書いたり、両極端に走る傾向があるんですが、これはちょうど『アンソーシャル ディスタンス』と同時期に書いていた、ポップな方の作品ですね。うちも長女が今年高1で、私とは全然違う青春を送る陽キャな子なので、過去の自分というよりは、他者を探る感じで、驚きと発見の中で書いていました」(金原氏、以下同)

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