NO4600 6月12日 『拡大するかカタール問題・イランはどう動く』 [2017年06月12日(Mon)]
http://blog.canpan.info/jig/archive/6253

カタールとサウジアラビアとの間で始まった対立が、次第に拡大し、エジプトやアラブ首長国連邦、
バハレーンなどを巻き込み、それ以外の国もサウジアラビア支持に回っている。つまり、カタールと
サウジアラビアとの間で始まった問題は、次第に国際化してきている、ということだ。

簡単に事の発端を説明すれば、アラブ湾岸諸国が統一して、イランに対抗しようとするなかで、
イランの軍事力を恐れたのであろうか、カタールは抜け駆け的に、イラン接近に動き出したのだ。

それ以外にも、カタールとサウジアラビアとの間には、幾つかの問題があった。例えば、ワハビー派の
本家をめぐる問題で、カタールは自国こそワハビー派の総本山である、と言い出したのだ。この
問題に絡み、サウジアラビアのタミーム部族を、引き寄せるということも、カタールは行っていた。

カタールのアルジャズイーラ・テレビが、アラブの春革命のなかで、反政府派を支持して、偽の報道を
したことも、問題化しているし、それ以外にも、テロへの資金供与が、明るみに出てきてもいる。ただ、
テロへの支援は、サウジアラビアも関与しているし、トルコも関与しているのだから、カタールだけを
悪者にするわけには、いかないはずだ。

だが、いまとなっては、そうした問題を飛び越えて、カタール問題は大きな問題に、なりつつある。
それはカタールが孤立するなかで、イランやトルコがカタールに、異常接近し始めていることだ。

サウジアラビアは陸路による、カタールへの物資輸送を、完全に止めたため、カタールのマーケットでは、
品薄となり、多分価格も上昇しているはずだ。それはいま、カタールに食料を送っている国は、
トルコでありイランだからだ。これらの国々は食料や水を、空輸しているのだ。

トルコはカタールに援軍5000人を、送ることを決定したが,場合によっては、イランも革命防衛隊を、
カタールに送るかもしれない。もし、そういうことになれば、カタールにあるアメリカ軍の基地が、
危険にさらされることになるわけであり、アメリカはこの問題を、放置できなくなろう。