NO4552 4月24日 『きな臭さを感じさせるサウジアラビア』 [2017年04月24日(Mon)]
http://blog.canpan.info/jig/archive/6203

エジプトのシーシ大統領が、日曜日からサウジアラビアを訪問したが、この訪問団には大半の閣僚と、
軍の高官が加わっていた。現状からすれば、軍の高官が参加しても不思議はない、という事であろう。
エジプトとサウジアラビアとの間では、リビア、イラク、シリア、イエメン問題が討議されるわけであり、
それには軍幹部の参加も、必要であろう。

それ以外には、文化協力、教育協力、経済協力、医療協力、開発協力などが話し合われるようだ。
シーシ大統領のサウジアラビア訪問は、2日間に渡るとされているが、到着早々に、サウジアラビアの
サルマン国王との、会議がもたれている。

サウジアラビアは情報規制が厳しく、具体的に何が話し合われたのかについての情報は、断片的にしか
出てこないだろう。そこで推測すると、いまサウジアラビアとエジプトにとって、何が喫緊の問題か、という
ことだ。

エジプトにとっては、経済改善が最優先であり、次いでリビア問題という事に、なるのではなかろうか。
もちろん、それ以外のシリアやイラク、イエメン問題も重要だろうが、エジプトの経済に直結するのは、
やはりリビアであろう。

他方、サウジアラビアにとって何が重要かというと、イエメン問題ではないのか、既にイエメンとの戦争
状態は、2年以上が経過していると思うのだが、その間に、サウジアラビアが投じた、兵器輸入代金は
巨額に上ろう。

石油価格の低迷に合わせ、イエメン戦争はサウジアラビアにとって、最大の頭痛の原因であろう。
エジプトがどこまで具体的に、軍事協力してくれるのかが、討議のポイントなのではないか。エジプトは
このことについては、小出しにしか協力していないのだ。

石油価格の低迷が、サウジアラビアの経済を悪化させており、つい最近では、公務員給与のカットが
行われたが、そのことは、サウジアラビア国民の間に、不満を拡大していることであろう。

加えて、シリアやイラクに追い出していた、犯罪者の戦闘員たちが、IS(ISIL)の敗北が続くなかで、帰国
していよう。そうなると、彼らがサウジアラビア国内で反政府テロを、始めても何の不思議もなかろう。