5人は知っていた。
ピチ男が帰る前にトイレへ行く事を。
何故ならピチ男は牛乳好きで給食になると必ず
「バカモーン!早く牛乳出さんかー!」と、周りの生徒から牛乳をまきあげていたからだ。
なので帰る時には膀胱がパンパンでトイレに行くのだ。

ピチ男はランドセルを背負い5人を無視してトイレに向かった。脚の付け根まで見える超短いピチピチデニムの半ズボンを穿いたピチ男の臀部からは白いブリーフがはみ出していた。
5人はピチ男がトイレに入ろうとした時に捕まえた。
「バカモーン!何をするー!ワシは今からトイレに行くのだー!」
一男と小五郎はピチ男の両腕を掴むと
「逆立ちの練習したら行かせてやるよ!」とジタバタするピチ男に言った。
「バカモーン!ワシは逆立ちなどしないぞー!」
ジタバタするも学年で1位2位を競う屈強な一男と小五郎には敵うべくもなくズルズルと「捕らえられた宇宙人」のごとく体育館に連れ去られて行った。
「う〜ん・・いいのかな〜。」
「どうだろうね〜。」
のんびり屋の三太夫とおっとり屋の四郎は引きづられるピチ男を見て呟いた。
「かまうもんか。日頃の鬱憤を晴らすぞ。」
二郎は2人の肩を叩いて歩き始めた。

つづく