http://www.roxite.jp/essay.html

「この曲ってさぁ、○○のパクりだよね」とか、
「こんなバンド、○○とか△△とか、パクってるだけじゃん。
なんでこんなのが売れるんだろ」とかいう批判を、よく耳にする。
パクられている元ネタを知っているというだけで、鬼の首を取っ
たように批判するのは、僕から見れば非常に浅はかで馬鹿げている。
著作権法に抵触するほどのコピーは許されないが、過去の曲を
モチーフにして、似たようなフレーズを使うことはちっとも悪い
ことじゃない。それで売れたなら、それが戦略として間違っていな
かったことの証明だ。最近流行りのORANGE RANGEも、曲によっては
どこかで聞いたことのあるフレーズが頻出するが、そういうフレーズを
引っ張り出してくるセンスが優れているから売れるのだ。
音楽を芸術よりもビジネスとして捉えた場合、
彼らの才能は特筆すべきものがあると思う。
 B'zの曲にも、古い洋楽とよく似たリフなどが多く、
洋楽ロックファンからは批判の対象となっている。
しかしそれらの批判の多くは的外れで、「俺はこれの元ネタを知っている。
パクりだと知らずに買っている連中はバカだ。洋楽に詳しい俺の方がすごい」
という次元の低い優越感に浸っているだけだったりする。
 古いフレーズを参考にするにも、それなりの技術が必要だ。
そしてその技術に長けていても、自身に才能がないアーティストは
どのみちすぐに消えてしまう。AC/DCやAEROSMITHによく似た曲があろうと、
それはB'zが長年売れ続けている理由とは何の関係もない。
 初期の黒夢とよく似たDir en greyが現れて、今度はその
Dir en greyとよく似た若手バンドが続々とシーンを賑わせている。
それはある種自然な流れだ。パクって売れるのも立派な才能。
バカにする奴は自分がパクって売れてみな。