X



夜 闌 香 焚 き 天 を 夢 む
0001白牡丹 ◆Enju.swKJU
垢版 |
2012/02/05(日) 16:22:54.74
「夜闌《ヤラン》 香焚き 天を夢む」へようこそ。
このスレは架空の王朝『呉王朝』を舞台にした参加型のネタスレです。

※呉王朝ってどんな国?(これまでのあらすじ)
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/9102/1328123978/

【現在の状況】
六部尚書と大宦官・李畢嵐によって皇帝白牡丹は廃立され、京師広陵では皇弟白如月が即位
白牡丹は洞庭湖の辺、岳州の君山で再起

【地図】
※しばらくお待ちください

【勢力紹介】
白如月:三省を廃止し、六部を皇帝に直属させた。中央集権指向
白牡丹:湖南の刺史、藩鎮を糾合した。地方分権指向

【中断前に参加されていた方へ】
領地、官職は今日から30日間(〜3月6日いっぱいまで)維持します。
期間中の復帰がない場合は、展開によっては部分継承or移転いたします。


それでは、どうぞ、お気軽にご参加ください。

過去ログ
http://logsoku.com/thread/gimpo.2ch.net/nanminhis/1261757311/
http://logsoku.com/thread/toki.2ch.net/nanminhis/1273187469/
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/9102/1295669911/
0083白牡丹 ◆Enju.swKJU
垢版 |
2012/02/14(火) 21:16:39.70
──白牡丹、果雄の都
目的地に着いて、まずしたかったのは王城に行くことでも街を見物することでもなく、
眠りたい、ということだった。
漁夫に場所を尋ね、宿を取る。気の良い白髪の爺さんが主人をしていて、
果雄の民ではない朕も、快く泊めてくれた。
宿は飯店も兼ねていて、夕刻になると賑わう。
席に着くやいなや、泥のように眠りに落ちていたが、がやがやとした声に起こされて、
丁度腹も空いたことだしと階下に下りた。
滅多に来られない土地に来たら、その土地独特の食べ物を食すべきだ。
それも、現地人ですら気軽に食べないようなものを。
朕は、蛇の汁物を注文した。
さっきのささやかな仕返しだ。
蛇が運ばれてくると、注文したものがしたものなだけに、注目を浴びてしまう。
外国人ということもあって、

「兄さん、どこから来たんだ」「名前は何ていうんだ」

と、あちこちから尋ねられる。
いろいろな人がいた。雪のように白い肌で、平坦な顔もいれば、
褐色で彫りの深い顔立ちもいた。
服装も多種多様だが、共通することは、彩色豊かで形状も凝っているということだ。

宿の主人が酔って叫んだ。

「兄さん、楽器を持ってきていたろう。ちょっと弾いてくれや」

わかった。少し待っていてくれ。
部屋から琴を取ってきて、弦の上に指を置く。
演奏を始めると、果雄人の方が、呉人より真剣に聴いてくれる。
旅情は、心を揺さぶる。
広陵を出てから、苦難を乗り越えて太平君の公国にたどり着いたこと。
猫の焦景栄と再会し、一度広陵へ戻ったこと。
祭祀の削減は止められないと知ったこと。
そして、君山に住んでから今までのこと……。
全てが琴の音色に宿り、誰より、自身の胸に響いた。

「兄さん、こんな演奏が聴けるとは思わなかった。果雄の人間は音楽を愛する者を敬愛する。
兄さんが留まる限り、仲間と思う。困ったことがあったら、何でも言ってくれ。
ついでに、果雄の歌も聴いていってもらおう」

そこに居合わせた客で、かわるがわるに歌い踊った。
広陵の歌より湖南の歌のほうが情熱的だが、果雄はさらに情熱的だ。
激しい恋の歌、神話の歌、黄帝と蚩尤の決戦を歌った歌、その戦いに臨む戦士たちの歌、
果雄の民に流れる武勇の血の歌、どれも聴いていると血が沸き立ってくる。
朕も踊りたくなってくる。
気が付けば、踊りの輪の中に加わっていた。

「おい、街の他の奴らも呼んでこい! みんなで騒ごう!」

その後は、夜中まで、身体が動かなくなるまで踊った。
0084白牡丹 ◆Enju.swKJU
垢版 |
2012/02/14(火) 21:55:04.72
それから数日の間、朕は飯店を拠点に、琴の興行を続けた。
何故かって? 待っていたからさ。何をって、

「お前が呉の楽人か? 王がお前の演奏をご所望だ」

ほら、こうやって王から声がかかるのを。
何も考えずに宮殿に行って、「朕が呉の皇帝だ」なんて言っても信じてもらえるはずがない。
けれど、音楽なら民族や身分の垣根を越えられる。
お目にかかった王は、まだ若かった。三十にも届かないように見えた。
筋骨隆々で、背丈は九尺(二メートル)に達し、胴は広く、腕は棍棒のように太く、双眸は流星のように鋭い。
ただそこにいるだけで並み居る人を圧し、普段は泰然としているが、一度怒気を発すれば、
縮こまらぬ者はいないだろう。
頭の二倍もの長さで、黒地に宝石を散りばめた冠を戴き、
服装は、紅地に唐草模様の刺繍、そしてきらびやかな装飾品を帯びている。
蚩尤の民の末裔を率いるに相応しい威厳を、十二分に備えていた。


陛下、御前に失礼いたします。

「お前が噂の楽人か。宮中でも評判だぞ。私を満足させてくれれば、望みの褒美をとらせる。
さあ、弾くがよい」

しからば……

…ぼろん

   「風清」の初音は凶刃だった。鋭利な剣に身を切られるのはこのような心地だろうか。
   かつて呉潭に竜を切り伏せた剣の切れ味よりも鋭く、琴の音色は聴く者の肺腑を抉る。

   ぼろん…… 二音目には、居並ぶ魂を残らず引き裂かんばかりである。
   旋律はさらさらと流れる小川のよう。しかしその小川に引き込まれれば、這い上がることはできない。

   果雄王・翠絶の前で、白牡丹は一心不乱に琴を弾く。
   振り乱した髪は暴風雨、黒い渦となって夜叉のように舞い狂い、衣の皺は千変万化。
   聴く者を強引に捕らえ、破壊してしまう嵐の中心だった。

   はじめに弾琴に反応したのは、宮殿に棲まう精霊達だった。
   数百、数千の精霊が一斉に唱和を始めた。低く木霊するような歌声で啼くもの、
   高低さまざまの音域で唱和するもの、精霊達の歌声はすべて白牡丹の琴に乗る。
   すると音色はますますこの世のものから遠ざかり、灰色の空を覆う雲は息を凝らし、崩れかけたまま動かない。

   幾千もの合唱、悲鳴のような旋律は次第に律動を激しくした。
   べんべんべんべん…  奏曲は中盤。複雑に織り合わされた糸からなる織物のようだ。
   その律動に、戦慄しているのは宮中の人だけではなかった。
   果雄の人々、拍手の音、喝采の声、さながら荒海の遠鳴のように響き立て、
   また或いは動揺し、涙を流し、白牡丹の弾琴に耳を傾けない者はなかった。
0085夜水魚 ◆342p2.W3Os
垢版 |
2012/02/14(火) 22:35:50.20
>>46
「へえ」
しおらしく頭を下げながら夜水魚は思った。
(まぁ自分の命が大事なだけだがな。俺より大切に思う奴がまだいないだけの事!)
(とはいえ、いつも世話を掛けてる爺さんにまたもや迷惑掛けちまうんだから、申し訳ないとは思うぜ)

官吏にこれは尋問じゃないよ、と言われた夜水魚は少々動揺した。
(表情を読まれちまったか、まだまだ未熟なもんだぜ、俺も)
尋問官が目の前で大粒の砂金を小卓に据える。それを目で追いながら考える。
(でけぇ砂金の粒だ。これだけの砂金があれば、釣竿も何も家の中の物まで新調する事ができらぁ。
これぁ、多少小物を演じたほうがいいな。これで狂喜しなけりゃ大物だって事で話が変な方へ行きかねねぇ)
(とりあえず、ぎらりとした眼差しに、鼻息も荒くしてみっか)
「そりゃあもう!この羅刹那、無用な事は話さねぇ性分でしてね。その代わり、あっしの口から洩れた
情報は寸分の狂いもございやせん!旦那、信じて下せぇ」
身を揉むようにして夜水魚は訴えた。
(本当は俺ぁ、こういう役は嫌いなんだがなw)

街の様子を丁寧に説明してもらいながらお世辞を口に上らせる。
「なるほど!平民がお役人と共に酒を!そりゃあ他では考えられない絶景でやすね」
(ここが誉め時だぜ!)
「こんな素晴らしい街は他にはなかなかありますめぇ。あったら教えてほしいくらいだ」
「それで、この街を造られたのはどのような聖人君子で?」
「もちろん、釈放されたらもう一度ここにやって来るのを誓いますぜ」
(それは実現するか分からねぇけど、言葉のアヤでな)
「婦女子が夜中でも安心して出歩く事ができる街。一度ここに住んだ者は、他へ行きたくなくなる筈でさぁ」
「しかし、お役人の苦労は並大抵のものじゃありやせんね。頭が下がりやすぜ」
(ちょっと疲れてきたな)
「大丈夫でやす。この素晴らしい街を維持する為の、この捕縛。あっしが腹を立てる理由などありやせん」
「釣竿壊されたのにゃあ、ちょっと怒りかけたんすけど、お話を聞いて怒りは雲散霧消いたしやした」

「桃里村の事でやすか?
いや、まあ普通の農村でやすよ。ちょっと前に近所でガキが生まれやしてね。男だったかな?」
「帰ったら、祝いを持っていかにゃあwちょっとした出費ですぜ」
「今、村から村長の爺さんが来るって事なんで、詳しい話はそちらに聞いてみて下せぇ」
「それが、口うるせぇ爺さんなんすよ!村にも規則みたいなのがありやしてね」
「八十越えてるのに、歯も抜けていやがらねえ!」
0086夜水魚 ◆342p2.W3Os
垢版 |
2012/02/14(火) 23:30:27.64
>>46
深更、桃里村――

「何事だ?」
村長アルス=クティクはやおら布団から起き上がった。
「敵か?」
夜着の上に上着を羽織る。
外を伺うと、二十五〜三十人ばかりの武官がばらばらとこちらを目指している。
――逃げると余計にまずい事になりかねぬ。
クティク村長は座敷の真ん中に陣取ると、武官達が木戸を開けるのを静かに待った。
が、意に反して武官達は雪崩れこんでは来ず、木戸を手で叩いたのみだった。
木戸を静かに開ける。
「こんな夜分に何用でござろう」
「…夜水魚?ああ、知っておりますがまた、どういう件で?」
「夜中に釣りをしていて捕まった…?」
(なんと間抜けな奴め)
「身元保証人ですと…?」
(またあの風来坊がしでかしおったな)
「どうしても儂が行かねばなりませぬか。ならば、向こうの家にいる副村長に留守を頼んで参りまするゆえ、
暫く、お待ち願いたい」
暫くして村長は戻ってきた。武官達の前で出来うる限り呑気に、農家の爺さん風に振る舞う。
「さ、では参りましょうかの」
0087白牡丹 ◆Enju.swKJU
垢版 |
2012/02/15(水) 00:34:04.85
──演奏を終えて
ご清聴ありがとうございました。
この曲は、私の即興で、黄帝との決戦に臨む蚩尤を題に取りました。

「蚩尤は敗れた」
と、果雄王翠絶は言った。
「しかし、その魂は滅しておらぬ。我ら果雄人の血に、果雄の大地に、川に、泉に、風に、
蚩尤の魂は宿っておる。その魂が、今、目覚め、高ぶっておる! 果雄の子よ、お前達も、そうであるな!」

「「「 おおっ! 」」」

宮殿はどよめいた。

「見事だ、楽人。実に見事であった。約束通り褒美を取らそう。さあ、望みを言え。なんなりと」

望みは……
私の望みは、果雄の力を、呉のためにお貸し願いたいということです。
そのためにここに来ました。

「では、お前は呉の回し者ということか」

回し者ではありません。寡人の名は白 牡丹。呉朝の皇帝です。

「「「 なにっ! 」」」

ざわめく衆人を、王は右手を挙げて制した。
「楽人、冗談ごとではないのだぞ。私は今だかつて、そちらの言うところの『蛮族』の都に、
単身乗り込んでくる中国の皇帝を知らぬ」

いいえ。まだ世の中がそれほど複雑ではなかった頃、皇帝はそうすべき場所、そうすべき人を自ら訪ねました。
寡人もそれを理想としています。

「それが本当だとしても、危険だとは思わなかったのか。ここに辿り着く前に武陵源で倒れることや、
私がお前を人質に取って、お前の使いを脅迫するとは考えなかったのか。」

武陵源で、寡人は死の口を見ました。そして克服しました。
陛下には、そのようなことをするお方とは思えなかったため、正体を伝えたのです。

果雄の武将達が言う。
「大王、中国の皇帝が目の前にいるのです。なぜ捕らえないのです! 積年の恨みを返す機会ですぞ!」

王は武将達に言った。
「この皇帝の琴をお前達も聴いたであろう。口先の言葉よりも、彼がよほど果雄を理解しておることがわかる。
また、自らここに乗り込んで来る意気も天晴れなもの。そのような皇帝にこそ、力を貸す意味があるのではないか。
それに、『なんなりと』望みを叶えるといったのを反故にしては、私の度量が小さくなるわ」

ありがとうございます、陛下。

「よしなにお願い致しますぞ、陛下。陛下のお使いには良き返事をする積もりにて。
ところで、これは個人的な問いなのだが、よろしいか。……鶏と卵はどちらが先と思われる」

鶏と卵。答えるとすれば、『円には始まりがない』。

「成る程。それでは、消失した物体はどこへ行くと思われる」

非存在に。すなわち、すべてに。

「すべてに。……見事な言い回しですな。やはり貴方は粋な方でいらっしゃる」

こうして、武陵源の果雄族を味方に付けることに成功した。翠絶に続き、果雄の諸部族もまた、君山に来朝することになる。
0088白牡丹 ◆Enju.swKJU
垢版 |
2012/02/15(水) 01:26:51.69
>>85-86
──岳州、諸葛休民
「『無用なことは話さない代わりに、口から漏れた情報は寸分の狂いもない』」
「夜水魚君、君、もしかしたら間諜とか忍びに向いてるかもしれないね。」
「どうかな、うちの州でそういうお仕事してみないか?」
(本気とも冗談ともつかぬことを言う諸葛休民)

「そうしたら、今よりもうかるぞー」

「……なんてね。まあ、もし州のお仕事がしたかったら、いつでも考査受けに来ていいから」
「いやー、まさかそんなに褒めちぎってくれるとは思わなかったからねえ」
「そんなに岳州が気に入ったなら、いっそ働いちゃえばいいじゃないの、と。」
「ああ、街の歴史なら春秋の楚の時代からあったらしいんだけどね、詳しいことはよくわからないんだよ」
「気にしない気にしない」
「あ、でもいけない、お仕事も何も、君ってまだ釈放が決まったわけじゃないんだった」
「いや〜、参った参った!」

(自分で言ったことで大笑しながら、諸葛休民は頭で考えていた)
「(ふむ、人とお話しするのが上手なのだねえ)」
「(ポンポンポンポン言葉が出てくる。まるで商人みたいだ)」
「(もしこれが『演技』なら、どこかにボロが出るだろうが)」
「(たとえば嘘をつくとき必ず瞳が宙を泳ぐとか、ちょっと言葉に間ができるとか)」
「(そういう『癖』を全部隠せるなら、降参するしかないがね)」

「村で子供が。すばらしいじゃないか。新しい命をみんなで祝うっていうのもいいね」
「私からも、おめでとうー」

「おっと、『保証人』さんが着いたのかな。どうぞ、こちらへ。」

(村長を椅子に招く。武官は諸葛休民の背後に回ると、唇を動かさず伝えた)
「お気を付けください。勘に過ぎませんが、どこかおかしい。桃里村も、この老人も」

「初めまして、村長さん。州刺史の諸葛休民です。こんな遅くにすみませんね」
「事情は聞いていると思いますが。彼は確かに潔白であると保証できますか?」
0089白牡丹 ◆Enju.swKJU
垢版 |
2012/02/15(水) 13:37:42.78
──レイ州 攻略戦
(地図に準拠して話を進めるので、>>54の地図をご覧ください)

それから君山へ戻った朕は、姚朝欽と交代した。
「えー! もっと長くかかってもよかったのに! そうそう、私の小説はどうでしたか!」
しばらくして、黄加陳の知らせ。果雄の調略に成功したと。
「驚きましたぞ。あれほど渋っていたのに、ある日突然承知してきたのです」
お前自身のときもそうだったろう。

今、君山の朕の庭で、岳州刺史・諸葛休民、郎州刺史・黄加陳、果雄王・翠絶が勢揃いしている。
木卓の上には地図が置かれていた。
自然体で四角張らない諸葛休民、謹厳さを常に纏った黄加陳、いるだけで周囲を圧する翠絶。
三者三様で面白い。

「目下の目標は、」
議長役を務めるのは決まって諸葛休民だ。
「レイ州の獲得です。ただ一つ問題がある。レイ州刺史は湖南には珍しい広陵派なんです」

「ふうむ…」
黄加陳が唸った。交渉ごとの難しさを知り尽くしていたからだ。
翠絶は何も言わず、己の拳をさすっていた。

「レイ州はどうしても欲しい。何かご意見はありますか」

一瞬、皆の視線が交錯する。皆、同じことを考えていたようだ。

翠絶が言う。
「果雄の男は、そうすべき時に命を投げ出すことを惜しみませんぞ。より大きな善のために」

黄加陳が続く。
「正面からぶつかるのは果雄王と、この郎州だ。郎州の男とて、果雄に引けは取らん」

二人の言葉に頷いて、諸葛休民は話を進めた。
「私に作戦があります。(地図を指して)まず郎州軍が、陸路からレイ州に攻め上る。
山がちで起伏が多く、平地も水田が多くを占めます。無理せず、を念頭に軍を進めてください。
果雄軍は、レイ水を下って水路からレイ州を襲撃します。
ただ……
この戦いで戦力を浪費するのは好ましくない。
黄刺史も、王も、『負けぬこと』を念頭に置き、無理に攻め落とそうとはなさらぬよう。
郎・果雄がレイ州の注意を引きつけている頃、岳州軍は山南東道の南端、洪湖周辺を封鎖します。
レイ州が長江経路で広陵に事態を知らせぬためです。
封鎖を終えた岳州軍は戦況を見て、洞庭湖を渡り、がら空きになっているであろう、東側からレイ州を攻撃します。
作戦の終了時点で、我々が地図の

・鄂岳観察使領の西南端
・荊南節度使領の東南端
・山南東道節度使領の南端

を完全に領土としていることが目標です。
また、陛下にもお役目はありますぞ。
陛下は馬に乗れますな。軍装をして、馬を自在に操っている所を皆に見せてやってください。
それで皆が奮い立ちます」

確かに、広陵を出てから必要に迫られてずいぶん乗馬も上達したものだ。
わかった。ただし……
軍装は、太祖が来ていたような、鮮卑風のものにしてくれ。
なぜだかね、それを着てみたいんだ。
0090子供
垢版 |
2012/02/15(水) 23:42:49.43
「え〜ん、ママ〜」
0091ミカエル=マクラクラン
垢版 |
2012/02/16(木) 22:22:03.94
>>90
オー!どうしたんだい?
(おや、この子は男の子かな、女の子かな?)
(泣いてるけど…ひょっとして迷子だったりして…)
(この辺りに、ポリスとかあるかなあ・・・)
0093ニーファ
垢版 |
2012/02/17(金) 00:54:08.32
>>91
あたし、ニーファ。
え?男の子かって?ううん、女の子よ。五歳。母様とはぐれてしまったの。
おじちゃん、母様のいるとこ知ってる?
0094白牡丹 ◆Enju.swKJU
垢版 |
2012/02/17(金) 02:02:25.02
──レイ州の戦い 黄加陳 郎・レイ州境 快晴

「黄刺史! 全隊配置に着きました!」

うむ。……わしの眼前には春を迎えた山と、そのふもとに見渡す限りの水田、
そして、あぜ道を埋め尽くす“敵兵”の群れが広がっている。
軍を指揮するなど初めての経験だ。
一州を預かる立場として、必要になる時も来ようかと読学した兵書の技。
付け焼き刃が通用するだろうか。
しかし、とわしは思い直す。
経験がないのは敵方も同じだ。
こちらの進軍が始まってようやく詰問の使いを寄越すようなレイ州刺史に遅れは取らぬ。
わしは一度後方を振り返る。兵士達は、決意を固めた面持ちで整列している。
拝領した「皇帝旗」は、風に勢いよくはためいている。
諸葛休民は、戦うのに無理はするなと言う。
だが戦いを前にして、そのような事を兵に伝えて心の乱れを生むわけにはいかぬ。
陽動であろうが関係ない。「その場」「その場」を死地と思って戦う。
政治と同じではないか。
いける。
心を落ち着け、わしはその場で兵を鼓舞した。

─今朝、鷲が三回陣の上で弧を描き、太陽に向かって飛んでいった。
これは今日が我々にとって良い日になるという兆しである!
あれがレイ州軍だ。我らの掲ぐ皇帝旗の行く手を阻む敵である!
敵は、我々の攻撃を防ぐことができると思い誤っている。
その考えを改めさせてやれ!
あの愚か者どもが、過去に一度も味わったことのない、キツい一撃をお見舞いしてやろうではないか!
さあ、いよいよ! 真っ向から、勝負だ!

「「「 ウワアアアア、ウワアアアアッ! 」」」 「「「 殺(シャー)! 殺! 殺! 」」」

隊伍を組んだ兵団が喚声を上げながら敵に突撃してゆく。
打ち合わせ通り、弓弦の音が一斉に鳴り響き空が暗くなるほどの一斉射撃が敵を襲う。
気勢を削がれた敵に、槍隊が怒濤のように襲いかかる。

ひるむな! 前進しろ!
わしも采配を振るって督戦するが、弓矢の援護を受けた槍隊は言われるまでもなく勇猛に敵を切り裂く。
敵の反撃に対しては、最前面で盾を持った兵が死にものぐるいで味方への攻撃を防ぎ、
その間を縫って軽装の兵が敵をかく乱する。
その後ろに控えた兵は、槍で前面の敵を押さえつけ、
押さえつけたところで、さらにその後ろにいる主力部隊が敵を確実に突き殺す。

む。─姑息な敵が、我々の側面に回って攻撃しようとしてきた。
すかさず、側面の兵は敵の動きに備え、是が非でも戦友を卑劣な襲撃から守ろうとする。

やがて、敵の抵抗が乱れ始め、勢いに乗って味方は押し攻める。
このままレイ州城まで攻め込むか。それとも、一度止まって体勢を整えるか。
わしは周囲の山を睥睨する。
伏兵が隠れておるやもしれん。
ここで蛮勇にかられて突出する、そのことこそ諸葛休民に戒められた自滅の道。

ここに陣を張る!
短く指示をすると、兵達がいそいそと陣幕を用意し始めた。
0095ミカエル=マクラクラン
垢版 |
2012/02/17(金) 12:49:04.16
>>93
ほう、なかなかおしゃまさんだねw
ごめんごめん、ちょっとボーイッシュに見えたものだから。
お母さん、かい?
(やっぱり迷子だ)
ポリス…呉のことばで何て言うんだろう…は何処にいるのかな…
お母さんは、どんな姿をしてるんだい?年齢は?
0096名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2012/02/17(金) 12:57:11.54
>>95
お前なー
ちゃんと「歴史」をやれよ
0097名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2012/02/17(金) 13:03:10.01
時代柄西洋人を演じる事自体は良いとしても
歴史物語に登場する西洋人の役割ってのをちゃんと意識すべき
0098ニーファ
垢版 |
2012/02/17(金) 15:40:11.19
>>95
ポリス…?ひょっとして街の警備兵の?
やっぱりあたし、自分で母様を探してみるっ!
ごめんね、それじゃあ!

(ミカエルさん、皆さん、あたしが迷子になったせいで不愉快な思いしてごめんなさい!)

たたたたっ…と足音速く駆け去ってゆく。
0099白牡丹 ◆Enju.swKJU
垢版 |
2012/02/17(金) 16:05:59.05
──レイ州の戦い 翠絶 レイ水上 快晴

時は来た。今こそ、蚩尤の末裔の勇猛さを思い知らせてやる時だ。
私は一つのことしか考えていなかった。先頭に立ち、王の務めを果たすこと。
中国の王は、先陣は臣下に任せて自分は安全な場所に隠れるのが習い。
それぞれに流儀というものがあり、それを軟弱とは言うまい。だが、果雄では有り得ないことだ。
最前線に立って臣下を守れぬ男に、王たる資格はない。
だから果雄の王は、生まれた時から誰よりも強くなることを義務付けられている。
戦のために作られた、血のように朱い蚩尤の面ごしに前方を睥睨する。
眼前に現れる敵すべて、この鉄疾黎骨朶と二張の弓で血の海に沈めてやる。

「大王、今のうちに兵を励まされては?」

私の姿だけでは不足か? ……言葉を飾り立てて、強くなった気になるのは嫌いだ。
何を叫んでも、結局、勝つときには勝ち負けるときは負ける。
上陸地点が見えた。船を泊めろおおおーっ!
誰よりも先に船から飛び降り、待ち構えていた敵兵の頭に鉄疾黎骨朶を振り下ろす。
鈍い音がして、敵の頭が兜ごとぐしゃりと潰れる。
間髪入れず、二つ、三つ、次々と潰していく。
恐ろしい蚩尤を見て恐怖にこわばる顔が、一瞬で、目も鼻も口も区別がつかぬ肉塊に変わってゆく。

私の後に続いて果雄の男たちも次々に餌食を仕留めていく。
敵の突き出した槍を跳躍でかわし、空中から刀を振り下ろして首を刎ね飛ばす。
一人の敵兵を三人で引き包む。一人が敵の斬撃を受け止め、二人目が転倒させ、三人目が息の根を止める。
敵に刀を叩き落とされた者は、上下の顎で敵の刃をかみ砕き、
指を目に突き刺してえぐり出す。
敵が密集して押し寄せてくれば、散って受け流し、包んで殺す。
戦いに臨む時、われわれの軍装は色とりどりに彩色されているが、
終わってみれば必ず全身朱に染まっている。
最も返り血を浴びた者が、勇者たる栄光に浴す。
─お前達が長の平和に堕落していた間、我々は戦いの技を磨いていたのだ、どうだ漢人!

敵は次々に背を向けて逃げ始める。
逃がすなあああーっ! 私は叫び、追いついて骸に変えてやる。
後から続く味方も、思い思いに敵を討ち取っている。

郎州の状況はどうだ! 殺しながら傍らの味方に叫ぶ。

「州境で敵を破り(>>94)、その後少しずつ北上しているそうです!」

ならば我らも進む! 続けえええーっ、お前達が真に蚩尤の子なのならば!
0100ミカエル=マクラクラン
垢版 |
2012/02/17(金) 18:12:06.47
>>98
お、おいお嬢ちゃん!?
何となく心配だが、無理に後を追うこともない…か。

(いや、却ってこちらが不快な思いをさせてしまい済まなかったね。お母さんに会えるように、後!
おれの為にこのスレから離脱しないでね。そうすればきっと、お母さんに会えるよ)

少女が去った後に暫し佇む。

>>96-97
不勉強で済まなかったね。ファンタジーと勘違いしてたよ。
では、スレや古代中国史を熟読して勉強してから出直そう。では失敬した。
0101シェリー
垢版 |
2012/02/17(金) 18:37:23.84
(セーヌ川の畔で目覚めた)
ここはどこ?
ミカエル!ミカエル!
0102ローマ兵
垢版 |
2012/02/17(金) 18:40:18.96
戦の臭いがする
者共、槍を持て
0103名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2012/02/17(金) 18:41:10.43
>>100
>>1の説明やあらすじも読めなかったのか
0104ミカ=シュマハ
垢版 |
2012/02/17(金) 19:02:51.59
飛ばせ飛ばせ飛ばせ。我が自慢の馬に乗って。
0105白牡丹 ◆Enju.swKJU
垢版 |
2012/02/17(金) 20:19:48.48
夜闌スレの趣旨がファンタジーか? という疑問は、はっきり否定致します。

>>100
>では、スレや古代中国史を熟読して勉強してから出直そう。

暴論をいえば、>>1のあらすじ、全ての過去ログも含めて読めば何も問題はないでしょう。
ただ、過去ログを熟読しろなどと言うつもりは、今もこれからも誰に対してもありません。
しかし最低限、【中国史的世界のイメージ】は持っていてください。
とっつきやすい入口はいくらでもあると思います。
蒙鐸粲さんのような凄い知識を身につけろということではありません。
自分に出来る範囲・無理のない範囲で親しみ、中国史的世界のイメージを作ってください。
なんか、まったく何のイメージもないまま、無軌道に投稿しているように見えてしまいました。

もし、歴史に親しもうとしても苦痛だ、興味が持てない、辛いということであれば、
残念ながら、スレとご縁がなかったと思ってください。
中国史が好きでなければ参加しててもつまらないと思いますよ。

私は、著しくスレの趣旨に合っていない人は、
「スレに書きこんでいる」だけで「参加している」とはみなしません。


「私自身の書き込みの中にファンタジー的な要素が含まれているではないか」という反論があるかもしれません。
しかし、それは「楚辞」「山海経」「捜神記」「捜神後記」など、中国古典を下地に独自のアレンジをしたものや
屈原の故事などを下敷きにしたものです。
また、超俗的な人物白牡丹を描くにあたり、死の隠喩としての蛇、意思と精神の隠喩としての琴、
>>65に嫌というほど詰め込んだ心情描写など、そういったものがファンタジー風に見えないこともなかったかもしれませんが。
0106名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2012/02/17(金) 21:49:28.05
私は、著しくスレの趣旨に合っていない人は、
「スレに書きこんでいる」だけで「参加している」とはみなしません。

勝手なルールつくんなや!
0108白牡丹 ◆Enju.swKJU
垢版 |
2012/02/18(土) 02:53:08.85
──レイ州の戦い 出撃前夜 君山 諸葛休民
満天の星空、銀色の世界。
その下のあぜ道を越え越え、私は陛下をお訪ねした。
陛下、お邪魔致しますぞ。……おお、陛下!
最終調整を終えた私を迎えたのは、胡服を着て、庭で夜空に琴を奏でる青年皇帝だった。
御自らの出撃を控え、何をお想いですかな?
私自身は緊張がないわけではない。何しろ、この戦いの構想は私が考えたのだから。
おそらく、己れの緊張をほぐす意味もあって、私は陛下に軽口を叩いた。
よくお似合いでいらっしゃいますな。きっと明日は、皆の注目を一人占めですぞ?
陛下はにこと笑って、視線を夜天に戻した。

「休民、戦いは怖くないか?」

一瞬、意外だ、という思いが頭をよぎる。
そうか、陛下も緊張されていたのだな。考えてみれば当然だ。
今まで大変な目に遭われてきたとはいえ、まだ二十歳を越えたばかりなのだ。
時々、それを忘れそうになる。あなたは、そもそも人とは住む世界も見ているものも違って、
恐れの気持ちなんて、ないように見えることがある……。
恥ずかしい。私が陛下を励まさなければならなかったのに、逆に甘えようとしてたなんて。
そうだ、今は私がこの方を励ましてあげなければ。私は己れの胸をドンと叩く。

ははは、何をおっしゃる。明日はよき日になりますぞ。
陛下の号令一下、岳州軍は北の洪湖を封鎖します。
その間に、郎州と果雄は敵を押しまくっておりましょう!
あの黄加陳と翠大王ですぞ。レイ州ごときに遅れは取りません。
そしてとどめは、この岳州が。心配めさるな、陛下はこの休民が護って差し上げる。

陛下はもう一度にこと笑った。
「そういうことでは、ないんだけどね……。」

ああ〜、良い音だ。今日の陛下の琴は、いつにもまして余情を含んだ音色だ。
もともと綺麗な星空が、もっと綺麗に見えるじゃないか。
ちくしょう、涙が出てきたよ。なんかこの人の前で泣いてばかりで恥ずかしいから、
上を向いてバレないようにしないといけない。

「ちょうどこんな星の綺麗な夜だったかな」
陛下は私に、というより一人想いを空に放すように語った。
「二人で後苑に忍び出て、宝物を探した。手習いも、勉強も、いつも一緒だった。
二人でいるのが当然だった。朕は、弟が、白如月が大好きだったよ。
本当は、あいつが皇帝をうまくやってくれるなら、帝位なんてあげようと思ってた。
でも、今のあいつは、捨てちゃいけない大切なものを捨てようとしてる。
官僚たちに、好き勝手な幻想を押しつけられて……。
あいつは、朕を海外まで捜して『殺せ』って命令した。
あいつを助けてやりたい。
それで、もう一度昔に戻りたい……。」

ああ。私は、陛下のお顔を見ることができなかった。どんな言葉をかけたらいいか、わからなかった。
仲の良かった兄弟にすら命を狙われる。まして他の臣下は、誰一人陛下を理解しなかっただろう。
この人は、こんなに優しい人なのに、こんなにも孤独だったのだ。

─陛下。
大丈夫です。全部、うまくいきますよ。また兄弟二人、仲良く語らえる日が来ます。

私の言葉は、慰めになっただろうか。
それ以上語る声はなく、ただ陛下の琴の音だけが夜空に吸い込まれていった。
0109白牡丹 ◆Enju.swKJU
垢版 |
2012/02/18(土) 04:59:32.02
──レイ州の戦い 出撃前夜 君山 白牡丹
出撃を前に、岳州の住民がみんな、朕のことを励ましてくれた。
この日は、飯店で大いに飲みかつ喰らった。誰だ、髪の毛引き抜いた奴は!
でも、あるとき朕はその場を離れて、君山の家に戻ったんだ。
人にとっては、つかの間にしろ独りになることが必要だから。
人の言語は、独りでいるということの二面性をはっきりと意識してきた。
“寂寥”という言葉で苦痛を表現する一方、“独居”という言葉をつくってそのすばらしさを表現した。
満天の星、月光で明るい庭、そしてこの静寂。
静寂はさまざまな想いを連れてきてくれる。
朕は、「風清」の弦に指を置き、これから自分が引き起こそうとしていることについて思いをめぐらせた。

一度挙兵すれば、いつ終わるとも知れない戦乱の幕開けだ。
朕も、皆も、まるで坂道を転がり落ちる石のように……
終わりに向けて、止まらない。ずっと。
どれだけ死ぬだろう。如月、朕とお前は、一方が生きる限り他方は生きられないのだろうか?
そんなことを考えていると、諸葛休民が訪ねてくる。
最終調整の終了を告げて、彼はお世辞を言ってきた。
「よくお似合いでいらっしゃいますな。きっと明日は、皆の注目を一人占めですぞ?」

朕の気も知らずに。この胡服は、自分の気持ちを奮い立たせるためのものだ。
それでも、気持ちは楽になった。朕は、心の中で自分の人生に対しておだやかに、しかしきっぱり言ってみた。
「寡人はあなたを信頼している。あなたがしなければならないことが何であろうと、
そうしたらいい」と。
不思議なことに、人生が朕の必要にこたえてくれるような気がした。
休民に訊いてみる。休民、戦いは怖くないか?

すると彼は、朕が目下の戦いと自身の安全を危ぶんでいると勘違いした。
「ははは、何をおっしゃる。明日はよき日になりますぞ。
陛下の号令一下、岳州軍は北の洪湖を封鎖します。
その間に、郎州と果雄は敵を押しまくっておりましょう!
あの黄加陳と翠大王ですぞ。レイ州ごときに遅れは取りません。
そしてとどめは、この岳州が。心配めさるな、陛下はこの休民が護って差し上げる。 」
そういうことでは、ないんだけどね……。

でもね、休民のほうが正しい。ときとして理解できないことこそが、最高の理解といえる。
さっきの自分は、まだ起きていないことのことで憂慮したけど、
とりあえず今は、目の前のことに集中しなければ。
今の想いは、空に放して。
琴の音とともに、思いのたけを吐き出した。

ちょうどこんな星の綺麗な夜だったかな。
二人で後苑に忍び出て、宝物を探した。手習いも、勉強も、いつも一緒だった。
二人でいるのが当然だった。朕は、弟が、白如月が大好きだったよ。
本当は、あいつが皇帝をうまくやってくれるなら、帝位なんてあげようと思ってた。
でも、今のあいつは、捨てちゃいけない大切なものを捨てようとしてる。
官僚たちに、好き勝手な幻想を押しつけられて……。
あいつは、朕を海外まで捜して「殺せ」って命令した。
あいつを助けてやりたい。
それで、もう一度昔に戻りたい……。

休民は、泣き声で励ましてくれた。
「陛下、大丈夫です。全部、うまくいきますよ。また兄弟二人、仲良く語らえる日が来ます。」

そうなってほしい。そうならないかもしれない。
かつての日の幸福は失せ果てるかもしれない。
しかしそれでも、絶望してはならない。野はすでに緑に覆われている。
新しい、よりよい日々のほのかな兆しのように。

朕は、大丈夫だ。
それ以上語る声はなく、ただ「風清」の音だけが、夜空に吸い込まれていった。
0111白牡丹 ◆Enju.swKJU
垢版 |
2012/02/18(土) 16:17:05.15
──レイ州の戦い 諸葛休民 出撃〜洪湖 快晴
出撃は至って順調だ。計画通り、私が君山に待機している陛下をお迎えに行く。
舟を降りたら岳陽楼の前に集まった住民に挨拶、その足で兵営へ。
指揮系統を確認したら、いよいよ北上して作戦開始だ。
君山。今日の陛下は、緊張なんてないように見えたね。
白一色の絹で織った鮮卑の民族服を着て、頭には同じ白色の、
鮮卑人にとって太陽、月、火、友情、あるいは天そのものを象徴する帽子を被っている。
耳には金の耳環を嵌め、グータル牛の革で作った手袋と乗馬靴を履き、ひげも鮮卑風に細長く伸ばしている。
こうしてみると、建国二百六十年を過ぎても白氏は鮮卑の人なんだと思う。
いつもは柔和な印象を与える糸目も、胡服を着ると印象が変わる。
日焼けした肌も、いつもは素朴に見えるが今日は勇ましい。

「「 陛下だ! 」」 「「 陛下ああーっ! 」」
岳州の民衆の受けも上々だ。時々、「陛下」に交じって「可汗」って言葉も聞こえてくる。
住民には現役の鮮卑人もいるのだ。
この時、言うのは憚られたが、私は正直最後まで陛下の乗馬の腕が不安だった。
騎乗して天下を取った太祖皇帝にあやかるなら、かっこ悪い姿を見せるわけにはいかないからだ。
馬に乗れない鮮卑人なんて、愚かな諸葛孔明とか、謙虚な王藍雪(現・兵部尚書。如月派。過去ログ参照)と同じくらいおかしい。

「「 おおっ 」」
不安は民衆の喚声で消えたけどね。陛下は見事、騎乗しながら馬に後脚だけで立たせる芸当をやってのけた。
幸先の良い出立だった。後は念入りに立てた計画を、実行に移すだけだ。

─山南東道最南端。占領自体は苦も無く終わった。
湖と田園が多くを占める地域でまとまった抵抗などあるはずもなく、兵力を損ねることもなかった。
そしてこれが肝心要の決め手だが、現地の役人には陛下の御璽の押された命令書を見せて、
不当な占拠ではないのだと明らかにした。
さあここからが大切だ。(地図>>54をご覧ください)この地域は長江左岸に密接していて、
北東方面からの攻撃があるとすればまずここに楔を打ち込んでくるはずだし、
レイ州から広陵に早馬が飛ぶとすれば必ずここを通る。
だから、ここを軍で封鎖してしまえば、後顧の憂いを絶って戦えるというわけだ。

ただし、注意すべき敵の策略がある。大金を使ってこちらの役人を誘惑して裏切らせることだ!
万全を期したつもりでも、油断してると情報はどんどん漏れていく。
なぜならば、金を受け取り進んで敵に内通し、秘密を漏らす連中などどこにでもいるからだ。
だからって、慌てて大っぴらに逮捕・尋問しようものなら、
必ずやその事自体が広陵に伝わって、却って騒動を引き起こす。

だから今後すべきことは、まず、反抗の機会を作らせず、それを未然に防ぐことだ。
通行者のみならず、封鎖(こちら)側の役人の取り調べもなるべく秘密に行って、
問題が起こらないようにする。
軍は警戒を怠らず、不定期に見回りをして、常に万全の備えを欠かさずにおく。
引退した武官で見どころのある者には、仕事を与えて他人に誘惑されないようにし、
裏切り者や密偵には、調査した後「国家の法律」を適用する。

これをぬかりなく施行すれば、絶対に、安心だ。……陛下、いかがですかな?

「朕に異論があるはずもないよ。休民の進言は、当を得ている。山南東道の担当官がみな足下のようなら、
広陵が百個あったって、何の心配もいらないな。」

陛下は、いつもこうやって私の進言を取りたててくれる。
この「諸葛」の名にかけて、必ずうまくいかせてみせる。
さあ、じっとはしていられない。陛下も私も、じきに洞庭湖を渡ってレイ州に直接攻撃をかけなければ。
やる事はいくらでもある。戦況を見逃さず、いつでも軍を動かせるようにしておくのだ……。
0112白牡丹 ◆Enju.swKJU
垢版 |
2012/02/18(土) 17:00:35.74
>>110
白牡丹は武術に優れているわけでも、経国の才があるわけでもないですからね。
いわゆる「ヒーロー」ではないんです。
「ヒーロー」は父帝の叡宗皇帝であり、当代の白如月です。

白牡丹は超俗的な感性を持っていますが、むしろそれは周囲の人との間に隔たりを作ってしまう原因で。
白牡丹は解消不可能な孤独を抱えた人なんです。
熱心な副官である諸葛休民でさえ、完全な理解者ではないように書きましたし、
過去でも、焦景栄でさえそうだったと思います。いわんやその他の人においてをや。

私はこのおよそ英雄的とはいえない、自分が創作した皇帝が大好きですが、
彼の最も大きな美質は自分を逐った如月に「あいつを助けてやりたい。(>>108-109)」といえるところと、
本当の勇気を持っているところかなと思っています。
0113白牡丹 ◆Enju.swKJU
垢版 |
2012/02/18(土) 18:33:57.58
──レイ州の戦い 終幕
朕は、洞庭湖を軍船で渡っている。強い風がひょうと吹いて、身体を煽る。
右を見ると、ちょうど君山の横を通り過ぎるところだった。
この戦いはこれで終わらせる。
上陸し、起伏の多い山道を進む。こんな戦いの前でも、木々は綺麗だ。
ここを人の血で汚すのも、これで最後にしたい。
そんなことを考えているとき、行く手を一隊の兵馬が遮った。

「誰の許可を得て皇土に侵入するのか?」
暗黒色に身を固めた、総大将とおぼしき男が凄んだ。
「このレイ州は大呉皇帝の土地だ。何人も、皇帝の許しなく軍を進めることはできぬ。
勿論だが、小僧、大呉皇帝とはお前などのことではないわ!」

レイ州城は目と鼻の先だというのに、敵の数は少ない。黄加陳と翠絶は確かに役目を果たしたのだ。
諸葛休民が言う。
「陛下は泰然としていて下され。指揮は私が。」
任せたよ、休民。だけど啖呵は朕にやらせてくれ。

─お前にとってはそうかもしれん。兵にとってはどうだ?
朕に降る者を、害しはせんぞ。
敵兵を眺め渡す。一瞬の後、誰も列を離れてこちらに降る者は現れなかった。
─それなら仕方ない。休民!

「攻撃開始!」

休民の合図で味方が動き出すのと、敵がこちらに押し寄せるのは同時だった。
双方、死に物狂いで槍を突き出す。隘路では、勇気のある方が勝つのだ。
敵はなかなかしぶとい。小勢ながらよく戦い、しばしばこちらが劣勢に立たされた。
「皆、進めええーっ!」 「通すな、防げええーっ!」
隊長たちの鼓舞が飛び交い、敵味方とも多くの死者が出た。

「陛下! 兵を奮起させて参ります! 者ども続けえええーっ!」
お、おい、軍師が敵に突っ込むな! 仕方ない! 朕も出る!
道を開けろおおーっ!
兵の士気はいやがうえにも高まった。形勢は次第にこちらに有利になり、
夕刻には敵を潰走させ、レイ州城下まで肉迫した。

弓隊の援護のもと、堀を埋め梯子をかける歩兵隊。
必死にそれを防ぐ城兵。
あわや、勝敗が決まらないかと思われた頃、南と西から軍勢が現れる。

「黄加陳 見参!」 「果雄の翠絶を知らんか!」

黄加陳の郎州軍は、正確に守兵を弓で射殺し、軽装の兵が城壁に取り付いている。
翠絶の果雄軍は、この世のものとも思えない。まるで冥界から蘇った魔の軍団のように、
全身を血に染めて無慈悲に敵を死骸に変える。
とうとう、レイ州軍は攻撃に晒されていない北門から逃走を始めた。

「追うな! 我々の目的はこの城だ!」

城攻めで、一方の脱出口を残して敵を死兵にしないというのは鉄則のようなものだ。
逃げる者は逃がし、城の制圧に取りかかる。広陵方面に逃れる者は、どうせ洪湖封鎖軍が捕えてくれる。

略奪を固く禁じ、戦後処理を終え、ついにレイ州を攻略した。
湖南観察使を味方に付ければ、湖南のほぼ全域を掌握できるのだ。
0114白牡丹 ◆Enju.swKJU
垢版 |
2012/02/18(土) 20:27:02.63
──復位
諸葛休民と黄加陳。今日は、二人とも緊張している。
「陛下、岳州刺史・諸葛休民が上奏いたします。」
「郎州刺史・黄加陳も諸葛刺史とともに上奏いたします。」

「「 湖南観察使の約が取れました。陛下、そろそろ公に復位して下され 」」

その時が来たね。皇帝になるのは二度目だ。
六年前は古着を受け継いだ気分だった。今はそうじゃなくて、新しい服に自分で腕を通したような気持ちだよ。
前よりずっといい。二人ともありがとう。二人がいなかったら、何もできなかった。

「終わったようなことは言わんで下さい。まだ、始まったばかりですぞ。
そうだ、天壇を設けるのは、衡山が最適だと思われるのですが」

それがいい。天壇は簡素でいいよ。重要なのは祈り方であって、設備の豪華さは本質的には関係ないから。

「助かります。時も予算も、大切に使わなくては。しかし、悔しゅうございます。
自然神・社稷も、皇祖の宗廟も、広陵郊外にあるのですから」

それもね。大切なのは祭壇がどこにあるかということじゃなく、神と通じることができるかということなんだ。
大丈夫だよ、朕なら。

   白牡丹は三日前から身を清め、吉日、文武官あわせて三百名を引き連れて天壇へ向かった。
   その中にはもちろん、諸葛休民、黄加陳、翠絶、湖南観察使、その他各州の刺史の姿もあった。
   普通こういうときは街に厳しい交通規制がなされるのだが、白牡丹はそうした処置を一切しないよう命じていたので、
   湖南の民衆は、皇帝の龍顔を拝する栄誉に預かることができた。

─衡山
「ここからは、陛下おひとりで。」

   臣下は祭事の場に立ち入ることはできない。白牡丹はただ一人、天壇までの山道を自らの足で登り、
   そこで天に向かって祈りの儀式を行った。
   昊天上帝、五方上帝、皇地祇、神州地祇、大明、夜明、五星、太社、太稷、嶽、鎮、海、?、風師、雨師、霊星、
   そして太祖以降の諸帝の神霊に。

祈りの途中、朕はいろいろなものを観た。精神が身体を離れ、祈る自身の姿を観た。
精神ははるか離れた祭壇へ飛び、山を越え、風に乗り、川や海を越え、天の楼閣に辿り着く。
天の楼閣にいるのは、男も女もみんな美しい。
「お前がここに来るのは二度目だな」などと言って、酒を注いでくれる。
そして目覚めた頃には、日はすでに高くなっていた。

   白牡丹は、山を下るときもまた、自分自身の足で下りた。
   山のふもとでは、臣下たちが待っていた。

   この日、白牡丹は全国に復位と改元を宣言した。
   紫雲六年あらため、中統元年。

   朝廷組織として、
   祭事を司る【夜闌院】と政事の最高会議【政事堂】を並立させ、
   【夜闌院】の下に【夜闌院六部】を、
   【政事堂】の下に【三省・六部】を置き、これを中央の枢要とした。
   軍は暫定的に諸州・藩鎮に属させたまま、【枢密院】を新設して指揮系統の統一に取りかかる。
   その他の官職は旧呉に習った。
0115白牡丹 ◆Enju.swKJU
垢版 |
2012/02/18(土) 20:43:18.76
という訳で、ついに前振りが終わり、>>54の地図の勢力圏で復位することになりました。
前振りが終わるのを待っていた人は、どんどん入ってきてください。
同時に、新しいシステム【共闘勢力】を導入します。

【共闘勢力】について。
【共闘勢力】は複数の参加者からなるグループ。その参加者は同じ目標を掲げて協力する。
目的が一致すれば勢力を作り、共闘する必要性がなくなれば解消することも自由。
必ずしも加入する義務はないし、所属する勢力を変更したり、自ら新しい勢力を立ち上げるのも自由。
一人が複数の勢力に加入するのも自由。
【共闘勢力】という名称だが、軍事的共闘・政治的共闘に限らず、
協商関係や義兄弟など、とにかく複数参加者が組むならなんでもあり。
複数人がひとつの目標を持つことで、誰かが不在でもスレの流れを滞らせないように考えた。

例:今の白牡丹の場合

共闘勢力【呉王朝(中統)】
加入者:白牡丹
目標:広陵政権の打倒

というわけで、【呉王朝(中統)】への加入者を募集中です。
もちろん、ライバルである広陵政権や、独創的な様々な勢力も楽しみにしています。
0117名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2012/02/19(日) 17:52:10.33
前置きは最初に全部連投するべきだったな。
入って来たコテを「自分で頑張って下さい=華蘭」とかもあったし、何より自分だけの世界に入ってるような感のあるレスが続いたのは
悪い印象だった。今はみんなどういうレスをしようか考えてるとして、もし一週間経っても新規にレスが無ければちょっと…っていう感じ。
いや俺も、見込みのないスレにはこんな意見しないんだけどさ。勿体ないじゃない?こうして一生懸命前置きを布陣したんだからさ。
0118白牡丹 ◆Enju.swKJU
垢版 |
2012/02/19(日) 22:20:23.85
おかしいですね。

>どんな立場で参加してもいいのですが、他に誰もいない場所で参加する場合、
>今の私のように「地盤を固める」ネタを書かないとすることがなくなります。

とは書きましたが、これってそんなに変なこと言ってますかね?
参加する立場によって書く難易度は変わると思うので、その自己責任込みでの自由なんですよ。
私は、むしろ楽蘭を心配して「しばらく一人で頑張る自信がないなら群雄を強くおすすめします」と申し上げました。
ただ、肝心の楽蘭さんご自身が苦情を言われたわけではないので、あなたや私がどうこう言うことではないと思いますよ。

あなた、私が「プロローグにかまけて参加者をおざなりにした」と言いたげですが、それは違いますね。
プロローグ中でも夜水魚のように自然に絡める相手には問題なく絡めましたから。
逆に、プロローグを終えた今でも複ハンを使う気にはなれません。
使えば使うだけひとつのキャラへの感情移入が難しくなり、モチベーションが下がる自分の性格は分かってますからね。
それでやる気が失せてしまったらかえって迷惑かけますから。

どうも、わざわざ心配してくださってありがとうございます。
自分のスタイルは変えられませんから、参加してくださる方が来るまでは気長に待ちつつ書きますよ。
0119白牡丹 ◆Enju.swKJU
垢版 |
2012/02/20(月) 01:46:57.46
──君山 姚朝欽宅 早朝 白牡丹、姚朝欽

夜淑、夜淑!

「……ああ、貴方ですか。(ぶすーっ)こんなつまらない場所に足を運んでくださって光栄ですよ、『皇帝陛下』ー」

いじけてるのか?

「別に。」

忙しくなって、構ってもらえなくなると思ってるんだろう?

「別にー。『政治』とか『現実』で忙しくなって、いい夢を見てくれなくなって、夢を売ってくれなくなって、
貴方の夢が目当てのお客さんが離れて、私の商売上がったりになるのが嫌なだけですよーだ」

夜淑。

「ふん。」

夢なら見たぞ。

「え?」

   そっぽを向いたまま、耳をぴくりと動かす姚朝欽。

祭祀を終えた初めての夜に見た夢だ。意味があると思わないか? ただ内容が意味深で、吉凶がはっきりしなくてね。
夢なら夜淑、君の専門だ。君に相談したいんだ。もし吉夢なら売ってやる。ここにも頻繁に足を運ぶ。頼む。

「ふうむ。(あくまで取り澄ました風を装いながら、目は興味を隠せない姚朝欽)」
「いいでしょう。今『鑑定』しますよ。ちょっと待ってくださいね」
「ああ、それにしても。まったく待たされましたよ。貴方の見る夢は買いたいってお客さんは多いんですよ」
「最近売ってくれないから、待ちぼうけてる人がどれほどいたか」
「ええと、水盆。ここに水を貯める。……よし。時刻、よし。後はああしてこうして、ほいっと……急急如律令」

   術に応じて、水盆の水が波立ち始める。

─目覚める直前の夢だ。朕は広陵の大明宮にいた。お茶を喫もうとしていた。

「時刻はどうでしたか。周りの状況は。なるべく詳しく教えてください。」

時刻は朝だった。晴れていて、光が屋内まで差し込んでいた。その場にいたのは朕ひとりだ。誰もいなかった。
お茶は茶入れに入っていて、茶器は蓋碗を使おうとしていた。

   白牡丹が語るごとに、水盆の水に夢がその通りに映像で再現された。

茶入から茶葉を取って、碗に入れた。おかしいのはここだ。碗に入れた茶葉に、親指の先ほどの小さな亀が混じっていた。
大人しい奴じゃない。すぐに噛み付く、気性の荒い種類の奴だ。小さいから良かったものの、大きかったら大変な奴だ。
それが、蓋碗の中で這いまわったり首を伸ばしたりしていた。
夢の中の朕は、何故かそのまま湯を注いだ。そうしたら、見る見る亀が大きくなった。人の子供ぐらいの大きさにまで。
亀は朕を見つけた。亀とも思えない速度で追ってきた。どれだけ逃げても執拗に。
扉を閉めても、固い頭と甲羅で体当たりしてきた。扉は破られた。追い詰められた。
こいつに噛まれたら、肉が千切れるのは目に見えていた。怖かった。そして、奴は噛み付いてきた……。
そこで目が覚めたんだ。
夜淑。この夢はどういうことなんだ。「亀に噛まれる」というのが、気になってね。
0120白牡丹 ◆Enju.swKJU
垢版 |
2012/02/20(月) 02:13:36.52
「わかりました。」

   夢の一部始終を見た姚朝欽は、口の中でもごもごと呪文を呟いて映像を消した。

「されば、鑑定いたしましょう。
夢の時刻の『朝』、これは始まりを示します。復位したばかり! まさに今の貴方は『朝』に生きています。
そしてお茶を喫もうとしていたということですが、『お茶を飲もうとする』『茶碗に茶葉を入れようとする』というのは、
欲求を満たしたい・願望を叶えたいという思いを示します。まあ、これも今の貴方には妥当ですね。

しかし、貴方の『茶碗』つまり貴方の『心』には、貴方に対して攻撃的な『亀』が入ってきてしまいました。
『亀』は固い甲羅を持ち、非常に長寿です。『長い』ということを象徴します。
それが貴方に好意を持っていないのですから、
今していること・あなたが望むことの実現には、かなりの努力と時間が必要であるということでしょう。

さて、貴方は亀に『追いかけられました』。
追われる夢、というのは心に不安や悩みを抱えているときに見ることが多いのです。
追いつかれ、『噛まれる』というのも、心に大きな負担があることの暗示です。
……亀は貴方のどこを噛みましたか?」

腕だ。腕を噛まれたよ。

「『腕』。腕は、貴方が何をするにも使う部分ですね。そこを噛まれるというのは、やはり大きな障害を暗示しています。
この夢をまとめると、貴方の前途は必ずしも洋々たるものではなく、困難が多く立ちはだかり、
貴方自身もそのことに不安を覚えている……ということを表しています。
これはどちらかといえば凶夢ですね。残念ながら、お買い上げすることはできません。」

わかった。
ただ「夢買い」とは別に、この夢をどうしたらいい?
今、悪い夢を見たのは残念だ。何とか、運気を上げたい。

「状況を変えることです!」
姚朝欽は励ましてくれる。
「創業は得てして困難なもの。貴方の前途が洋々たるものではない、それはむしろ当たり前のことでしょう。
そして皇帝である貴方が前途に不安を抱くのも当然のことですよ。
しかし、その不安こそが、雑鬼に取り入られる隙を作り、本当に悪い運気を呼びこんでしまうのです。
結局、気持ち次第ということは事実でね。
貴方が気持ちを明るくしていれば、良い運が巡ってきますよ。
とはいっても、そうですねえ、ここで何もしてあげないというのも可哀想だ。
ねえ霜葉の君、これからちょっと時間ありますか。
わたくしが良い所に連れていってあげますよ」
0121白牡丹 ◆Enju.swKJU
垢版 |
2012/02/21(火) 00:43:45.46
夜淑、どこへ行くんだ。朕をどこに連れて行くんだ?

「良ーいところですよ。今の貴方にとってはね。そうですねえ、一言に『世界』とでも言っておきましょう。
さあ、準備はよろしいですか? ……急急如律令!」

─夜淑の口の動きだけがはっきりと記憶に残っている。
次の瞬間、朕は身体の変調を自覚した。全身灼けるような痛みとともに、自分が絶叫していることに気が付いた。
骨格自体が変形している。骨格に纏わり付く全身の筋肉が、強化され隆起していく。
両腕が背中の方へと追いやられ、身体の何倍もの大きさに伸張する。指は繋がって消えてしまった。
下を見ると、足には龍のような鱗がびっしりと生え揃い、指は鉤のように曲がり、先端には鋭い爪が付いている。
もう一度、全身を激しい痛みが襲う。
毛穴という毛穴が開き、一瞬、そこから皮膚に産み付けられた虫卵が孵ったのかと思った。
それは羽毛だった。緑なす黒の羽毛が、全身をびっしりと覆っていた。
声を出そうとするが、口、いや、尖った嘴から洩れたのは、人の言葉ではなかった。

変調をきたしていたのは自分だけではなかった。周囲の世界がとても小さくなっていた。
木々も足下にしか届かず、夜淑の姿は小さすぎて見えない。

─翔け上がりたい。衝動に抗えず、力強く羽ばたく。風が巻き起こり、木々を一斉に煽り、洞庭湖に波を立てる。
翔け上がりながらも身体は大きくなり続けた。
地上は影に覆われ、人々が一斉に上を見上げているが、朕からは人の姿など小さすぎて目に入らない。
それどころか地上の様子さえも。
朕はいまや、九万里の高さを世界の果てへ向けて飛んでいた。

   ─北冥に魚有り、其の名を鯤と為す。鯤の大きさ、其の幾千里なるかを知らざるなり。
   化して鳥と為る。其の名を鵬と為す。鵬の背は、其の幾千里なるかを知らざるなり。
   怒りて飛ぶに、其の翼は垂天の雲の若し。是の鳥や、海うごけば、則ちまさに南冥にうつらんとす。
   南冥とは天地なり。(『荘子』内篇 第一 逍遥遊篇)

眼下には青一色の茫々とした世界が広がっているだけだ。
地上から空を見上げても、ただ青一色にしか見えないが、それと同じで距離が離れすぎているのだろう。
下を見たくなって、低く降下するたびに、そこには全く異なる世界が広がっていた。

大平原。聖餐の場で血を酌み交わした男達が、天下無双の騎馬民族の男達が、
敵を制圧しどこまでも駆け行く世界。
次に日暮れの道を、互いを支え合って沈痛な面持ちでとぼとぼと歩き、
人々から唾棄される難民がひしめく世界。
次にはゆうゆうと流れる大河が真っ赤に染まり、人間の死体が水に漂い、
屍肉を漁りにきた鳥の鳴き声だけが重なる世界。
そして、曲がりくねった湖のほとりに沢山の市が連ね、その向こうにある宮殿の中で、
自分の見知った人が生活している世界……

悲しくなって、朕は四方八方、滅茶苦茶に飛んだ。
あるとき風にぶちあたって、中天で羽が打ち砕かれた。
真っ逆さまに墜落していく……

姚朝欽がそこにいた。
0122白牡丹 ◆Enju.swKJU
垢版 |
2012/02/21(火) 01:15:56.75
夜淑。

「おかえりなさい、霜葉。ここは世界の中心ですよ。周りを見て御覧なさい。良ーいところじゃありませんか。」

確かにそうだった。断崖の上だった。誰からも、どこからも見えない、誰からも邪魔されない場所だった。
地面から泉がこんこんと湧いている。水は淡い琥珀色をしていて、温かかった。
手を差し入れてみると、心地よかった。

「入ってみましょうよ。」

姚朝欽に促され、二人で服を脱いで泉に身体を付けた。空の色は青く、雲が風に流されて、たえず形を変えていく。
空の色が水に映り、波もさまざまな色。遠く眺めれば川がせせらぎ、山が霞の中に浮かんでいる。

「あたたかいですねえ」

「さて、霜葉。大鵬になって、九万里の高さを翔けた気持ちはいかがでしたか?」

そのことが、どういうことか、というのがよくわかったよ。飛んでいるとき、世界に無数にある世界が、
自分の遥か下に、自分と関わりなく存在していた。よく知っている人が住んでいる世界でさえも。
どこにも属していない孤独だった。

「悲しいですか、それは?」

そのときは悲しかった。けれど、今思えばそうだな、悪くない。
孤独なんて昔から感じてきたことだ。

「それでいいんですよ。私たちは似た者同士。お互いにどこにも属していない、一人ぼっちの霜葉と夜淑なんです。」

どうしてこんなことをしたんだ?

「一つは、貴方がさっき言った通りでしたよ。構ってもらえなくなるのは嫌でしたから。
でも、もう一つ理由があるんです。貴方が、昔と同じ失敗を繰り返さないようにと思って。
昔、貴方は皇帝としての使命感に燃えた。その結果、一度命を失うことになってしまった。
『らしくない』ことをしたからです。
今、貴方は復位して、今度こそ自分の理想の呉を作ろうと燃えていますね。
でも、あの夢の通り。貴方は心のどこかで大きな負担を抱えている。
いつ、また『らしくない』選択をしないともかぎらない。
そして、ここまで作った良い国なのに、台無しにしないとも限らない……」

………。

「だから私、こんな趣向を用意したんです。本当は独りでいるのが性に合っていて、
誰にも邪魔されない世界が好きな霜葉の君。貴方はそういう人じゃないですか。
皇帝になっても見失わないでくださいよ。変にみんなの期待に応えようとしないでください。
貴方は時々人の期待に応えようと躍起になることがあるけど、そうすると結局重荷に感じてしまって
護るべき『みんな』でさえ煩わしく思う、そんなところがありますからね」

………。

「本当に良いお湯ですねえ。それじゃあ、もう少し入ったら帰りましょうか。」

……。
…………………。
…………。

「おかえりなさい。」

目が覚めると、いつもと変わらない姚朝欽の家にいた。
さっきの事は、すべて夢だったのだろうか。それとも、この道士の底しれない術だったのだろうか。
夜淑の言ったことは正しい。そして目の前にある皇帝の責務とは逆を行く。朕は、どうするのが正しいのだろうか。
0123名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2012/02/21(火) 13:57:35.07
210 :ちんりん:2012/02/19(日) 23:23:22.66
>>209
みじんこにはみじんこの得意分野がある。
みじんこのネタは大好きだ。人生経験豊かな将軍を書かせたら、逆立ちしても敵わない。


211 :ちんりん:2012/02/19(日) 23:48:04.19
苦手意識を持っているということと
本当に苦手かどうかということはまた違う。
俺はみじんこは情景描写が苦手だとも思わないが
この場合どう書くのが自分にとって楽しくて楽かというのが大切だ。
楽で楽しくなければあの書き方で延々と>>100越えるまで書けない。
参加者には、自分なりの文体を見つけてもらいたい。
気を使って空気読もうとして俺の真似をしようとしたら、
他人のスタイルなんだからそのうち絶対辛くなるぞ。
0124イ尓花(ニーファ)
垢版 |
2012/02/21(火) 21:59:13.17
ここ、どこだろう・・・
迷っちゃった。
(黄色の鈴を取り出して)
″ちりん、ちりん″

困った時にはこれで呼べって言ったけど、来てくれるかな、マーマ。

(川辺に腰かけて足をばたばたさせながら、マーマを待つイ尓花は後ろから近付く人さらいに気付くことが出来なかった)
0125人攫い
垢版 |
2012/02/22(水) 01:12:42.08
>>124
お嬢ちゃん、いい鈴を持ってるねえ
お母さんはどうしたの
はぐれちまったのかい?
可哀相に…… そんならおじさんが一緒に捜してやろうか
(久々に良い獲物だ)
(幼女は生きたまま金持ちの道楽旦那衆に売れば良い金になるんだ……)
(柔らかい肉を食用にするか、臓物を不老薬の材料にするか、糖尿にして「桃娘」にするか、或いは奴隷にするか……)
(そいつは旦那次第だが、いずれにしても幼女ほど金になるもんはねえ)
0126イ尓花(ニーファ)
垢版 |
2012/02/22(水) 12:41:45.05
>>125
…あなた誰?
(優しげで柔和な物腰、しかしどこか邪悪な笑みを放つ男にイ尓花はさっと警戒する)
(マーマ…怖いよぉ。早く来て…)

″ちりん……″

(後ずさるたびに、黄色い鈴が涼やかな音を放つ。だが、マーマはまだ来ない)(じわっ…とイ尓花の両目尻に涙が浮かぶ)
マーマ…。ちょうどメイファ(※生まれたばかりのイ尓花の妹)のおっぱいとかで忙しくって、助けに来れないのかなぁ…?
0127白牡丹 ◆Enju.swKJU
垢版 |
2012/02/22(水) 16:43:28.59
>>124-126
──君山 白牡丹 諸葛休民
ある日訪ねてきた諸葛休民。いつになく深刻な表情をしている。
「陛下、近頃妙な噂が流れているのを御存じでしょうか。
『若い娘が一人で歩いていると、後ろから呼びとめる声がする。娘が振り返ると、一人の男が立っている。
男は娘が密かに抱いている望みを言い当て、娘に手を差し伸べる。娘がその手を取ると、男は娘を望む世界へと導く……』」

何だそれは。胡散臭すぎるな。そんな男、ろくなものじゃないに決まってる。

「同感です。実際に消えてるのです。若い娘ばかり、何の痕跡も残さずに」

広陵でも昔そういうことがあった。朕が生まれる前のことで、実際に見たわけではないが。
蓋を開けてみれば、富豪の間で道楽として流行った食人の犠牲者だった。
狙われるのは決まって平民の娘だったらしい。居なくなっても大事にならないし、犯行は極めて秘密裏に行われた。
余りにも失踪者が相次いでから、父帝が劉瑶を使って調べさせ、初めて事件が明るみに出た。
それまでにどれだけ殺されたかわかったものじゃない……。
呉の長い頽廃の生んだ惨劇だ。

「はい。私はその頃まだ官に就いていませんでしたが、まさにこの耳で噂を聞いておりました。
全てが明らかになった時、おぞましさに深い嫌悪を覚えたものです」

休民。今考えていることが同じなら、必ずこれ以上の被害を食い止め、消えた娘達の消息も明らかにしないといけないぞ。

「わかっております。すでに方策は固めてありますぞ。まず……」

「陛下っ!」
休民の言葉は、取り乱した女の声で遮られた。
朕も知っている女だ。娘がいて、確か下にもう一人産まれたばかりだとか。
「陛下、ああ、陛下、娘が、娘をどうか捜してください、ちょっと目を離した隙に、もう心当たりは捜したのに、
あの子の行きそうな場所も、捜しまわって……知り合いにも聞いて回ったのに……
私、あの変な噂を思い出して、ああっ、陛下っ!」

事情を聞き、休民に目で合図をする。休民は沈痛な表情のまま頷き、立ち去ろうとする。母親はそれを呼びとめ、
一緒に娘を捜させて欲しいという。母親は娘の特徴を分かっているだろうし、そちらの方が効率が良い。
休民も頷いて、母親を連れて州府に急いだ。
その場には朕一人だけが残された。

さて。朕は外に出て、静かに揺れる洞庭湖のほとりに行った。
洞庭湖は多くの川が長い旅を続け、最後に辿り着く終着点。普段は黙っていても、様々なことを知っているからだ。
なあ、知っていることがあれば、教えてくれないか……。

……………。
………。
………………………。
…………。
0128名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2012/02/22(水) 22:26:03.55
248 名前:ちんりん :2012/02/22(水) 21:21:42.83
>>238
ありがとう。
俺はこれまでのレスは、下書きとかは一切せず
1レスにつき20〜30分くらいしかかけずに投稿した。
好きなスレで、やりやすかったから出来たというのもあるけど、
暇じゃないと参加できないスレにはしたくないって思いが強いのね。

社会人で忙しい人は、パソコンの前に1時間以上粘って
なりきりのレスを丁寧に作るのは難しいと思う。
電磁波で疲れるだろうし。
まして今月、来月、4月ぐらいまでは忙しい会社が多いでしょう。

俺の分量が多いから釣り合いを取ろうとかは一切考えないで欲しい。
自分が楽しんで、自分に丁度良い時間で書けるネタを落として欲しい。


249 名前:無名武将@お腹せっぷく :2012/02/22(水) 22:25:01.81
>>248
結局アンジェは他のスレには書き込まないとか言って書き込んでるじゃねえか
コテを変えても書き込んでる内容はアンジェそのもの
0131白牡丹 ◆Enju.swKJU
垢版 |
2012/02/24(金) 04:58:37.21
今日明日用事で不在にします。
書いてくださった方には日曜日対応します。
0132夜水魚(代行)
垢版 |
2012/02/26(日) 22:56:44.44
>>88
−この役人、喋りは軽妙だが存在感には重みがあるな。
夜水魚はつい、相手をまじまじと眺めてしまった。
(…ぎくっ。忍びや間謀だと?この街で働いてみないかだって?)
「いや、あっしは不器用なもんで…」
(ばれちゃあいけねえ!ばれちゃあ!俺は仕方ないにしても、村のみんなが忍びだとばれちまっては…)
「えっ?儲かる?いやぁ、魅力的なんですが、あっしにはちっとドジな側面も
ありやしてね…」
(考えてみれば、村ごとこの街のお抱えになんてもし言われても、他国で作戦中の奴等もいるだろうしな)
(それは例えば、この街の敵対勢力かも知れねぇ。今更だが桃里の名前をばらしたのは軽率だったな)
「ありがとうごぜえます。考査受けですね?覚えておきやす」
(だけど俺は拷問されたかなかったんだよ!!!!)
「この街の素晴らしさはもっと周囲に宣伝すべきだと思いやすよ!民も流れて来るでやしょう」
「…そうでやすよね、今繁栄してるんだから、そんな悠久の昔の事なんて持ち出さなくとも」
(…それに下手に辛抱して「あの村には何かが?」なんて勘ぐられるのもまずいしよ)
つらつらと考えながら、相手の目を凝視したり、話に応え頷いたりと自然な仕草を心がける夜水魚だ。
(分かるよな、きっと村のみんなも分かってくれる…駄目だ、怒った顔しか思い浮かばねぇ!!)
そこでハッとした諸葛休民に「釈放が決まったわけじゃあないんだった」…と大笑いされ、がくっと肩の力が抜けた。
(このおっさん…天然なのか、それとも演技か?)
夜水魚は諸葛休民をそれとなく観察しながら、桃里村村長との関わりを思い出していた。
戦争孤児で泣いてうずくまっていた彼を、村長は拾ってくれたのだ。
(恩を仇で返す事になっちまったらどうしたものか…)
「いやぁ、ありがとうごぜえやす。昭慶も凛々も生まれた餓鬼も喜ぶでやしょう」
言い終えたとほぼ同時に、扉が開かれ桃里村村長が入って来た。
0133夜水魚(代行)
垢版 |
2012/02/26(日) 22:57:28.57
>>88
「入らせて頂きますよ」
どうぞ、こちらへと諸葛休民に勧められた村長が「どうも」と頭を下げつつ、己が席に向かう。
その時、夜水魚と目が合うとのどかな様子でにっこりと笑った。
(この馬鹿者め)
(スミマセン)
ほんの一瞬で互いの感情を読み取ると、村長は用意された椅子に腰掛けた。
諸葛休民を真正面に見据える。
「いやいや、こちらこそ初めまして。桃里村の村長である空朱鷺と申します。お気遣い有難うごぜえますだ」
「はい、事情は聞いております。全く、このバガダレめが!」
「もし出会ったのが凶賊だったら、今頃身ぐるみ剥がされて川に浮かんでたかも知れんのだぞ!
この、間抜けなスットコドッコイ!!」
「…そんな訳でして、この阿呆は白ですだ。村長たるわしが請け合いますだ」
0134蒙鐸粲 ◆TAbgaMHQWM
垢版 |
2012/02/27(月) 00:01:43.81
【南詔・河陽府・都城】
-王城-

蒙鐸粲  「平和だ。」
薛勒    「ええ、そうですな。」
蒙鐸粲  「しかし時は流れた。」
薛勒    「そうですな。」
        「今では我が国と華の境を探すのが難しい程、我が国にも華の文化
       が流入しておりますし、また我が国の支配する所となった黔州、安南
       嶺南の諸道も我が国の支配を受け入れ従順な国土となりましたぞ。」
蒙鐸粲  「うぬ。」
蕭衡    「やはり、相次ぐ兵乱や重度の徴税等に苦しんでいた民にとっては、
       それらからの解放は他国の支配以上に渇望していたもの、という事
       で御座います。」
薛勒    「ほぉ。やはりその点は大きいですかな。」
蒙鐸粲  「そうか、して蕭衡。華の国はどのようになっている。」
蕭衡    「ハハ!!!」
       現状につきましては下記の図のような割拠となっておりより一層の混
       乱に陥ったとみて宜しいかと存じます。」

       http://kowloon.ddo.jp/cgi/up/10MB/src/up0014.jpg

蒙鐸粲  「うぬ。」
薛勒    「しかし、この勢力図を見る限り最早同じ国とは思えませんな。」
江輅    「ええ、まさにその通りで御座いますよ。薛相国。」
薛勒    「と、申されますとどういう事ですかな?江内史令。」
江輅    「はい、実情と致しましては、我らが朝貢致しました白帝は既に廃位さ
       れており、華の国の都広陵には既に新たな皇帝が立っております。」
        「さらに、廃位された前帝は湖南の地に逃れ、支持する反体制派と共
       に反乱を起こしたとの話で御座いますよ。」
蒙鐸粲  「ふむ。」
蕭衡    「更には、各地に封ぜられた諸王の影響力も大きくなっております。」
        「前帝の時代より隠然たる力を持っていた燕王・九江公の一族に加え、
       国都広陵の北部に封国を持つ魯王、華の国の旧都である洛州を支
       配地に持つ陽王等、同族諸侯王の存在が非常に大きくなっており、
       前帝を廃止新帝を担いだ広陵政権にとっては、湖南政権同様に非常
       に大きな問題となっている、と思われます。」
薛勒    「なるほど。しかし聞けば聞くほど華の国も末ですな。」
江輅    「ええ、国家としてみれば確かに瀬戸際に追い詰められていると思わ
       れますね。」
        「しかしながら、庶民・商人等はまるでその争いにも動じず、日々の暮
       らしを続けておりますし、そこに華の国の民の強さがありますよ。」
薛勒    「ほぉ。蕭衡殿は如何ですかな?」
蕭衡    「ハハ!!!、私も江内史令の仰る通りと思います。」
        「華の国の弱体化は我が国にとって利益ではありません。」
        「これにより我が国との交易や、華の国との境の維持などがまた不明
       確となり、今後の動き次第では今迄以上に緊張する環境となる可能性
       は十二分に御座います。」
        「ですから、華の国の動向を注視し、我らと友好関係を持ち有望である
       諸侯を育成・支援せねばならないかと思います。」
        「また同時に、華の国の政権と戦端を構える事も考えられますので、我
       が国の軍事力の強化、またそれを支える体制の強化も重要な問題か
       と思います。」
蒙鐸粲  「うぬ。」

*南詔は華の国(呉国)の動向に注視しています

(もう少し手のこんだものを書きたかったのですが、時間的な問題と、資料的な問題により
かなり簡易なものとさせていただきました。
今後とも出来うる限りの中で参加させて頂きますので、宜しくお願い致します。)
0135名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2012/02/27(月) 10:34:36.99
>>134
やいクーロン!ぷらっとスレ荒らすな!
0136河陽府の官吏
垢版 |
2012/02/27(月) 14:03:32.66
>>134
王様、各々の身分はこれで合ってらっしゃいますか?

蒙鐸粲=王
薛勒=相国
蕭衡様=僕射?
江輅=内史令

なにぶん、最近赴任したばかりでして…
0137白牡丹 ◇Enju.swKJU
垢版 |
2012/02/27(月) 21:57:12.67
>>125-126
洞庭湖は黙して語らない。一人の少女の生き死になどには無関心に、静かに水面を揺らしている。
どうして、と一瞬憤ってみる。すぐに我に返る。洞庭湖の反応を自分は理解できてしまう。残念だが。
自分の預かり知らぬことに、関わり合いになりたくない。関わり合いになって、自分の世界を邪魔されたくない。
そういう気持ちを、自分は確かに持っている。
他人のために進んで身を投げ出す。「君子」だとか「仁者」だとか呼ばれるための資質だが、
「君子」「仁者」と呼ばれる以前に、助けられる命を助けようとするのは「人として当たり前」の心だといわれる。
そういう心を持っている人は、人から慕われるし、手を差し伸べてもらえる。
逆に自分の世界にばかり閉じこもって、人を顧みない人は、誰からも見放されて孤立する。
朕は、なぜ少女を探し出したいと思ったのだろう?
それが君主としての「正しいあり方」だからか。
「仁君」の名前が欲しいからか。
体面を気にしているのか。

「少女を、見捨てることもできる……」

洞庭湖の水面が、優しくそう言った気がした。
『湖の神に問う勿れ。善しと悪しとを言わぬから』
誰かがそんなことを言っていた。人の社会に生きる者は、人に交わって人の規範を身に付けるべきである……。

「本当は独りでいるのが性に合っていて、 誰にも邪魔されない世界が好きな霜葉の君。
貴方はそういう人じゃないですか。 皇帝になっても見失わないでくださいよ。
変にみんなの期待に応えようとしないでください。」

こんな時に、姚朝欽の言葉も脳裏をよぎる。少女を捜すのは、諸葛休民がやっている。
休民に任せておくこともできる。休民が失望する表情を思い浮かべるのは簡単だが、それが何だというのだろう……?
家へ戻れば、茶葉と茶器が待っている。少女の生き死になどに関わらず、一人、精神と香りの世界に浸ることもできる……。


ふと顔を上げる。一瞬だが、確かに、湖を隔てて向こうに少年の姿を見た気がした。
まだ何も知らなかった頃の、自分の姿だ。立派な大人にはなれなかった……。
─そう思った瞬間、朕は走り出していた。目を覚ませ! 今まで、やっていたことは、老荘を盾に取って
うじうじとつまらない堕落をしかけていただけだぞ!
自分を叱咤しながら舟を漕ぐ。
洞庭湖が囁いた。

「どうして子供を助けたい? 今のお前はさっきと違うね」

それは、多分、上手く答えられない。誰かを助けるのに理由がいるか?

「その子を助けたいとして、世の中には掃いて捨てるほど人がいるんだぞ?
それを全部助けたり顧みたいしないなら、お前のそれは偽善じゃないのか?」

そうかもしれない。ただ、そんな問答を楽しいと思うようじゃ、くだらない心しか持てないとわかっているんでね。

「ここからすぐそこだよ。早く行ってやりなよ。今ならまだ間に合うかもしれないよ。」

その言葉に背中を押され、舟を漕いだ。そして間に合った。

「可哀相に…… そんならおじさんが一緒に捜してやろうか」 「…あなた誰?」

一人の男と、一人の少女。
朕はその場に駆けつけ、男に言った。この子を捜していたんだ。引き取ってもいいね。
0138白牡丹 ◇Enju.swKJU
垢版 |
2012/02/27(月) 22:52:07.79
>>132-133
──諸葛休民
「空朱鷺殿。─空翔ける朱い鷺とは、カッコいい名前ですね。」
(「この阿呆は白ですだ。村長たるわしが請け合いますだ」との言葉を聞くと、にっこりと笑って髭をしごきながら)
「わかりました。いや安心しました。無事に釈放できて。」
「彼、なかなか良い若者じゃないですか。おしゃべりしていて気に入りましたよ。」
「それを『黒』として処罰するのは、本意じゃありませんからね。」
「まあまあ、こういうこともあるということで、次回からは気を付けてください」
「それでは!」

(片手を上げ、去り際に夜水魚の肩をポンと叩き、砂金を置いて退室する諸葛休民。
飄々とした様子だが、厳めしい武官達は非常な敬意を込めた礼で休民を見送った)

─州府の外
「やあ、村長さん。夜水魚君。奇遇ですね。また会いましたね。」
(明らかに二人を待っていた諸葛休民、二人と並んで歩く)
「どうも一度起こされると、中々寝付けなくなってしまって。ついでですからそこまで見送りますよ。」
「さっきと違って今の私は非番ですから、『州刺史』ではなく『ただの』諸葛休民だと思ってください。」

「…それでですね、そこの飯店の干鍋鶏のうまいことといったら……」
「……やっぱり、旅をするなら自分の好きなように歩いてみたいですね。歓待されるとかは嫌いです。
は〜〜、一度好きに旅とかしてみたいですねえ」
「え? いやあ、まだまだ出来そうにありません。今は、やりがいのある仕事があって手放したくないですから」
(取りとめのない話をしながら、州城の門まで送り)

「それでは、帰り道には気をつけて。」
0139白牡丹 ◇Enju.swKJU
垢版 |
2012/02/28(火) 19:27:07.94
──君山 政事堂
中統朝創始後、初の「政事堂(※最高会議)」が開かれた。
とはいっても、朕の家の庭で話し合うだけだから、これまでと特に変わらない。
違う点があるとすれば、顔ぶれが増えたことくらいだ。
湖南観察使やその下の各州刺史は、宮殿のない施政にまだ戸惑っているようだ。
朕は、今日は紫の色糸で織った東晋風の衣服を着ていた。これから、興味のある服には色々手を出すつもりだ。
全員が席に着き、朕がお茶を淹れると、いつものように諸葛休民が話を切り出す。
(仲間内での彼のあだ名「諸葛丞相」はすぐに定着しそうだ。)

「陛下のご復位の後、湖南はさしたる混乱もなくまとまったといえます。」
(全員がうんうんと頷いた)
「今日、決めてしまいたいのは、我々が今後どういった方針を取るかです。」
「軍備を拡張し、短期間での広陵攻略を目的とするか、或いは内政を充実させ万全の準備を整えた上で事にあたるか」
「皆さんの意見を、聞きたいと思います。」

「私は、」
(最初に口を開いたのは、郎州刺史・黄加陳だ。)
「短期決戦は愚の骨頂であると考えます。敵を賞賛するわけではないが、偽帝・白如月の手腕は評判に違わず確かといえる。」
「薛珠、王藍雪、李畢嵐といった広陵の首脳もまた、よく政治を執っている。」
「容易に舐めてかかれる相手ではない。」

皆が硬骨漢・黄加陳の言葉に、心配そうに朕の方を見た。朕が気を悪くするのではないかと思ったのだ。

加陳は正しい。如月の政治の才は朕のはるか先を行く。
薛珠は人望厚く、皇后薛氏の父親でもあり、宮中の人心をよく集められる。
人格はアレでも王藍雪の辣腕は確かだし、李畢嵐は大宦官として影の力を一手に握っている……。
(朕が肯定したことで、皆は安心して黄加陳の話に注意を戻した)

「腐っても二百六十年の政権をそのまま引き継いだ敵方と、勢力を立ち上げたばかりの我ら。戦えば結果は見えています。」
「卵をもって石に打ち付けるような真似はせず、まずは内側を固めることです。」
「この間、岳州で少女の誘拐事件がありましたな。」
「岳州だけではなく、官吏や富豪の頽廃と汚職はどこにでもひそんでおるものです。それを取り締まる必要があるのが一つ。」
「また、経済の問題もありますぞ。何をするにも金は必要だ。」
「安定した収入を得るための方策を考えなければなりません。」

こくっ…
(朕がそこでお茶に口を付けると、それを何気なく見ていた湖南観察使が膝を叩いた。)

「茶だ! 産業の育成というなら、茶にかわるものはない!」
「茶は全国で需要があり、北方の契丹なども栄養源として求めるものですぞ。」
「湖南は古くから茶の名産地で、茶業の技術や名声も確立している。」
「ゆえにその技術を利用して湖南中で茶を増産し、名声を利用して輸出するのです!」
「これに加えて木綿や絹など換金性の高い産業も拡大し、その交易も成功させれば、湖南には巨万の富が集積しますぞ!」

お茶か。いいな。それなら流通網の整理もしなくちゃね。道路や橋の整備を怠ってはならないし、
宿駅や茶を売るための商店も設置するんだ。みんな、お茶を飲みたかったら朕から買うしかないんだ。
普段軍閥だとか言って偉そうにしていても、自由にお茶を飲めないなんて可哀想な奴らだ!
あと、輸出のための高級茶だけじゃなく、庶民が気軽に買えるような安いお茶も大量に作ってほしいな。
貧乏な暮らしの人にも湖南のお茶を飲ませてあげたい。生まれのせいでこんな美味しい飲み物を飲めないなんて、可哀想だ。

「武陵の茶とて、中国の茶に劣りませんぞ」
(周囲を圧する声で、果雄王翠絶が言う。)
「呉の茶業立国に、果雄も便乗させてもらうと致そうか。」
0140白牡丹 ◇Enju.swKJU
垢版 |
2012/02/28(火) 19:28:18.67
(湖南観察使の提案と皆の賛同を聞き、黄加陳は頷いた)
「茶、木綿、絹の増産と輸出で経済発展させる。それでよろしいですな。
交易は富を生むのみならず、諸侯や軍閥との友好関係ももたらしてくれましょうぞ。
その上で初めて広陵を攻めるのが、最上の策にござる。」

「広陵との短期決戦は反対。それは私も同意見です。」
(今まで黙っていたチン州刺史が発言する)
「しかし軍備拡張とて軽視はできません。諸侯は我々の隣で不気味な沈黙を守る南詔をお忘れか?」
「あの国はもともと雲南の小国でしかなかったのが、今や南西の脅威です。」
「もしかの国が我々に矛先を向けたら……」
「確かに、南詔がどこから攻めてこようが急峻な山岳や起伏の激しい土地に阻まれるのは確かです。」
「しかしそれだけで敵は防げません。真っ先に戦地になるのはわがチン州ですぞ。」
「チン州としては、いつ攻められても万全の用意をしておきたい。」

「我々の軍備は脆弱だ。」
(湖南観察使が言う。)
「翠大王、貴方と蚩尤の子達を侮辱するつもりはない!」
(ぎらりと睨み、反感を態度に表した翠絶を、湖南観察使は慌てて宥めた)
「我々の軍は、各州の州軍、翠大王の果雄軍、私の子飼いである鎮軍、そして各地の長征健児(※あらすじの>>4)」
「その寄せ集めなのです。統一された指揮系統もないし、果雄軍などは言葉も通じない。」
「全軍の数は15万と多くとも、バラバラに戦うしかないのでは、統率のとれた敵と戦えば確実に終わりだ。」

「軍制改革は、一朝一夕にできるものではない。」
(内政拡充派の黄加陳も、この時ばかりは軍制改革のことを考えていた)
「が、やらなければならないことだとは思う。」
「改革の達成までは、南詔とは友好関係を築かねばならない。」
「それには先ほどの交易政策を活用すべきだし、外交も上手く進めなくては。」

それまで意見を黙って聞いていた諸葛休民が、まとめに入ったのはこのときだった。

「大体、意見は出揃いましたな。」
「まとめると、我々がすべきことは以下の事項です。」

@官僚の綱紀粛正
A茶、木綿、絹の増産と輸出、流通網の整備
B南詔への使節の派遣
C指揮系統の統一を目的とした軍制改革

「どれも早急に行うべきことですし、可能な限り並行して行わなければいけませんね。」
「ただ、(ネタ書き的な意味で)優先順位を設けるとしたら、どうすべきでしょうか。」
「それは、ここで話し合っても答えはでないと思います。」
「陛下、どうしますかな。」

そうだな……
広く意見を募ってみたらどうだろう。
我々の話し合いでは出ない意見が出るかもしれない。

「陛下らしいですね。では、このことを各州の役所や民衆にも通達し、意見を募ります。
意見が出たら、陛下にお伝えします。」

ああ、頼むよ。それでは、散会。

※ということで、【このレスの真下のレス】でネタ書きの順番を決めたいと思います。
@→A→B→Cのように書いてください。
無効レス(優先順位の書かれたレス以外のレス)の場合は、その下の書き込みを適用します。
0141名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2012/02/28(火) 21:48:45.34
岳州の役所にて、通達を聞いた役人たちが集まって話し合う。
各々が内心に己を管仲、蕭何に伍して。
喧々諤々、下役人である自分の意見が国を動かすやもと、皆の口は闊達である。

「茶を栽培して流通させるには手間も時間も掛かる。
 手を付けるなら、これからだろうな」

「陛下は祭祁を得手とすると聞いたぞ。陛下が茶の神に祈ればさぞかし美味い茶が出来よう」

「祭祁など傾国の怠業!」

「官僚の綱紀粛正は……急速に変革を推し進めれば、危機を感じる彼らの猛反抗を招きそうでもある。
 焦るのは得策ではあるまいな。ゆるゆると推し進めるのが良かろうて」

「なるほど、綱紀粛正なんかが行われれば貴公は危ないですからな」

「こいつめ!一人前に言いおるようになったものだ」

「して……使節の派遣と軍制改革の方は?」

「交渉の結果が芳しくない事になってから、慌てて軍備の改革を始めるのも舐められよう。
 まずは軍備を整え、対等の立場となってから使節を贈るのが良いのではないか?」

「然り然り!」

A茶、木綿、絹の増産と輸出、流通網の整備
C指揮系統の統一を目的とした軍制改革
B南詔への使節の派遣
@官僚の綱紀粛正

彼ら、岳州の一役所が出した結論は、このようなものとなった。
0142白牡丹 ◇Enju.swKJU
垢版 |
2012/02/29(水) 18:10:28.11
>>141
──君山 政事堂
通達から間もなく各地から続々と届く上申書。
政事堂の面々の、吟味する表情も真剣だ。
額に汗を浮かべ、黙々と手分けして山を片付けていく。政治に疎く、口を出しても皆の邪魔にしかならない朕には、
書類の立てる音はいつまでたっても終わらず、作業は永遠に続くのではないかとさえ思われた。

沈黙を破り、諸葛休民が念を押す。
「いいですか、文体が立派だとか、字が綺麗だとか、そういうことはここでは何の意味もありません。」
「中身が策として筋の通ったものを選んでください。」

「元よりわかっておりますぞ。ここにはそのような愚にもつかん選定をする者はおりません。」
「それに、自分の部下だからといって贔屓するのも以ての外ですな。」
「おお、あ奴らめ。こんな馬鹿げた策をよくも人の目に晒せたものだ。」
渋い顔をしながら、黄加陳は郎州の諸役所からの上申書の余白に
朱筆で辛辣な評価を書き込み、「返書」の山に置き続けた。


【下愚は移らず。】
(馬鹿につける薬はない、とはお前のことだ!)

【無知蠢鈍の極。】
(なんという無知で間抜け!)

【禽獣だも若かず。】
(禽獣でも お前よりましだ!)

【良心喪尽、無知の小人。】
(良心をすりへらして 恥を恥じともせぬ小人め!)

【不学無術、躁妄舛謬。】
(無学で 無能で 欲深で 見当違いだ!)

【汝が輩、不忠不誠の凡夫俗子。】
(お前のような輩を、不忠不誠のムダ飯喰らいというのだ!)

【大欺大偽、大巧大詐。】
(大山師の 大嘘つきの 誤魔化しやの 詐欺師め!)

【木石の如く無知、洵(まこと)に人類に非ず。】
(木石のように無感覚で 人間とも思えない奴だ!)

【恩に負き理に背く老姦巨猾。国家の法紀を敗壊するの人。】
(恩を知らず義を知らず化け損なった狸め。国家の法規を台なしにするのは 手前等の仕業だ!)
0143白牡丹 ◇Enju.swKJU
垢版 |
2012/02/29(水) 18:11:15.03
黄加陳の悪罵は、こんこんとして尽きることを知らない。
「内心に己を管仲、蕭何に伍して」いた郎州の下役人が、見慣れた端正な筆跡になる評価を見たら何と思うだろう。

「これは……黄刺史は随分と手厳しいことですな。貴公の場合、自分の部下だからとむしろ厳しく見すぎておられるのでは?」
チン州刺史が言うと、黄加陳は首を振る。

「そのようなことはない。よければ読んでみられるがよい。」
押しやられた書簡に目を通すと、チン州刺史は「ああ、これは……」とばつの悪そうな表情だ。

「朱筆で済むなら、黄刺史は厳しくなどない。」
(翠絶が重々しく口を開く。)
「果雄で、給金を無駄に吸い取っておるような官吏がいれば、私が許さん。」
(それからというもの、皆は背筋に寒いものを感じながら、またもくもくと作業に戻った。)

「中々『これ』という策は見当たらぬものですな。……むむ、これ(>>141)は妙案だと思う。」
「丞相、貴公の部下からの上申書ですぞ。」
(湖南観察使の言葉に、諸葛休民が顔を上げ、書簡を受け取って目を通す)

「なるほど。私からみても、これは筋が通っています。」
「これを書いた奴らはよく知っていますが、やればできるじゃないかと見直しました。」

「丞相は部下に優しい。黄刺史とは対照的ですな。」
(レイ州刺史の言葉に、全員がどっと笑った。)

彼ら、まだ業務中だよね。朕は暇だから、ちょっと行って褒章してくるよ。

─岳州、役所
ちょっと邪魔するよ。この間は上申書をご苦労だったね。
政事堂で協議して、ここからの建策を採択することになったから。
ああ、これはちょっとした差し入れ。正式の褒章は後日になるけどね。(「君山銀針(皇帝専用の新芽茶)」を一箱渡し)
ええと、君たちの名前は。そうか、覚えておくよ。本当にご苦労さま。それじゃあね。


※というわけで、今回は>>141の順番にネタを書いていきます。
こういうROMさん参加型の企画は、今後も入れていきたいと思います。
0144白牡丹 ◇Enju.swKJU
垢版 |
2012/02/29(水) 18:12:12.85
──茶業立国@
早朝、朕は「君山銀針(ジュンシャンインジェン)」の畑に立った。この場所の様子を、どう言い表せばいいだろう?
茶畑というと、普通はのどかで、脇を子供たちが走り回っているような光景が浮かぶものかもしれない。
けれども、ここは、まるで結界の内の禁域のようだ。
周囲の全てから切り離され、歴代の中華皇帝のためだけに存在してきた茶畑。
その雰囲気は、皇帝の畑という人界の権威だけでは形容しがたい、言い知れぬものを持っていた。
むしろ、その言い知れぬ「何か」があるからこそ、ここの茶が至尊の人のために選ばれたのかもしれない。
一歩立ち入ると、清香を持った風が襟を吹く。
まるでそれは、目に見えない「誰か」の着物の裾が当たったようだった。
しばらく、朕はその「誰か」と二人で茶畑を歩き回った。
朕が歩けば、彼も付いて回る。

「汝であったか、“白牡丹”。」

心の内に声が聞こえた。

「話をしやすいように、人の形(ナリ)を取ってやるよ」

再び、清香の風が立つ。と、朕はそこに一人の人の姿を見た。
若い男だ。肌は透き通るように白く、全身から柔らかな光を放っている。
糸のような目をめぐらせば媚態が生じ、細長い指や、しなやかな身体を悠然と動かせば、そのたびにふくいくたる香が立つ。
黄色の衣を着ている。この衣は身体の動きに合わせて異なった輝きを放ち、波立ち、
絹よりも柔らかい材質でできていることがわかった。
佇まいは優美で、一緒にいるだけで心が軽くなる。
彼こそは、茶の神にして、ありとあらゆる茶の上に君臨する帝であった。

「“白牡丹”。多くの者が、汝の“諱”を春花より取ったものだと思っておる。しかしそれは誤りだ。」
「孤(わたくし)の名を、“銀針”という。“銀針”とは生命の芽吹きにして、神秘なるもの、茶に神性を与うるもの。」
「“銀針”は俗質と混じって“白毫”と為り、“白毫”はさらに俗化して“白牡丹”と為る。」
「汝の“諱”はその呼び名と同じである。」

茶神よ、と朕は言う。天の下で、茶を愛する者のため、“天子・臣白牡丹”はあなたに希う。
東は羅霄山脈、西は武陵山、南はヨウ山、北は洞庭湖に至るまで、湖南の地に茶の恵みを与えて欲しい。

「しかとそうか、白牡丹よ。」
「地上に孤の眷属が増えるはうれしきこと。」
「孤は人が好きだぞ、白牡丹。神の中にも人を嫌うもの、厭う者は多いが、孤は昔から人と関わってきた。」
「人の世も、人の心も、とてもおもしろい。湖南の人の心はとくにおもしろい。」
「汝ら人類が、これまで以上に我らを大切にするなら、恵みを与えてつかわそう。」
「しかしな、我ら茶は気難しいぞ?」
「我らの肌に合った気候条件のこの湖南でさえ、いい加減な栽培をしていればまずくなる。」
「そうさのう、高い山で生きたいわ。」
「寒い夜と風、それは我らにとって愛しき苦行、それを乗り越えて後、我らは体内に深みと地味を養う。」

茶神よ、よければ臣が眠る夜まで待ってくれ。肉体を置いて、あなたとともに湖南の各地を飛び翔けよう。
あなたの気に入った場所に、茶の居所を作らせよう。

「約束ぞ、白牡丹。違えるでないぞ。ああ、楽しみじゃなあ。どんな山に出会えることか。」

また、いま一つ願いがある。茶神よ。あなたの気に入った高山で生まれた茶は、確かに味もよく、多くの人に愛されるだろう。
だが、とうてい全ての人の口に生き渡るだけの量は作れない。
非常な高値が付けられ、生まれの貧しい者は喫むことができない。
朕は誰もが茶を飲める世の中を作りたい。どうか、広い低地にも、等しく恵みを与えてほしい。

「承知した。では今夜、汝の夢を訪ねようぞ。」

茶神はひときわ柔らかな光を放って消えた。その瞬間、畑一面に格別の香気が吹きわたった。
0145白牡丹 ◇Enju.swKJU
垢版 |
2012/02/29(水) 18:12:59.27
君山、夜。床に入って眠りに就く。しばらくすると、ことり、と静かな音がした。
窓の隙間から、かぐわしい香気が入ってくる。
暗闇に横たわって目を閉じているのに、室内の様子がはっきりとわかるのは、これが夢の内だからだろう。

「約束通り来てやったぞ、白牡丹。さあ、ゆくとしようぞ。」

扉の外から茶神の声がする。起き上がって外へ出ると、外の景色は新緑の春だった。
夜だというのに、草木や、花の色が明るく浮かび上がり、清香の風が吹きわたっている。

「さあ、飛び翔けようぞ、白牡丹」

黄の衣をひるがえし、先に立って飛ぶ茶神に続いて、朕も風に身をゆだねた。
眼下に静かに眠る洞庭の水と、岳州の街並み、緑の山々、網のように張り巡らされた川が見えた。
姚朝欽の差し金で飛んだときより、はるか低いところを飛んでいた。
隣には、機嫌よく鼻歌を歌う茶神がいた。いま、朕は孤独ではなかった。

「白牡丹。大地に根を張り、体内に養分をたくわえ、春の花、夏の日差し、秋の月、冬の風の中で、我らは夢見るのよ。」
「ふくいくたる香り、清らかな風、喜びに満ちた茶と成れるのを。」
「ある者は緑に、ある者は黄に、ある者は白に、ある者は青に、ある者は紅に、ある者は黒に、またある者は花と戯れて。」
「育ち、摘まれ、人の手に委ねられ、水と戯れるまで、我らは夢を見続ける。」
「汝は、その夢を、喜ばしいものにしてくれるか?」

約束しよう。永代にわたり、湖南の茶が人を愛し、人に愛され続けられるようにすることを。

それから二人はしばらく無言で飛んだ。
茶神は注意深く地上を見下ろし、ここはだめだ、ここはいまいちだとぶつぶつ言っている。
いくら飛んでも疲れは出ないから、好きなだけ選んでくれたらいいんだが。

「おお、ここはよい!」

指差した先に、一山があった。涼やかで、きれいな気が立ち上ってくる。
「ここの場所を覚えておけよ。」
言われるまでもなく、位置と地名を確認する。
それから空が白むまで飛びまわって、他にもいくつかの場所を見つくろった。

「ああ、楽しかった……。」
心底、幸福そうな声を聞きながら、朕は床の中で目を覚ました。

─政事堂
輸出用の高級茶の産地は、ここと、ここと、ここと……
ここで生産する。測量やら色々なことは、各刺史でやってくれ。
湖南地勢図を指して指示すると、政事堂の面々は「確かに彼処の条件は、製茶に合っておりますな」と賛同する。
それから、もろもろの計画が練られ、高山で、また平地で、茶の生産が行われることになる。
始まったばかりの計画が身を結ぶのには、まだまだ時間がかかるだろう。
しかし、きっとうまくいく、と朕は確信していた。
0146白牡丹 ◇Enju.swKJU
垢版 |
2012/03/01(木) 17:32:54.29
ROMの方に聞きたいことがありまして。
もしよければご意見いただきたいと思います。
中々参加者に恵まれない理由は、「コンセプトが不明確」だと思われているからでは? と不安になってしまいました。
具体的には、ほのぼのなのか殺伐なのか、ファンタジーなのか歴史なのかわからなくて
どう参加したらいいかわからなくなっていませんか?

そうだとしたら、私が迷走してるということですから申し訳ないのですが
一応(上の言葉を借りるなら)「殺伐」「歴史」なんですよ。
白牡丹を主人公にしながらその軸を崩さず進めるために出しているのが配下達でして。

もしどう参加していいかわからず躊躇しているのなら、ぜひ群雄や廷臣で政争や戦争をしてほしいと思います。
私個人は、自分が書きたいことを何でも詰め込んで書いているところがあるので、
それでもし混乱させていたらすみません。

また、「どうしたら参加しやすいか」よかったらご意見を出してくださると助かります。
活かせることなら活かします。
今後のネタも先々まで考えてあり、放置は絶対にしませんが、
参加者が少なく辛くなる気持ちは、ネタ書きを頑張れば頑張るほど募ります。
0148碧螺春 ◆4ljK75Wtbc
垢版 |
2012/03/01(木) 17:52:16.18
>>146
今晩は。お久し振りです。
私の場合、以前の夜闌からキャラクターを引き継ぎたい気持ちが強いのですが…
人間と妖精の戦争のような事態も考えているのですが、巧くストーリーを考えられません。
もう暫く考えさせて下さい…
0150白牡丹 ◆Enju.swKJU
垢版 |
2012/03/01(木) 18:24:12.11
ご意見ありがとうございます。

>>147
人を満足させられるものを書けているというお褒めの言葉と取れば嬉しいのですが、
今日も参加者が来ない、今日も来ない、というのは辛くて。
入りやすい雰囲気の作り方だけでもわかるといいんですが…

>>148
考えてくださるのは嬉しいのですが、その流れはやめてください。
今は人の作る歴史をメインにしたいんですよ。

>>149
三国志とか好きですか?
中国の歴史好きなら、それだけで大丈夫ですよ。
私は参加者の知識に合わせて書きますし、
それで入りやすくなるなら、代行依頼スレがある板に質問スレとか立てますよ。
0151白牡丹 ◆Enju.swKJU
垢版 |
2012/03/01(木) 18:33:29.45
すみません。
私がこう言ってるのは、出来うる限りの中で参加する、と言ってくださってる蒙さんなどからすれば、
失礼にあたると思います。
不用意な発言で、すみませんでした。
0152名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2012/03/01(木) 19:17:15.88
参加者を増やす手立て……そうですね
まず歴史難民板は雑談スレ等の進み具合を見ても、総人口自体が少ないように見えます
ここだけで新しい参加者を迎えるのは、少し難しいかも知れません
スレタイを見ただけでは、どんなスレかも分からない方が多いでしょうし

存在を知らなければ参加者も増えない事を鑑みると、人を募るには告知などどうですか
荒らしが付いてきたり、必ずしもプラスの結果になるとは限らないので、勧め難いものも感じますが


 ◆夜 闌 香 焚 き 天 を 夢 む◆
 ジャンル:古代中国を舞台としたなりきりスレ
 コンセプト:唐代をモデルとした架空王朝「呉」にて、政治や戦争などで歴史を紡いでゆく歴史群像劇
 URL:http://ikura.2ch.net/test/read.cgi/nanminhis/1328426574/
 紹介文:〜10行以内で分かりやすく〜


簡潔にスレを紹介しようとすると、こんな感じになるのでしょうか
まず、リレー小説+なりきりの土壌がありそうなのは、なりきりネタ板や創作発表板が思いつきます
が、初見では州名や称号を羅列されてもさっぱりでしょう
興味を持ってくれても、市井の人としての参加くらいしか望めない様な……
国の運営や歴史に関わるスタンスを期待するならば、三戦板や戦国板あたりですね
こちらは、余り詳しく無いのですが

単純に設定の積み重なりとレスの蓄積も、敷居を上げてる部分があるやも知れません
今の状況や粗筋を至極簡潔(1レス以内)にしたものを、紹介文に乗せるのも良いかも
もちろん、労力を費やしても余計に気を塞がせてしまう結果になるかも知れませんが
とりあえず、私の考え付くのはこの程度ですね


>>148
神霊の存在を明確にしないやり方なら可能かも知れませんよ
末端の兵も人知を超えた存在ではなく、黄巾党みたいな宗教教団に置き換えるとかで
0153ROM
垢版 |
2012/03/01(木) 19:23:34.09
ある程度ストーリーが決まっている中で参加する意義?
0154白牡丹 ◆Enju.swKJU
垢版 |
2012/03/01(木) 19:38:05.08
>>152
やはり、告知ということになりますか。
リスクまで考慮した上でアドバイスしてくださり、ありがとうございます。
このスレの話題は、三戦板でたびたび浮上する「なりきり議論スレ」で出るので、
おそらくそれが告知の役割を果たしていると思われます。
RPGや現代モノのような意識で参加されても、お互いに気持ち良くないと思うので、
歴史系板への告知はやめておきましょう。
荒らしが付いてくるのも困りますし。
逆に歴史的な世界観にアレルギーがなければ、知識に特化している必要はないと思います。

本当に、ありがとうございます。

>>153
ある程度ストーリーが決まっているとは、過去の流れのことですか?
でしたら意識しなくても大丈夫ですよ。

私が書いている流れのことでしたら、参加者が来るまで間を持たせるために書いてるので
それこそ気にしないでください。
0157白牡丹 ◆Enju.swKJU
垢版 |
2012/03/01(木) 19:49:06.33
>>156
この直後、(領内でですが)レイ州の戦い以上の大掛かりな戦いを書く予定なので、
そのさなかに入ってくれる方が出るといいなー
タイトルだけ告知すると
「驕兵の乱」
です。
0158名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2012/03/01(木) 19:53:05.79
したらばに質問スレを開設して来る人があれば。

何か短文レスで済まないですね。このスレをみてると短文レスでは申し訳ない気持ちになる。
0159名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2012/03/01(木) 20:05:56.03
>>157
なるほど、それは拝見するのが今から楽しみですね
群雄と言っても色々種類があると思うのですが
軍編成の一例などみてみたいですね
あ、自分はもし参加するとしたら誰かの軍隊に入りたいです
0160156
垢版 |
2012/03/01(木) 20:09:42.57
>>157
それは楽しみ!緻密なレス運び楽しみにしてます
0161白牡丹 ◆Enju.swKJU
垢版 |
2012/03/01(木) 20:15:56.45
質問スレを立てました。
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/9102/1330599999/

回答者を私に限らなかったのは、決して不精したかったからではなく
夜闌をみんなで回すスレにしたいからです。

>>158
文の長短、巧拙は関係ないですよ。
>>142の諸葛休民のせりふでもあります。
今日ここでいただけたご意見は、どれも貴重なものであり
モチベーションを向上させることができました。

>>159
今から書きはじめます。
深夜に代行依頼に投下することになると思います。
参加してくださる可能性があるということだけでも、励みになります。

>>160
長くなりますが、長いぶん随所で飛び入り参加しやすいと思います。
人が入りやすい文章を……と意識はしますが、私の場合、何も意識しないで書かないと詰まってしまうのですが……w
0162159
垢版 |
2012/03/01(木) 20:56:54.57
>>161
楽しみにしてます!
軍規なんかも気になりますねw
0163158
垢版 |
2012/03/01(木) 21:35:53.34
>>161
それを聞いて安心しました。やっぱり携帯だと長文が打ちにくくて。
今はロムして勉強したいですが、いずれは町人ででも参加してみたい気もしますね。
0164ROM
垢版 |
2012/03/01(木) 21:47:59.09
>>154
先々までの話を考えている、とどこかに書いてあった罠。

あと名無しのひとがフォローしてくれたけど、碧螺春嬢のレスに対してちょい冷たい気がス。
0165白牡丹 ◆Enju.swKJU
垢版 |
2012/03/01(木) 21:50:30.98
>>163
よかったです。
「なりきり」ですから、頭を悩ませてる時点でなりきってないわけじゃないですか。
一番すらすら楽しく書ける文体が最上、そこに長さなんかは関係ないわけです。

うーん、町人ですか。
武将や廷臣をやる気はありませんか?
町人は難しいですよ。
町人=気楽というイメージがあるかもしれませんが、
その気楽が「馴れ合い雑談」に転向しないようにするのはなかなか難しい。
経験上それがわかってるので、
天下統一とか、汚職しまくるとか、コンセプトを持ちやすい身分のほうが簡単だと思うんです。
0166名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2012/03/01(木) 21:53:28.09
様々な流れが平行すると、どうしても話が分かりにくくなるよね。
私も把握するのに四苦八苦してますが応援してます。
0167白牡丹 ◆Enju.swKJU
垢版 |
2012/03/01(木) 21:54:37.34
>>164
それが>>157の「驕兵の乱」です。
なるべく、こういうイベントを用意して入りやすいようにする、ということです。
誰もこないからって何も書かなければ、余計人が離れるでしょうから。

下段については、そんなつもりはなかったのですが、
冷たく感じてしまわれていたらすみません。
0168白牡丹 ◆Enju.swKJU
垢版 |
2012/03/01(木) 21:57:12.00
>>166
応援ありがとうございます。
ご指摘いただいたことは、参加型なりきりの持病みたいなものであり、
かつ参加者みんなの協力で何とかなる問題でもありますね。
みんなが軸になる流れに絡むと、あとから見てわかりやすいと。
0169163
垢版 |
2012/03/01(木) 22:02:28.49
>>165
生まれ故郷を守るためなら手段を選ばないっていうのは考えつきますね。
故郷では聖人(英雄)、他では屈指の虐殺者とかww
0170ROMーROM
垢版 |
2012/03/01(木) 22:16:53.98
>>168
自分(白さん)が決めた流れに沿えってことでしょ
打ち合わせなしで出来るかぁ?
あと難しい漢字にはルビをふってほしい
0171美夕
垢版 |
2012/03/01(木) 22:23:55.33
>>170
確かに難しい漢字が多いけど、辞書に首ったけで調べるのって楽しくないですか?
0173白牡丹 ◇Enju.swKJU
垢版 |
2012/03/01(木) 22:39:42.69
──驕兵の乱
創業を語る上で、この乱を無視することはできないだろう。
この乱こそ、中統朝の最初の大きな試練、そして指揮系統の統一された国軍が実力を示した晴れ舞台だった。

軍の指揮系統の統一。これが政事堂の議題に上った時、その実現を最も切望したのは誰だったのか。
皇帝白牡丹か、それとも諸葛休民か。
意外にも、その答えは版図の大部分を有する湖南観察使だった。

当時、湖南観察使領には以下のような軍事力が存在した。
@包括する五州の州軍
A節度使に直属する藩鎮主力部隊、牙軍(長征健児=あらすじの>>4

Aの牙軍は、当初こそ藩鎮の手足となって闘う精鋭であり、本来、藩鎮の権力を象徴するものであった。
しかし、軍功の見返りに手厚い給料をもらい、軍団内部で通婚を重ね、軍職を世襲するようになった彼らは
次第に増長するようになる。
「藩鎮の統帥」ではなく、「優遇してくれた藩鎮の統帥」にのみ、忠誠を誓うようになったのだ。

さんざん贅沢に慣れ、軍団内部に味方を多く持ち、
統帥の首すらすげかえるまでに増長した牙軍の兵士たちは「驕兵」と呼ばれ、
湖南観察使もまた、その扱いに頭を悩ませていた。

軍制改革によって、この厄介な身中の蟲を駆除することができれば……。
湖南観察使の頭にはそんな考えがあった。
政事堂にあって、この改革に強硬に反対すると思われたのが彼であり、
彼の賛成は白牡丹を内心驚かせたが、諸葛休民に言わせれば、「わかっていたこと」だとか。
ともあれ、こうして次のような改革が行われることになる。

@軍権の中央への集中
これは、段階的に行われた。まずは外形的に、次第に実質的に。

・皇帝直属の「枢密院」を設置し、軍の最高権を集約
→皇帝は「天下兵馬大元帥」を兼任。軍の最高統帥者に
→各州刺史は「将軍」を兼任
→「州軍」という枠を撤廃。各将軍(刺史)に直属する「方面軍」扱いに
→各「方面軍」には、各州出身者を均等に配属
→「呉王朝の軍」への所属意識の高揚を目指す
→合同訓練

A指揮・指示の統一
・指示は全て湖南語に(諸少数民族の部隊に対しても)。旗や動作などと合わせて繰り返し訓練し、身体に覚えさせる
・指揮時の旗、采配、動作などは全体で統一

B士官学校の設置
・教官には引退した武官を登用。優れた指揮官を生みだすとともに、引退した武官が不満を持って反乱することを防ぐ
・軍事教育とともに、高潔な精神教育も実施

C徴兵制
・兵士は等しく農民から徴兵
・勲功者は出自に関わらず褒章し昇格させる

こうした改革は、一つには強力な軍を生みだすために、そして別の裏の目的を持って行われた。
そして「裏の目的」もまた、果たされつつあった……。
0175ろむ
垢版 |
2012/03/01(木) 23:45:16.45
>>173
×身中の蟲
○獅子身中の蟲

頼みますよ
0176二休
垢版 |
2012/03/02(金) 13:46:11.01
>>173
早速のレス感じ入ります
ちなみに兵の人数はどの位でしょうか?
0177白牡丹 ◆Enju.swKJU
垢版 |
2012/03/02(金) 14:10:08.86
>>176
まず別人を装って複数レスするのやめてもらえます?
人数多くいるように見せてやる気出してもらおうとか考えなくていいんで
大体そういうの分かるし萎えるんですよ
貴方、私のこと応援してるの?
それともやる気を削ぎたいの?
後者なら上手くいきまくりですよ
まあスレを放置はしませんがね
書いたネタに素出しでレス付けられると思わず「ウゼエ」って声に出しちゃいます
スレ主の立場の私にここまでぶっちゃけさせるなんて正直すごいですよ
あなたのウザさ
尊敬します

なんか建前で話してても貴方の場合通じないと思うんですよね
「察してくれ」ってのが通じないというか
今までも貴方のしてきたこと分かってたけど我慢してきたんですよ
もう我慢できない

私がファンタジー要素入れるのは根幹の中国史があるからこそですよ
別に知識に特化してる必要はない
文の長短も関係ない
でもね、横光三国志すら読んでない手合いの相手をなんでしなきゃなんないの
中国史スレ立てて子供の相手とか
ファンタジー要素だけに惹かれてくる奴の相手とかなんでしなきゃいけない?
げんなりですよ

応援してくれるなら図書館に走って本でも読んでくださいな
はーすっきりした

このぐらいの本音も吐き出せないようじゃいずれストレスたまって2ch来るのも嫌になるのは見えてますからね
0178蒙鐸粲 ◆TAbgaMHQWM
垢版 |
2012/03/02(金) 15:00:36.80
まぁ、あまり、こういった事を本スレで書くのは如何かと思いますが、>>146
関して参加者側から述べさせて頂きますよ。

前帝と致しまして、私自身が書き込まないのは時間が無い事と、内向ネタに
ならざるを得ない環境である点でありますが、この内、後者に関してはスレの
展開次第によっては改善できますので、その点に関しては、スレ主さんと同
様の思いではあります。

まぁ、その様に前置いた上で、申し上げますと、個人的なアレルギーの様な
点もありますが、神霊的要素というのは大きいかと思いますし、個人的には
非常に大きい懸案ではありますね。

私の立脚する南詔という国は中国王朝の版図の外の国であり、い民族国家
ですから、もっと原始的な宗教的要素というのはあったでしょうが、それにして
も、やはり精霊たちの存在、しかもそれが戦争という現実的描写に参加する
事に関しては非常に抵抗がありますし、それは歴史的要素・史実的要素に
重点を置いて戦略性・経営性を立てて国家運営・勢力運営、しいては外交等
を行っていくうえでは非常に大きな存在であり、ある種の障害に当たると思い
ます。

極端に申し上げれば、それらの存在に対し、アレルギーをもっておられたり、
それらの対応法が浮かばなければ、その時点で参加や購読はなくなる可能
性を秘めておりますし、私自身、正直なところ、精霊軍と相対峙した場合に
どのように対応、戦争を進めればいいか、わかりかねており、考えておりませ
ん。

ですから、宗教的存在、との記載が既に出ておりますが、そういった術者の
予言なりお言葉、程度にして、極力存在として出現させないという点は考慮
して頂ければ、改善に繋がる可能性はあると思います。
まぁ、その分、歴史的・史実的な面に重点を置き、より一層、一つの専門性
の突き詰めになるかとは思いますが。

また、最低限、スレ主さんが兼務でも構いませんので、広陵政権を運営する
点も重要な要素かと思います。
まぁ、広い意味で、今もプロローグ(湖南政権が成立・拡大する過程)とすれ
ば宜しいでしょうが、基本対立軸にあり、一つの軸の中心であり、また厳密
には正統な王朝の皇帝側の政権である広陵政権が不在であり動向が全く
みられない、というのは大きなマイナス要因です。
この、二政権が対立しあう構図でこそ、初めて参加者同士の戦争ができま
すし、それに応じて両者との関係を持ちつ持たれつで行える地方軍閥という
のも成立しますから、やはり、この点は兼務であっても運営して頂きたい所
ですね。

まぁ、しいて言えば、南詔におきましては、国内改革を行ったとしても、単に
自己満足ではないですが、他者の介在ができない孤立したネタになります
し、他の諸侯がいない状況では戦争も交易も外交もできませんので、結果
的に中華側に限らず、何らかの存在が参加しない限り、ネタを落とすには難
しい環境でありますね。

長文失礼致しました。
なお、>>136に関してはおおよそそんな所です。
蕭衡の地位をまだ投下していなかったこともあり、宙ぶらりんですが、他は
その記載通りになっています。
0179白牡丹 ◆Enju.swKJU
垢版 |
2012/03/02(金) 15:30:54.40
>>178
貴重なご意見ありがとうございます。
まずご多忙の中、ご参加くださっていることには本当に感謝しています。

ここ数日で考えていたのは、見ている人はきっかけさえあれば入ってきてくれるんじゃないか、ということです。
今なら入れる、と感じてくれれば……
では、そのためにどうすればよいか、自分で考えても答えが出せなかったので、意見を募ることにしたんです。

神霊的な要素ですが、私がこれまでそういう要素を描写に入れてきたのは、
古代から清朝に至るまで、連綿と中国文学史上で生き続けた幻想怪奇を
中国人の精神から切り離すことはもはやできないと考えたからなんです。
まして、古代のことですから、そういったモノへの意識も現代と明らかに異なったであろうと。

なのでそういうものを書いていますが、私は「夢」や「自然現象」でも説明がつくように注意して書いていました。
描写しつつ、現実の人の営みとは切り離せるように気をつけていました。

切り離していないネタへのアレルギーは、私もあります。
0180白牡丹 ◆Enju.swKJU
垢版 |
2012/03/02(金) 15:35:48.24
(つづき)
なので、私の書く神霊は、夢や自然現象の隠喩と取っていただいて構いません。

また、広陵政権の同時運営は厳しいです。
想像力の限界や、そこまで書くと実生活にも影響がでるということがありまして。
これについては、すみません。
0181 ◆TAbgaMHQWM
垢版 |
2012/03/02(金) 16:21:16.07
>>179-180
いえいえ、こちらこそご対応と日々のスレの運営御苦労様です。
殆どROMに近い存在でありながら、棚に上げたような発言失礼致しました。

まぁ、ご自身でお書きになっているように、廃帝(白牡丹)一人でいる際の描
写として、『見える』:、『戯れる』、また夢の中の描写、というような程度であれ
ば、能力を持った特別な人物、ないしその手の趣向がある人物、ですみます
し、それであれば、なんら問題ないと思います。
これが索敵や戦争に利用されるようになりますと、どうにもこうにもお手上げに
なりますからね。

また、広陵政権につきましては、了解致しました。
まぁ、私自身が兼務するのは、時間的要因以上に、スレの趣向に大きくマイ
ナス要因になりそうですので、この点に関しましては新たな参加者さんにお任
せするしかないですね。

まぁ、今後ものんびり頑張りましょう。
0182盧虎康@紅蓮教尊師 ◆UAegK7oWdg
垢版 |
2012/03/02(金) 20:29:11.93
廃帝・白牡丹の治世の終わりの頃
長安でとある宗教団体が淫祀邪教として当局の弾圧を受けた
紅蓮教。仏教や中華古来からの民間信仰を母体とし
道教や景教、回教などの要素も混入した新興宗教
教祖である盧虎康は超常的な能力を用いて巧みに信徒を増やし
長安を拠点として雍州一帯や西域に影響力を及ぼしつつあった
数回に渡る当局の弾圧の末、盧虎康は捕らわれ厳しい拷問を受ける
しかし神仙の護りを受ける盧虎康は拷問に屈することなく
ついに白牡丹自身による尋問を受けることとなった

帝都広陵で盧虎康は白牡丹に弱き民には精神的な支えとしての宗教が必要であり
また、刑罰や権力をちらつかせて力づくで民を治める帝国が
平等互恵、助け合いの精神で繋がる教団の上位に位置する道理は無いと説く
そして白牡丹に玉座を捨て大地とそこに生きる民を知るべきであると訴えた
白牡丹は盧虎康を赦免しようとするが、廷臣たちの諫言を容れて礼部へ引き渡す
だが礼部尚書の薛珠は後日決行されるクーデター計画にかかりきりで
ついに盧虎康を査察することはなかった

盧虎康は何の沙汰も無いことは許されたということであるとし、地下牢を脱走
長安での弾圧を逃れ天水に集結していた信徒たちをまとめ
新たな拠点として漢中(梁州・興元府)を選ぶ
漢中の中心である南鄭にほど近い名勝・定軍山に翠嶺神仙大寺を建立し
教団は新たな一歩を踏み出した
レスを投稿する


ニューススポーツなんでも実況