>>17
豚とは何じゃ?そういうそちの口汚さが、わしには耐えきれんのよ!
そなたに、わしと亀姫の思い出の中に入って来ることなぞ出来るものか!

泣くでない!わしは正々堂々としたつもりじゃ、そなたとの間に隠し事なぞしたくないと思ったゆえな。
じゃが、そんな気持ちもそなたには通じてなかったようじゃ。
(瀬名に叩かれ、血の出た額を瀬名に向けながら)
ようもやった、瀬名。亭主の額を割って、これで満足か?
(じろりと下から瀬名を睨む)
男子たるわしも出産の大変さは少なからず分かっているつもりじゃ。
じゃがわしに飛びかかり、扇子で叩き、懐剣を突きつけるそなたの身軽さは、まるで出産なぞしておらぬかの
ように軽やかじゃな。
そうじゃな、半端なわしにはそちのような妻は不似合いなのやも知れぬな!