・オーディオ機器やゲーム機、洗濯機などの中古品が4月から販売できなくなると
 中古の電化製品を扱う業者の間で騒ぎになっている。01年施行の電気用品安全法の
 猶予期間が切れ、新しい安全基準を満たした製品以外は売れなくなるためだ。
 国の周知不足のため最近知った業者が多い。小規模な個人経営が多い中古品業界では
 春から売れない在庫を抱えて倒産が相次ぐと悲観する声があがる。

 同法はメーカーや販売業者に安全確認検査を義務づけている。検査済み製品には
 「電気製品の安全性」を示す「PSE」マークをはり、電気便座など基準が厳しい製品
 にはひし形、それ以外には丸形の2種類ある。一般的な家電製品は大半が3月末で
 猶予期間終了。マークのない製品を売ることはできなくなる。

 「青天の霹靂だった」。東京・JR秋葉原駅前の秋葉原ラジオ会館で清進商会を営む
 小川進さん(56)は言う。店内にはベータ式のビデオデッキやオープンリール式の
 テープレコーダー、レコードプレーヤーなどが並び、古いオーディオの愛好家らが
 買いに来る。

 同業者から知らされたのは1月下旬。今月に入って経済産業省に確かめた。
 「うちの商売はどうなる」。問いつめたが、「官報で知らせた」という答えだったという。
 在庫は約500点に上る。「古い機械が好きな方を相手に誇りを持って仕事をしてきた。
 これでは死ねと言われたようなもの。もっと早くわかっていたら」と怒る。

 中古家電の大手「ハードオフ」は今月11日から対象製品のセールを始めた。
 ギター用アンプなどの「ビンテージ」と呼ばれる高額品を扱う大手楽器店は
 「売り切れなければ、店内に飾るしかないかも」とぼやく。法施行以来、経産省は
 官報のほかに各メーカーや業界団体に冊子を配るなどしたという。「物の流れとともに
 情報が伝わると考えていたが、伝えきれなかったのは否めない」と釈明している。
 http://www.asahi.com/life/update/0218/005.html