GWに帰省した時、ガキの頃近所の仲間と作ってた基地に行ってみた。
そこは、レンガで出来た焼却炉の跡みたいな場所だったんだけど、
さすがにあれから30年近く経っているので、まさか現存はしていないだろう
と思いながら記憶を頼りに歩いていった。
辺りは随分と景色が変わっている。新しい建売住宅が建ち並んでいる路地を抜け、
通称「煙突工場」の裏手が目的地だ。
そこは既に廃工場となっていた。
当時は真っ黒い煙を上げて操業していた。活気があった。
工員のおじさんに、「こら!危ないから来たらあかんぞ!」と、よく怒鳴られた。
顔なじみになって、たまに工場の自販機でペプシを奢ってくれたお兄さん。
今はどこに居るんだろう・・・。
そんな事を思いながら廃工場の脇を抜け、幅1メートル程の溝を飛び越えると・・・
あった!雑草に埋もれるようにしてレンガ造りのソレは存在していた。
改めて見ると随分小さい。あの頃はよじ登るようにして這い上がった基地の入り口。
今では顔より下の位置に口を開けている。
やはり、単なる古い造りの焼却炉跡だ。子供の頃はこの場所にファンタジーを感じていた。
脇のブロックに腰を下ろして、色んな事を考えた。あの頃夢見ていた未来の自分、
今の現実、老いた両親、当時の楽しかった思い出・・・。
涙が止まらなくなった。