・介護ヘルパーやベビーシッター、工事業者などは、平日17時以降と日・祝日、入館禁止。

・共有部分でのキャリーケースやベビーカーの使用禁止。

・ウーバーイーツは利用禁止。

・廊下での立ち話や携帯電話は禁止。

などなど。しかも、これらは「異常ルール」のほんの一部だ。住民が深夜に救急車を呼んだが、管理人が寝ていて入館できず、対応が遅れるという危機的状況もあったという。

理事会は、ルール徹底のため、敷地内に約60台もの防犯カメラを設置。理事会に従う管理人だけでなく、理事たちによる「録画確認」も毎日行われ、住民たちは常に監視されている状況にあった。

これらのルールは管理規約や細則に一切記載がないものだったため、当然、反発する住民もいた。しかし理事会は、「8割の住民の賛同を得ている」と、一向に取り合わない。

不満があっても泣き寝入りするしかなかった理由について、約40年にわたり居住する70代の女性はこう語った。

「理事会に異を唱える住民は、これまでも何人か出てきましたが、反対運動が広がるまえにいつも潰されてしまった。そしてその後、反対運動に参加した人たちは露骨な嫌がらせを受けるんです。それを見ていたほかの住民たちは身の危険を感じ、行動に移すことができなくなった」

まさに「渋谷の北朝鮮」……。しかし、そんな独裁管理組合も、'21年11月、ついに打倒された。京王プラザホテル(新宿区)で開かれた総会で、理事会のメンバーが全員刷新されたのだ。
「秀和幡ヶ谷レジデンス」に学ぶ、ヤバすぎる「管理組合」との戦い方(週刊現代,栗田 シメイ) | マネー現代 | 講談社
「秀和幡ヶ谷レジデンス」に学ぶ、ヤバすぎる「管理組合」との戦い方(週刊現代,栗田