出会いは韓流「KARA」 Z世代が卒論で探ったキラキラの先の韓国

 すっかり日本で定着した「韓流」。Z世代(おおむね10~20代)にとって、K―POPがテレビで流れるのは幼い頃から当たり前の光景だった。
大学で韓国について学んだそんなZ世代は、どんなことに関心を持ち、日韓関係をどう見ているのか。
アンケートと卒業論文から、若者の隣国像に迫った。

 帝塚山学院大学(堺市)で今年度、韓国語韓国文化専攻の古田富建教授ゼミで学んだ4年生は19人。
今世紀生まれで、幼少期から韓国発の音楽やドラマになじみ、BTSの世界規模での活躍を目撃しながら育った。

 大学に入学した2020年は、徴用工問題で日韓の政治外交関係が行き詰まる一方、コロナ下の巣ごもり需要もあり、「愛の不時着」や「梨泰院クラス」など動画配信サービスの韓国ドラマが爆発的な人気を呼んだ。

 記者は、学生たちの卒論発表会を取材するとともに、アンケート(回答者15人)もした。

「戦後最悪」に違和感

 アンケートで「最初の韓国との出会い」を尋ねると、K―POPやドラマ、家族旅行が挙がり、最も多かった最初の出会いはアイドルグループの「KARA」だった。

 「韓国人」と聞いて頭に浮かぶ人物を挙げてもらうと、アイドルや俳優の名がずらり。政治家を書いた学生は1人で、元大統領の朴槿恵(パククネ)だけだった。

 韓国語韓国文化を専攻した理由をきくと、「好きなアイドルが話している言葉を自分で理解したいと思った」「趣味の韓国ドラマを字幕がなくても見られるように」
「自分が今熱中しているものが『韓国』だった」など韓流の影響をうかがわせる回答が多かった。

https://www.asahi.com/sp/articles/ASS1V5HH2S1QPTIL00S.html