サンデー毎日
抜粋

 皇太子ご夫妻は祈りを捧げていたことが分かる。「しかし……」と、ある東宮関係者が顔をしかめながら話すのだ。
「実はこの日、愛子さまのご学友10人前後が東宮御所に集まり『お楽しみ会』が開かれていたんです。お子さま方が楽しく遊ぶ会自体は何ら問題がないでしょう。むしろ良いことではありますが、開催された日にち問題はなかったのでしょうか。震災から一カ月が経過した節目のお慎みの日に、しかも両陛下が被災地への訪問を始めた時期です。そうした時期にワイワイガヤガヤとした会を開催することはいかがなものか、そんな声が内部から上がっていました」
 東宮関係者の話を総合すると、「お楽しみ会」の全容は次のようなものだったという。
 4月11日午前11時、保護者が運転する数台の車に分乗した学友らが東宮御所に入った。男女ほぼ同数で、愛子さまと雅子さまが笑顔で迎えた。
 東宮御所の庭ではボール遊びや鬼ごっこなどをするのを、東宮関係者2人が中心になってつきっきりで面倒をみていた。子どもたちは元気に走り回り、疲れると室内でゲームに興じていたという。昼食にはサンドイッチが振る舞われ、午後3時のおやつとして出されたオレンジゼリーを子どもたちは大いに喜んだ。
「よほど楽しかったのでしょうか、お楽しみ会は夜7時近くまで続きました。驚いたのは、両殿下がお揃いでずっとご一緒していたことです。皇太子殿下はビデオカメラを、雅子さまは小さなカメラをそれぞれお持ちになり、子供たちの様子を常に撮影していました」(東宮関係者)
 おやつの前、震災の発生時刻になると両殿下と愛子さま、そして招かれた子どもたちは揃って1分間の黙とうを捧げた。
 ハプニングもあった。午後5時過ぎ、関東地方で震度4の地震があり、子どもたち慌ててテーブルの下などにもぐった。1カ月前の恐怖がよみがえり、不安な表情を浮かべる子どもたちもいたという。
 東宮関係者が続ける。
「両殿下もお子さまたちも笑顔が絶えませんでした。しかい、多くの皇族の方々が静かに過ごされていたことを考えると、素直に喜んでばかりもいられないと思うのです」