NYの街中でアメリカ人が日本人に対してヘイトをぶつけるようになった理由
https://news.yahoo.co.jp/articles/546d433bb1bc477372185ede7366c498f54160d5

アメリカでは黒人だけではなくアジア人も差別の標的になっている。アジア人は『攻撃してもやり返してこない』と思われている節がある」という――。

■アジア人に向けられたヘイトクライムが急増
 アメリカでは近年ヘイトクライムの問題が深刻だ。ヘイトクライムは人種や宗教に対する偏見に基づいた犯罪のことである。黒人に対するヘイトクライムは長年問題になっているが、2020年頃からは日系人を含むアジア系住民に対するヘイトクライムが急増している。

もっと悪質な例になると、背後から近づいてコンクリートの路上に押し倒したりした。

アジア系を狙った事件は東海岸でも多い。むしろ最近ではニューヨークで発生する事件が多い。地下鉄の駅でアジア系の女性が後ろから線路に突き落とされる事件も起きた。

■アメリカ社会の分断が加速している
 アジア系を狙った犯罪は住民だけでなく宗教施設もターゲットにしてきた。被害を受けたのは、ロサンゼルスの日本人街、リトルトーキョーにある東本願寺ロサンゼルス別院。事件が起きたのは2021年2月の夜。取材で寺を訪れると、寺の責任者の伊東憲昭さんと藤井真之さんのお二人が当時の状況を説明して下さった。

■アジア系へのヘイトクライムは約4倍に急増
ニューヨークなど10の都市で2021年に起きたアジア系住民に対するヘイトクライムと見られる事件は295件だった。
2020年の79件と比べると3.7倍の増加になる。都市ごとに見ると、ニューヨークでは前年の4.4倍、ロサンゼルスでは前年の2.7倍の増加だ。

■「アジア系は反撃してこない」
アジア系住民が狙われるのには、固有の理由もあるという。その一つが、「アジア系の住民は、攻撃をしても反撃してこないだろう」という加害者の固定観念だ。我慢の文化、あるいは事を荒立てないようにする文化が、かえって加害者を増長させている。さらに、被害者が英語を十分に話せない場合、「攻撃されても警察に通報しないだろう」と加害者が決めつけて、犯行に及ぶことも考えられるという。