「日本から経口薬を」塩野義、海外でもコロナ飲み薬の実用化目指す方針…社長インタビュー
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20211207-OYT1T50358/
塩野義製薬の手代木功社長が7日、読売新聞のインタビューに応じ、開発中の新型コロナウイルスの経口治療薬(飲み薬)について、国内に加え、海外での実用化も目指す方針を明らかにした。海外向けの治験や生産の提携先を年内にも選定し、年明けから北米や欧州で治験を始める見通しだ。
手代木社長は「年内に(国内向けの)製造販売の承認を申請する目標は変えない」とした上で、「日本から経口薬を出したい。経営資源を投入し、海外勢と競っていく」と述べ、海外展開への意欲を強調した。提携先は、欧米の巨大製薬会社を中心に検討している。
 重症化を防ぐ効果のある経口薬は、コロナ対策の切り札の一つとされる。塩野義は現在、国内向けでは最終段階の治験を急いでいる。新規感染者数の減少で十分な症例数の確保が難しいため、医療体制や国民の平均体重の似たシンガポールや韓国などで治験を行った上で承認申請する。海外向けも今後、準備を加速する。
 手代木社長は、承認申請に先駆けて今月6日に生産を始めたことも明らかにした。12月末に10万人分、来年3月末には100万人分にまで在庫を積み上げる計画だ。