17歳のころ、「もういやだ!」「もう死ぬ」というスイッチが入ってしまったことがありました。
そのときは、いじめられた記憶のフラッシュバックに加えて、ほかにもいろいろ嫌なことが重なって、
死ぬこと以外を考えられない状態になっていたのだと思います。

ついに衝動的にリストカットをしてしまいました。少しずつ何度も深く手首を包丁で切りつけて、血が流れてくる。

その最中に母が、たまたま階段を降りてきました。
無心に手首を切りつけていたわたしを見つけると、あわてて駆け寄ってきて手首を押さえて血を止めてくれました。

でもまたしばらくしてから、死にたい衝動がもう一度襲ってきたことがあります。
そのときはドライヤーのコードで首を吊ろうと、ドアノブにぐるぐる巻きつけ体重をかけたのですが、目の前が白くなりました。

すると、部屋に猫が入ってきて甘えてきました。

最後に猫を撫でようかな、とわたしはフッと力を緩めて抱き上げました。
猫を撫でているうちに、その衝動がおさまったのです。

もしそのまま死んでいたら。
本当にあのときに死なないでよかった、といま心から思います。

https://bunshun.jp/articles/-/56940