「そういえば自分も、昔のように友達をつくれない。それに気がついたのは、数年前。40歳を迎えたころのことですかね。四半世紀前に卒業した大学時代からの男女の友人はいるものの、数えるほど。結婚はまだしも、子どもが生まれるとみんなパタンと会わなくなって、つながっているのはLINEだけですよ。だから平日はともかく、土日は飲みにいく相手がいない。さみしいものです」

人と話すのは好きで、会社になら話す相手は何人もいる。でもいつか仕事をリタイアする年齢になって、もしも独身を通していたら……。この会社員の場合、そう考えて一番どんよりするのは、やはり食事のことだ。自炊も好きだが、店に食べに行くのも好き。そんなとき、一緒に行きたい相手といえば、やはり友達。食べたり飲んだりは、「恋人より友達のほうが楽しかったりすることも多い」からだ。

 会社の50代の先輩に『一人で飲みに行けば、友達なんていくらでもできるだろう』と言われたこともあるが、飲み屋で出会った人とその場は盛り上がったとしても、友達として長続きするかは別。

「だいたいおっさんが、友達ほしさに誰かに話しかけたりするのだって面倒。まして『連絡先教えて』なんて、異性に聞くより恥ずかしくないですか? 要は面倒くささと恥ずかしさが、友達ほしい願望を上回っているということ。そのくせ、さみしいのです(笑)」

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