警察の巡回もあり、逮捕・補導されるリスクを背負ってまで立ちんぼを続ける彼女たちに、大きな変化が起きている。それは、カメラやスマートフォンに過剰な反応を見せることだ。

行政のパトロールがいったん終了する21時を過ぎると、大久保公園周辺に女性が等間隔に並びだし、客を待つようになる。最盛期は大久保病院側に数多くいた立ちんぼだが、現在ではエリアを変え、ひとつ隣の路地に多く立ち並ぶようになっている。

SNSで見た光景を一目見たいと、多くの冷やかしや見物客が訪れ、写真を撮ることがブームになったこともあってか、通りを歩く男性がスマホを取り出すと、立っている女性たちが攻撃的な言葉で叫ぶようになっているのだという。

記者がその通りを訪れた時には、

「チー牛(ネットスラングで、オタクや性格が暗い人、地味な人を馬鹿にする言葉)はネットに帰れ。ネットでしかイキれないのに気持ち悪り―んだよ!」

と通りかかった若い男性に叫んでいた。

SNSで定期的にあげられる写真は、彼女たちには無断かつ、無修正で投稿される。彼女たちも、そうしたXの投稿を見ているようで、スマホを取り出す人を見かけると、その人物を注意深く観察し始める。

ネットで拡散された場合、多くの人に見られることになり、それを嫌がる彼女たちが危機感を持った結果が、このような状況を作り出しているのだろう。