やはりリサチの能力が関係していたのか、のしかかっていた幽霊からの圧が弱まった。『ドコダヨー』『ココダヨトモコー』従うべき対象を見失ったかのように散り散りとしていく。
ももはこの機を逃すまいと膝立ちからクラウチングスタートの体制を取る!両足のシューズがギュイーンと唸りを上げると"Get you!"という軽快な音声と共に一気にブーストがかかった。
ももは低空姿勢のまま爆速で幽霊の群れを突き抜け、リサチにタックルをかます!そしてそのままトンネル入口の壁まで自分の身体ごと突っ込んだ。
『ゔぅ……!』肉弾戦は不慣れなのか、リサチは衝撃を受け流せずにその場でへたりこむ。周りの崩れた瓦礫や砂が彼女の周りにガラガラと落ちた。
ももは再びラヴィ・ダヴィを手元に戻し、へたり込むリサチの額に銃口を突きつける。「あなた怪人ではないみたいですし、アミーの部下でもなさそうだけど、一体何者?」
リサチは泣きべそをかいていた。『グスン…私は…本物のつぶグミが…ほしいだけなのに…』「質問に答えて。」ももは銃口を更に押しつける。
『どうして…』リサチは潤んだ瞳でももを見上げた。『どうしてみんな意地悪するの?』その瞬間、ガシッ!とももの全身は皺だらけの巨大な手に掴まれた。
「が……あ…!」ぎりぎりと圧倒的な握力で掴まれ身動きが取れない。今度は何が…!?視線を正面に向けると、壁の落書きで見た巨大な白髪の爺さんがトンネルから顔を覗かせていた…