ももは咄嗟に下がって女性と距離を取る。女性を見るとあの笑顔は変わらないまま、目だけは怪しい色を帯びていた。か…怪人…?でも怪人なら既にアラームが私に入っているはず…
『えへへ、私はリサチって言います。真の生命を授かるためにつぶグミをもらいに来たの♡ これであなたは人類の未来に貢献できるんですよ。』
ももは何を言われているかさっぱりだったが、つぶグミを狙われていることだけは理解した… 即座に変身して二丁拳銃「ラヴィ・ダヴィ」を構える。
『きゃあ!』リサチは遮るようにして顔の前に手をかざし悲鳴をあげた。ももは困惑しながらも銃口は下げずに構え続ける。油断を誘ってるのか…?何か狙いが…?
リサチは手で顔を遮ったまま泣きそうな声で喋りだした。『こ、怖いよお…みんな… どうしよう… どこにいるの…?』みんな?ももは銃口をリサチに向けながら周囲に気を払う。
するとどこからともなく無数の声がこだましてきた。『ココダヨー』『ココダヨリサチ-』『ココダヨー』周囲の木々から…トンネルの奥から…かなりの人数だ…一体どこに何が潜んでいる…?
ももは五感を張り巡らせながら、やがて一つの結論を導きだした。まずは真っ先に本丸を叩く!引き金にかかった指に力を『ココダヨ』…入れる前にももの左肩に青白い手が置かれた。
思わず後ろを振り向くとげっそりとした男性がギョロリとももを見ていた。「う、うわ!」思わず振り払うが、その腕は男性の身体をすり抜ける。男性はそのままフワッと消えていった。
これってまさか…幽霊…!?