ダボス会議とは、世界経済フォーラムが主催する年次総会の通称であり、基本的に年に1回、1月にスイスのダボスで開催されます。ダボスでの開催は、世界経済フォーラム創設者のクラウス・シュワブ氏の意向によるもので、スイスとドイツの文化を象徴する山岳地帯にあるダボスの精神は協調と平等を表すとし、世界経済フォーラムの基本理念とされています。

ダボス会議の目的は、グローバル企業のリーダーや学者、活動家、若者のリーダー、市民社会のリーダーなど、様々な立場、身分、考え方を持つ、人類共通の未来に利害関係のある全ての人々を招集し議論をすることで、世界的な規模で経済問題に取り組むことです。ダボス会議の理念は、世界経済フォーラムの「ステークホルダー資本主義」に基づいたものとなっています。

ダボス会議の参加者は、世界経済フォーラムからの招待によって参加できる仕組みとなっています。2023年1月の主な参加者は、国家元首・政府首脳が52名、財務省56名、貿易担当相30名、中央銀行総裁19名、各産業分野の企業最高経営責任者(CEO)60名という顔ぶれです。
参加者の特徴として、北欧、西欧の富裕層に偏りがちですが、世界経済フォーラムでは、アジアや中南米、アフリカなども積極的に招待しています。

ダボス会議は、2020年1月に50周年を迎え、その50年の間にはさまざまな歴史が刻まれてきました。ここでは、ダボス会議が50年間で世界に与えた影響とその歴史をご紹介します。
1971年:第1回年次総会
1973年:環境に対する先見的な警告
1976年:アラブ世界と欧米の橋渡し
1979年:中国への扉を開く
1987年:冷戦終結の始まり
1988年:ギリシャ、トルコ間の戦争を回避
1990年:ドイツの統合と新しい欧州
1992年:マンデラとアパルトヘイトの終結
1998年:G20の誕生
1999年:コフィー・アナン氏とグローバルコンパクト
2000年:ビル・クリントン氏とGAVI創設
2002年:「ダボスで行う年次総会」、米同時多発テロ事件を受け、ニューヨークへ移設
2005年:ジェンダー・ギャップレポートを初めて発表
2007年:迫り来る金融危機
2012年:ヤングリーダーのコミュニティ
2016年:第四次産業革命の理解
2018年:「マネル(男性だけのパネル)ではない、本物のパネル」
2019年:自然界を脅かす緊急事態
2020年:ステークホルダーが作る、持続可能で結束した世界