1月2日〜タチカワ・ガーデンホール〜
今日はこの会場でハロー・フィル・ハーモニー(ハロモニ)のニューイヤーコンサートが開催される
コンサートマスターには一華が起用。異例の若さでの起用だが一華の実力からすれば当然のことである。しかし…
「あ゛あ゛あ゛あああああー!どどどうしよう」
一華は極度の"ビビり"であった
「一華ちゃん、大丈夫だよ。緊張は誰もが経験するイベントみたいなもの。緊張を楽しんでいこっ♪」
一華に優しく話しかける女性、同じコンサートでピアノを担当する小林萌花。メンバーからはほのぴの愛称で呼ばれている。
「小林さん」「ほのぴでいいよ。一華ちゃん、想像してみて。あなたのバイオリンで観客が震えるほど感動する光景を。一華ちゃんは真っ白なキャンバスに自由に絵を描けばいいの」
「うーん、すごく難しい例えですけど、なんか気が軽くなりました。ありがとうございますこば…ほのぴさん」
「まだ硬いけど…まっいっか♪今日は目一杯楽しみましょう」

「ほのぴさん、開演3分前ですけどお呼びがかかりませんね」
「そうね。入場がまだ終わらないのかしら。マネージャーさんからも連絡が来ないし」
「私ちょっと様子見てきます」

舞台袖へ向かう一華。客席では観客が暴れ出し、ステージへ向かおうとしていた
声にならない呻き声を鳴らしながら、まるでゾンビのようにステージへと躙り寄る