機長「兄ちゃん、神様ってやつを信じるかい?」
記者「え、はあまあ」
機長「俺はさ、信じちゃいねえのさ」
記者「でも、あの事故で助かるなんてまさに奇跡なんじゃ」
機長「奇跡……そうだな、奇跡さ。たまたまコックピットにいたのが俺ってだけなのさ。あの瞬間、最初に飛行体に気付いたの俺の後ろに居た隊員だった」
記者「え、でも……」
機長「あいつは飛行体が見えた瞬間に悟ったんだろうな。少しでも衝突位置から遠い俺を後ろから外へ投げ飛ばした」
記者「……」
機長「神様なんざいねえ……居たのは最高の部下であり友人――俺を救ってくれたのは“あいつら”だった。記事には“5人の英雄”っていれてくれ」