──絶対的リーダーの和田さんですけど、「アンジュルムはこうあるべきだ!」みたいな考えを後輩に伝えたりはしないでんすか?

和田 絶対にしません! 人間が1人ひとり違う以上、そこには個人の考えというものがあるし、1つの考えで突っ走るというのは危険な気がするんですよ。
だから思うことがあっても、あえて口を挟まないことも多いです。強いて言えば、「そんなの自分で考えろ!」スタイルのリーダーでしたね(笑)。

笠原 それは、めちゃくちゃ感じます。自主性を重んじるというか、個性を伸ばすというか……。
たとえば私たちみたいな大人数グループの場合、「髪型やメイクが他のメンバーと被らないようにする」っていうのは結構大きなテーマなんですよ。
だけど私なんかはメイクの知識もないし、考えすぎちゃう傾向があるので、「あ~、もう! どうしよう!? どうしよう!?」ってパニックになっちゃんです。
そういうとき、和田さんは軽い調子で言うんですよ。「そんなの自分の好きにすればいいじゃん」って。そういった和田さんの言葉に私はどれだけ救われたか……。

和田 言っちゃえば個人主義ってことなのかもしれないけど、その思想を全員に押しつけるのも違うと思うんですよね。
メンバーの中には「好き勝手やりたい」じゃなくて「みんなと揃えたい」という考え方もあるかもしれないですから。

──今はダイバーシティという概念が重視される時代ですしね。

和田 そもそもアンジュルムに「路線」なんてないですから。私がいなくなってからも、どんどん変えていってほしい。
むしろ全面的に変えてもらったほうが私としてはうれしいです。実際、守ってほしいものなんて何ひとつないですよ。

竹内 うん、わかる。結局、過去は過去じゃないですか。もう戻ってこないわけですよ。それを懐かしがってどうするんだっていう話で。だったら未来を見たほうがいいです。

和田 去年、20周年を迎えた歴史あるハロー!プロジェクトですけど、だからこそ逆に変えていかないとダメだって感じたんですよね。ハロプロ全体については、話が大きくなりすぎるから私が簡単に口を挟めることじゃないかもですけど(苦笑)。でも、アンジュルムは変わっていく集団であってほしいなと思います。
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