想定外のC98中止、下りなかった興行保険 引き返せないところまで来ていた

──今回のコミケ(C99)、終わってからの率直なご感想をお聞かせ下さい。
市川 すごいやりたかったですし、終わってみてすごく気分が晴れました。やっぱりコミケットはハレの日なんだなとつくづく感じました。

──初めて開催中止になった前回のコミケ(C98)ですが、「開催中止」という想定はこれまでもありましたか?
市川 地震とか台風はある程度想定してるんですけど、パンデミックは想定してなかったですね。

──C98の中止が公表される頃、会場費の問題が取り沙汰されていました。一般的に興行保険は感染症による中止は補償対象にならないとされてますが、保険は下りたのでしょうか。
市川 保険は下りなかったですね。地震や台風、ケガや途中で大きなトラブルがあった場合は下りるんですが、今回のようなパンデミックではないです。

──C98中止で会場使用料の扱いはどうなりましたか。
市川 緊急事態宣言になりましたので、キャンセル料は取られませんでした。前金は払わなきゃいけないんですけど、返金、あるいは次回繰り越すみたいな扱いになっています。C98のカタログ製作費とか、スタッフの稼働費ですとか、そちらの方が額は大きかったですね。

──中止が決まった段階で、カタログは全部刷り終わっていたんですか。
市川 ほぼ刷り終わって、もう印刷を止めても変わらない状態までいっていました。