フィリピンの首都マニラ南部の刑務所で、深さ約30メートル、長さ約200メートルのトンネルが掘られているのが見つかり、脱獄目的ではないかとの臆測が広がった。
一方、レムリヤ司法相は20日までに、第2次大戦の終戦の際に旧日本軍が隠したとされる「山下財宝」を探すため、矯正局長が掘削を指示していたとの見方も示した。
矯正局長はジャーナリストら殺害の容疑が浮上して解任され、疑惑が次々と露呈した。
本人はトンネルについて、メディア取材に対し、脱獄支援の意図を否定し「職員のダイビング訓練用に深いプールを造る目的だった」と主張した。
だがレムリヤ氏は、財宝を探すために掘ったとの説明を矯正局長から受けていたと指摘。「時間と公金の無駄遣いで、ばかげている」として掘削を即時停止するよう命じたことを明らかにした。
刑務所は無法状態で、馬15頭、賭博用に闘わせる鶏10羽、ニシキヘビ3匹が飼われているのも見つかったと報じられた。
司法当局は刑事責任を追及する構えだ。(共同)