孫正義氏、当面は決算会見に登壇せず--「投資先は全滅に近い成績」

 ソフトバンクグループは11日、2022年9月中間連結決算は最終(当期)損益が1290億円の赤字となった。前年同期(3635億円の黒字)から悪化した。
世界的なハイテク企業の株安の影響などで、投資先企業の株価が下落し、投資先の評価額が減少した。
中国のIT大手、アリババ株の売却益を計上したことにより、4~6月期の3兆1627億円の赤字から、赤字幅は縮小した。

 孫正義氏は、コロナ禍の反動による消費の増加や、ウクライナ情勢に起因するインフレによって、株式市場が大きなダメージを受けた指摘。
「数年前からビジョンファンドでどんどん投資する方針を発表していたが、今の情勢は上場株であれ未上場株であれ、投資していた会社はほとんど全滅に近い成績になっている。」述べた。

 続けて「この厳しい情勢のなかで、ソフトバンクとして取るべき道はなにか。
ビジョンファンドでこのまま投資を続けるべきなのか、それとも、負債の比率を下げて、手元のキャッシュを厚くして、安全運転に舵を切るべきなのか。
社内でも議論した」とした。

 その上で孫正義氏は「出した結論は、インフレは当分収まらない。上場株ですらしばらく大変。まして、未上場株は時差があるから当分大変。
だから守りを固める。新たな投資はより慎重にし、ビジョンファンドのマネジメント社員の規模も縮小する」とした。