岸田文雄首相は、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の問題を巡り、宗教法人法に基づく調査実施の検討に入った。
消費者庁の有識者検討会が近く調査要求を含む提言をまとめることを踏まえ、17日の衆院予算委員会で表明する見通しだ。
必要であれば調査を行うよう、文部科学相に指示する考えを示す方向だ。複数の政府関係者が15日、明らかにした。調査が実際に行われた場合、結果次第では解散命令の請求が視野に入る。
政府内には「信教の自由を侵しかねない」として調査に慎重な意見が多かった。
検討会提言を受け積極姿勢に転換することで、内閣支持率低迷の要因である教団を巡る問題で局面転換を図りたい意向だ。
首相はこれまでの国会答弁では、解散命令請求については慎重な姿勢を示している。
関係者によると、霊感商法対策などを検討するため河野太郎消費者担当相が設置した検討会は、宗教法人に解散事由に該当する疑いがある場合、報告を求めたり質問したりできる調査を、政府が過去に実施した例がないとされる点を問題視。
提言で、調査権限の速やかな行使を求める方向だ。提言は17日の午前中にも公表される段取りだ。
首相は14日、NHKのインタビューで、教団への対処に関し「宗教法人法など関連法との関係をしっかり確認し、厳正に対応していく」と述べた。(共同)